「マラソンに必要なエネルギーとスピードの密接な関係」について
こちらのグラフをご覧ください。

このグラフはリオオリンビックのマラソンにおいて5km刻みでの1位と3位の選手の公式タイムを折れ線グラフにしたものです。
これを見ると、スタートしてから、35kmの時点まで、両者のタイムの差はなんと「わずか1秒」だったそうです。
そして、テレビ画面だけを見ていると気がつかない方も多いですが、25kmの時点から実はペースは上がっているのです。
さらに、30kmからさらにペースは上がります。
そしてペースは上がっているものの、35kmの時点でのタイム差はわずか1秒!
んー、白熱したレース展開なのがわかります。
しかし、35kmの時点から勝敗が分かれます。
3位の選手はペースがキープできず、序盤のペースに戻ってしまいます。
1位の選手も、それ以上ペースを上げることはできず、30kmからのペースを維持するのが精一杯になります。
テレビ画面では、1位の選手が35kmから3位の選手を引き離し始めているので、さらにペースをあげたのか?とも見えますが、実は1位の選手がペースをあげたわけではなく、3位の選手のエネルギーが枯渇してついていけなくなったというのが本当のところと言えます。
また、1位の選手のペースアップも、25kmから30kmのペースが、30kmからあげたペースアップのスピードくらいまで一気にあげてしまっていたら、エネルギー的に持ったかどうかはわかりません。
先ほども言いましたが、人間の身体を動かすのはATPというものです。
糖質も脂質も最終的にこのATPを作るための材料でしかありません。
3位の選手は、このATPを作り出す能力が、25kmからペースをあげた場合、その生産能力が最後まで持つ能力を有していなく、生産能力と消費のバランス的に追いつかなかったのです。
マラソンのような長時間に渡り、エネルギー生産能力のギリギリを競い合うようなスポーツでは、自分のエネルギー生産能力を普段から理解していなければなりません。
また、このように生産能力を完全に把握した上での綿密なレース展開をトップの選手にされると、エネルギー生産能力を理解していない選手が逆転勝ちするのは非常に困難になってくるのがわかると思います。
