スピード・アジリティ

「エネルギー」と「スピード」の密接な関係について

2019年7月9日

運動・活動のエネルギー供給

皆さんこんばんは!!

毎週月曜日は「スピード・ジャンプ力向上」というテーマでお届けいたしております。

今日は「エネルギーとスピードの密接な関係」というテーマでお届けしたいと思います。

身体を素早く動かすにはもちろん「エネルギー」が必要なことはいうまでもありません。

しかし、この「エネルギー」を正しく理解している方がどれくらいいるのか?というとちょっと疑問に感じます。

そこで今回は「エネルギーとスピード」というテーマでお話ししたいと思います。

まず、皆さん身体を動かすエネルギーって何を思い浮かべますか?

脂肪? 糖? それともあまり落としたくないけど筋肉を分解してエネルギーにするなんて話も聞いたことがあるような・・・・

これはですね・・・正解は「ATP」と言われるものなんです。

正式名称は「アデノシン三リン酸」と言われるものです。

なんかどこかで聞いたことがあるような・・・という方も多いと思いますが、人間が身体を動かす時の直接的なエネルギーはこの「ATP」であり、糖や脂肪はあくまでこのATPを作り出すための材料でしかありません。

最初に大前提の話をすると、このATPは、運動の強度に応じて作られる量が変わります。

当然のごとく、強度の高い運動をすれば必要なATPの量も増えるので、高強度の運動では多量のATPが作られます。

次に、先ほどこの「ATP」を作る材料として「糖」や「脂肪」があるとお話ししましたが、この「割合」も運動強度によって変わります。

一般的に、筋トレは糖質をエネルギーとしており、長距離系では脂質をエネルギーとして運動を行うと言われることが多いです。

しかし、これ実はかなり誤解があり、筋トレでも脂質も栄養として使われ、長距離走などでも糖質もエネルギーとして使われています。

ただその「割合」が違うだけであり、「スパッ」とエネルギーが糖質から脂質、脂質から糖質に変わるなんていう切り替えスイッチのようなものは人間には存在しません。

では、このエネルギーの必要な「量」と「割合」は、運動強度によってどう変化するのか?です。

こちらのグラフをご覧ください。

縦の棒グラフを見ると安静時に比べて、運動強度が高くなっていくと、エネルギーの必要な量は爆発的に増えていくのがわかります。

その量の差はなんと最大10倍にも登ります。

次に、糖質と脂質のエネルギーの使われ方を見てください。

運動強度が高くなるほど白い部分が大きくなっていくのがわかります。

白い部分は糖質なのですが、運動強度が60%くらいまでは半々くらいですが、80%まで運動強度が上がると一気に糖質の占める割合が増えます。

この分岐ポイントの運動強度は65%と言われています。

また、ちよっと話はずれますが、安静時を見てもらうとあることがわかります。

そう、安静時では「脂質」の使われる割合の方が多いのです。

有酸素運動は20分以上運動しないと脂肪が燃えないとはよく言われることですが、実はじっとしている時にすでに脂肪はエネルギーとして使われ、さらにその割合も高いことがわかります。

ただ、このグラフのように、安静時ではエネルギーの必要な「量」が少ないので、脂肪が使われる「量」も少ないだけの話なのです。

なので「有酸素運動は20分以上運動しないと脂肪が燃えない」説がいかに嘘っぱちなのかがわかるグラフでもあります。

「マラソンに必要なエネルギーとスピードの密接な関係」について

こちらのグラフをご覧ください。

このグラフはリオオリンビックのマラソンにおいて5km刻みでの1位と3位の選手の公式タイムを折れ線グラフにしたものです。

これを見ると、スタートしてから、35kmの時点まで、両者のタイムの差はなんと「わずか1秒」だったそうです。

そして、テレビ画面だけを見ていると気がつかない方も多いですが、25kmの時点から実はペースは上がっているのです。

さらに、30kmからさらにペースは上がります。

そしてペースは上がっているものの、35kmの時点でのタイム差はわずか1秒!

んー、白熱したレース展開なのがわかります。

しかし、35kmの時点から勝敗が分かれます。

3位の選手はペースがキープできず、序盤のペースに戻ってしまいます。

1位の選手も、それ以上ペースを上げることはできず、30kmからのペースを維持するのが精一杯になります。

テレビ画面では、1位の選手が35kmから3位の選手を引き離し始めているので、さらにペースをあげたのか?とも見えますが、実は1位の選手がペースをあげたわけではなく、3位の選手のエネルギーが枯渇してついていけなくなったというのが本当のところと言えます。

また、1位の選手のペースアップも、25kmから30kmのペースが、30kmからあげたペースアップのスピードくらいまで一気にあげてしまっていたら、エネルギー的に持ったかどうかはわかりません。

前回も言いましたが、人間の身体を動かすのはATPというものです。

糖質も脂質も最終的にこのATPを作るための材料でしかありません。

3位の選手は、このATPを作り出す能力が、25kmからペースをあげた場合、その生産能力が最後まで持つ能力を有していなく、生産能力と消費のバランス的に追いつかなかったのです。

マラソンのような長時間に渡り、エネルギー生産能力のギリギリを競い合うようなスポーツでは、自分のエネルギー生産能力を普段から理解していなければなりません。

また、このように生産能力を完全に把握した上での綿密なレース展開をトップの選手にされると、エネルギー生産能力を理解していない選手が逆転勝ちするのは非常に困難になってくるのがわかると思います。

色々書きましたが、よろしければおたのしみにしてください(^^)

ではでは!!!

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