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格闘技の不思議 広背筋が大きいとパンチ力が上がる?

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広背筋が大きいとパンチ力が上がる?

皆さんこんにちは

パーソナルトレーナーの野上です

ボクシング漫画や、ロッキーのようなボクシング映画をみると「薪割り」をトレーニングに取り入れて「広背筋」を鍛え、強いパンチ力を養うというシーンがあります。

これ・・・ちょっと矛盾を感じませんか?

だってパンチを打つって、手を前に伸ばす動作です。

つまりベンチプレスやダンベルブレス、マシンで言えばチェストプレスといういわば「押す系」の種目とほぼ同様の動きになるわけです。

この時に使われる筋肉というのは、大胸筋、三角筋、上腕三頭筋の3つが使用されます。

あれ?・・・・広背筋や背中は?・・・・・

ちなみに、広背筋というのは腕を「引く」ときに使用される筋肉です(^^;

つまりパンチの動作と真逆の筋肉じゃん!ということになるんです。

じゃあ、広背筋はパンチ力に関係がないかというと・・・

そんなに単純でもないんです!(^^;

まず、ハードパンチャーというのはみんな背中の筋肉は発達しています。

打撃系の格闘技をしていると背中の筋肉も発達しやすいのは事実なんですが、これをあたかも「パンチを打つ時に使われているから発達している」と単純に考えてはいけません。

なぜ背中の筋肉が発達するのか?

以前SNSでいただいたご質問に「打撃系格闘技は、後背筋を使った押す力といわれ、事実背筋が発達しましす。しかし、ウエイトでは、押して背筋を鍛えるトレーニング方法が確立されていないのはなぜなのでしょうか?」というものがありました。

先程も書いたように広背筋は「引く」ときに使用される筋肉です。

したがって「広背筋を使った押す種目」というものはそもそも存在しません!

では、なぜ格闘家の広背筋は発達するのかというと、まず単純に「パンチを引く時には使われるから」です。

そりゃそうです!

パンチは「打つ」だけじゃなく「引く」動作もあって初めて「パンチ」という動作が成立します。

「引く」時は広背筋の出番です!

何万回も打っては引きをくり返していれば・・・

それも目一杯のスピードでストレート、フック、アッパーなどあらゆる角度でしかも体幹ごと打っては引きを繰り返していればそりゃ発達もします。

ただし、それでは「パンチ力」という「押すパワー」につながる根拠にはなりません

・・引いてるだけですから・・・

ここで二つのパターンをご紹介したいと思います。

一つはパンチというものはそもそも押すイメージだけで打つのか?という事が言えます。

これは「ムチ」を想像していただければいいと思うのですが「ムチ」をただひとつの方向に思いっきりブーンと振ると威力がでるのか?というとそうではないです(^^;

「ムチ」って、振った後に「引く」動作を加味したときに初めて先端が「奔る」動きがでますよね?

実はパンチにもこれが言えて、打った後素早く「引く」動作が入る事で、インパクト直前に「奔る」動きが加味されます!

これはジャブなどの比較的スピード勝負のパンチを打つ時に、特に有効に働くテクニックです!

このため、押すパワー・・・だけでなく引くバワーも備わっていた方がパンチ力アップに有利に働くのは容易に想像が出来ると思います。

・・・しかし・・・

背中の筋肉、特に分かりやすく広背筋としますが、パンチを引く時に(つぎのパンチを出す時)この筋肉ってまず格闘技の技術の面から見て言うと、そんなに大袈裟に腕を引いてはいけません。

みなさんファイティングポーズをとって片方の肩甲骨をぐっと引いてみましょう。

・・・・ノーガードになっちゃいます(^^;

顎丸出しですよね(^^;

打ち合いの中で顎なんて出すのはちょっと問題すぎです。

コンビネーション打っているときは相手も大抵負けじと打ち返してきているか打ち終わりを伺っているからです

もちろん多少は引きますしコンビネーションブローのなかで「回転のきっかけの一つ」にはなっていますが、片方をぐっと引いて片方を出すというそんな簡単な代物ではありません。

また単純に背中の筋肉がついていると身体の回転は悪くなります!

身体の回転の動力と起点の大半は下半身と体幹です。

例えば右ストレートは右足の外旋、外転、膝の伸展と股関節の伸展から骨盤を回し、体幹の各筋肉(外腹斜筋、内腹斜筋、多裂筋、回旋筋等)の伸張反射とパワーを利用して脊柱(体幹)を回します。

さらに胸、肩、三頭筋を使ってパンチをだします。

背中を引くと回転が速くなりそうな感じがすると思いますが、この一連の回旋運動に「背中の筋肉の引きの関与」はけっして大きな物ではありません。
(ちなみに左足も実は外旋、外転、伸展の働きをして骨盤の回転をストップさせる方向に働く)

そして回転の効率でいえばもちろん一連の動力の上にある重量物は軽い方がいいわけです。(軽い方が速い)

つまり脚、体幹に比べ、横隔膜から上は軽い方が回転の速度から言えば有利になります。

しかし、もちろんこれでは「スピード的」には有利になっても「パワー的」には不利になります。(伸張反射的にも不利になる)

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