研究の現場というのは、何も一つの理論に全員が賛成ということはありません。
大抵の場合、対立する意見があり、それぞれが証拠を出して「こっちの方が正しい」とか「こういう結果が出てるからこう考えられる」と言った戦いを日々繰り返すものです。
もちろんこの「クランチが腰に悪い説」も、これを支持する意見と支持しない意見があります。
今日は最後にNSCA(全米ストレングス&コンディショニング協会)の機関紙で繰り広げられた、この二つの対立意見の主張している内容をちょっとご紹介したいと思います。
「クランチが腰に悪い説」に対する反対意見の内容についてご紹介
まず、この「クランチが腰に悪い説」に対する反対意見の内容についてご紹介しましょう。
この「クランチが腰に悪い説」の根底にあるのは「椎間板の屈曲の回数は有限である」というところから来ています。
つまり、野球の投手が「肩は消耗品である」というのと同じような感覚だと思っていただければいいと思います。
これを証明するための実験は、ブタの脊椎を利用して行われたそうです。
1500ニュートンという単位の圧縮負荷を与えて、機械的に屈曲動作を繰り返し与えたところ、4400回〜86400回の屈曲を行い、大多数の椎間板の輪後部に、部分的、あるいは完全にヘルニアが出たそうです。
ヘルニアとは、椎間板が突出してしまう症状のことを言います。
シットアップに関しては3000ニュートン以上の負荷がかかります。
またクランチであったとしても2000ニュートンを超えます。
なのでこの動作を数千回行うとヘルニアが出てしまう可能性が高いというわけです。
一見「なるほど! やっぱりクランチはやってはいけないエクササイズなんだ」と思われるかもしれません。
しかし、ここで反論意見の出番です。
反論意見の主張としては、そもそも、死んでいる豚の脊椎を機械で屈曲し続けただけでしょ?というものです。
まずそもそも豚の脊椎は、人間のそれとは構造が全く違うものです。
動的な屈曲動作に関しては、豚の脊椎の可動域は人間より小さいのです。
また、死んでいる・・・というところが問題です(^^;
死体に負荷をかけて筋トレさせても筋肉がつくわけありません・・・
だって死んでいるわけですから(^^;
(そもそもどうやったって筋トレはさせられないですが・・・(^^; )
しかし生きている動物の、細胞は「合成」というものが存在します。
新しく細胞が色々と作られるということですが、これは「負荷」をかけるとこの合成のスピードが早まるものです。
なので、筋肉でも骨でもある程度負荷をかけると合成が進み、元のレベルよりも強くなっていくものです。
筋トレなんてその代表選手ですよね(^^)
なので、死んでいる・・・
つまり合成の起こらないものに負荷を与え続けたら、壊れるのは当たり前じゃん!
それなら死んでいる豚の筋肉にも機械的な負荷を何万回も与えたら、やっばりいつか壊れるよね?
その結果から「筋トレはしちゃダメ」なんてならないでしょ?
クランチと脊椎の関係も同じなんじゃね?
というのが反論意見の主張となります。
んー・・・・確かにその通りだと思うのは僕だけでしょうか?(^^;
反論意見の主張としては、
- 椎間板にも筋肉と同様適応能力があり、脊椎組織の再生能力を超えない範囲で負荷をかけている限りは、むしろプラスの働きがあると考えられる
- エククサイズに「悪いエクササイズ」というのは本来存在しない!
- ただ、そのエクササイズの「適用の方法が間違っていることがあるだけ」だ!
です。
この意見に僕は深く同意します!
フィットネス業界の筋トレを代表とする運動処方は「これはしちゃダメ」と言われることが多いです。
ただ、僕はそれはいつもそういう時に「ちょっと違うんじゃない?」と思うことが多いです。
その目的ではダメかもしれないけど、他の目的に沿ってみれば十分にありじゃんと大抵の場合思うのです。
ただ、もちろん重量・スピード・回数・セット数などはそれなりにアジャストさせなければなりませんが・・・
次のページはこれに対する反対意見です!
