「中心軸感覚」
これは「身体の軸」を「中心」に置く感覚です。
んー・・・・当たり前じゃね?
と思われる方も多いと思います。
僕も陸上部時代に、顧問の先生に「「頭を糸で吊るされているイメージ」で背筋を伸ばし、背中に1本軸をイメージしながら走りなさい!」
とよく言われました(^^;
ゴルフの世界でも、傘を背骨に沿うように当てて「背中に一本軸が通っているようにイメージするように」とアドバイスされることもあります。
しかし、これはかなり古いスイング論です。
今では今日話す「2軸」の理論の方が(正確にはもっと複雑)主流となっています。
まず「身体の軸」を「中心」に置く感覚・・・
この感覚でいざ走るとどうなるのか? ですが・・
大抵の場合、上半身と下半身を、身体の中心を軸にまるで雑巾を絞るように上半身と下半身それぞれ反対方向に捻るように走りますよね。
まあ右足を後ろに蹴るときには、左手を後ろに引いて、右手は前に出して走るわけで・・・
身体ひねって走るよね?
んー・・・・やっぱり当たり前じゃね?
と思われる方も多いと思います(^^;
なんか「軸」を「身体の中心に置くこと」は、みなさんのイメージ的にとても良いものと捉えられているのではないでしょうか?(^^)
これですね・・・・走るときはちょっと微妙なんですよね(^^;
シドニーオリンピック100m金メダル、アテネでは銅メダルだったモーリスグリーン選手の走りを筑波大学で解析したそうです。
するとグリーン選手は「軸」に関しては、この「中心軸」ではなく「2軸」で走行していると述べています。
「2軸走行」とはなんなのか?
まずグリーン選手の走りです!
グリーン選手はまず「体幹をひねらないで」走ります。
どういうことかというと・・・
両方の肩と、両方の股関節を結んだ4点の長方形(体幹)は捻らず「体幹は面を保ったまま」走っているのです。
つまり、肩と腰が反対方向に回転して体幹が捻れる動きはほとんどないそうです。
そして・・・
この時の「身体の軸」はどこにあるのか?ですが・・・
グリーン選手のような世界のトップランナーは、足が接地する時に「接地側の股関節軸」を「動作の軸」として使います!
中心軸に関しては、体幹が左右に傾かないように整えるための「調整軸」として用います。
両方の肩と、両方の股関節を結んだ4点の長方形(体幹)の左右にある二つの縦軸を、交互に差し替えることで前に進みます!

と言われても、なんとなくわかったようなわからないような・・という方も多いと思います。
「中心軸走行」と「2軸走行」の感覚を体感しよう
まず早速ですが、2軸走法の感覚を得るためからです(^^)
- 両足を骨盤の幅くらいに開き、つま先と膝頭はやや外に向け、股関節を外旋状態にします
- その状態から、右足の太ももをあげ、左足で身体を支持しながら、体幹はひねらずまっすぐ前を向けたまま、前に倒れこむようにして前に出て行きます
- 右足の接地予測点は、最初に立っていた足幅のままの二直線の上です。(二直線走法)
- 右足が設置する前に、左骨盤(左腰)をわずかに前に出すようにします。(左脇腹と左腰を入れる感じ、あるいは左脇腹と左腰が前に滑る感じ)
- この時身体重心は、右軸(右側)の方に寄って行き、右足が素早く踏みつけられるように接地します。
- 離地した左脚は地面から離れた瞬間に、鞭のように前に出て、接地した右脚を追い越して行きます。
これが2軸走行における軸の差し替え(切り替え)です。
左足が離地して左軸が消えて、右脚が接地して右軸が現れます。
今度は中心軸走行です。
- 爪先も膝頭もまっすぐ前を向けておきます。
- 中心軸感覚の場合、右足のももをあげ、左足で身体を支持した時に、左足が中心軸の真下にあります。
2軸感覚では左足に重心を寄せながらも、完全に身体重心の真下に左足を持ってきませんでした。
中心軸感覚では、左足は中心軸(身体重心)の真下にあって、前後左右に安定して立っています。
- この状態から、右足のももを引き上げながら、前に倒れこんで行きます。
- 右足の接地点は中心軸上に(一直線上に)定めて前に出てゆきます。(一直線走法)
すると左足で蹴ってしまうことがわかると思います。
左骨盤(左腰)が後ろに残ってしまうことも確認してください。
- この時左右バランスを保つために自然に左肩と左腕を前に出していく補償的な動きが生まれます。
これが中心軸で体幹をひねる動きです。
- 左足が地面から離れた時に、前述の2軸走行に比べてその足がさっと前に出にくいことを感じると思います。
また右足を踏みつけて着地していく動きが遅れることも実感できると思います。
いずれもターンオーバーの動きが鈍いことを意味しています。
中心軸感覚で走ると多くの人が一直線に近い足幅になります。
ただし、左右の股関節の機能を上手に引き出す2軸感覚をマスターした人は一直線上に足をおく動きでも体幹をひねらない2軸走行ができます。
しかし、全力疾走になると二直線走行でないと完全な2軸走行は難しくなります。
(モーリスグリーン選手やカールルイス選手は二直線走行)
かといって二直線上を走りさえすれば、それだけで2軸走行になるかというとそんなこともないそうです(^^;
二直線上を走ることは2軸走行に近づくきっかけになりますが、それだけでは完全ではありません。
二直線上に足をおいても、中心軸でバランスをとる感覚が抜けない人は股関節のターンオーバーができないのでやはりうまく行きません。
次のページではこの2軸の動きを体得するドリルをご紹介したいと思います。
