スピード・アジリティ

スピードの科学 「中心軸走行」と「2軸走行」について

スピードを科学的に考察

皆さんこんにちは

パーソナルトレーナーの野上です

みなさん「中心軸走行」と「2軸走行」ってご存知でしょうか?

今日は、ここをご紹介したいと思います。

「トップスピードで走っているときの股関節にかかる力の向き」

股関節・・・・大事ですよね!

そんな、股関節ですが・・・

トップスピードで走っている時に股関節に働く力・・・・

・・・・ ん?なにいってんの? と思われると思います(^^;

まず、この図をご覧ください。

IMG_2976.jpg

上がシドニーオリンピック100m金メダル、アテネでは銅メダルだったモーリスグリーン選手、下が日本の伊藤浩司選手及び、日本の大学トップ選手の股関節にかかる力の向きだそうです。

この図での矢印は、接地脚(右)の股関節にかかる力の向きを、前方か後方かだけに絞って示したものであり、股関節の大きさや、その細かな方向は考慮されていないそうです。

どうでしょう?

最大のポイントは。左からふたコマ目です!

右足を接地脚として説明すると、その足が地面から離れる時にはすでにグリーン選手は右足の股関節に前向きの(進行方向)の力がかかっています。

この研究をしたのは筑波大学の阿江先生という方なのですが。

阿江先生によると、グリーン選手の股関節にかかる力の向きは、接地期の後半にはすでに右足の股関節にかかる力の向きは、後方から前方に切り替わっているそうです。

これは、むしろそうだろうなという感じに思います。

着地の時は、脚は股関節より前に着地するので、その着地の時に股関節には、いわばブレーキとなる方向・・・すなわち後方の向きに力がかかります。

そして足が身体の真下から後方へ蹴りだす時は、当然、股関節に今度は加速方向への力がかかり、前方への力が働く・・・

まあこう言われてみれば当たり前だと思うのですが・・・・

こんな単純な話ではないから問題なんですよね(^^;

問題は日本の選手

まず、そもそもの問題は日本の選手です。

伊藤選手及び、大学のトップレベルの選手は、接地脚の右脚の股関節にかかる力の向きが後方から前方へ切り替わるタイミングは・・・・

なんと「右脚が離地してからあと」!

つまり空中に足が浮いてからだそうです。

遅くね?

このへんの解釈はちょっと難しいのですが・・・・

誤解をおそれずに言えば、「右の股関節」に後ろ向きの力・・・ということは・・・

「左の股関節を前に出している」とも言える(かも)です(^^;

ここで「かも」と歯切れの悪いこと言いだすのは、この時に左の股関節の動きを測っていただけていないからなんですよね(^^;

んー、ちょっと残念(TT)

ただ、右脚が後方に蹴っていく時って・・左足は当然前に振り上げていきますよね?

この時左の股関節も前に出そうとしていたら・・・

そんなイメージで左から2コマ目の下の日本人選手のイラストを見てもらうと、なんとなくイメージがつくと思うのですがいががでしょうか?

そして右脚が離れた時は今度は右足を前方に振り上げていくわけで、右の股関節を前に出そうとしていたら・・・・

そんなイメージで今度は3コマ目を見てもらうと、やっぱりなんとなくイメージがつくと思うのですがいががでしょうか?

そして、そのあとすぐに左足は着地する時であり、この時にははっきり左の股関節は後方への力が働くわけで・・・・

片方の股関節が、後方へ力がかかっている時は、その反対側には逆に前方への力がかかっている可能性が高いわけです。

その証拠に、先ほどの図の左から4コマ目で左足が着地している時は、右の股関節にははっきり前向きの力がかかっています。

これですね・・・走行中の「身体の軸」の話につながっていくんです!!

身体の中心に軸があると、後方に押された骨盤の「反対側」は当然「前に出ます」。

そしてこう説明されると、まあそうだろうなと思われると思います。

じゃあグリーン選手の方の動きに逆に説明がつかなくなりますよね(^^;

まだまだ「速く走る」ための科学、深いテーマであります。

「中心軸感覚」

これは、「身体の軸」を「中心」に置く感覚です。

んー・・・・当たり前じゃね?

と思われる方も多いと思います。

僕も陸上部時代に、顧問の先生に「「頭を糸で吊るされているイメージ」で背筋を伸ばし、背中に1本軸をイメージしながら走りなさい!」

とよく言われました(^^;

ゴルフの世界でも、傘を背骨に沿うように当てて、「背中に一本軸が通っているようにイメージするように」とアドバイスされることもあります。

しかし、これはかなり古いスイング論で、今日話す、「2軸」の理論の方が(正確にはもっと複雑)主流となっています。

「身体の軸」を「中心」に置く感覚・・・この感覚でいざ走るとどうなるのか? ですが・・

大抵の場合、上半身と下半身を、身体の中心を軸に、まるで雑巾を絞るように上半身と下半身、それぞれ反対方向に捻るように走りますよね。

まあ、右足を後ろに蹴るときには、左手を後ろに引いて、右手は前に出して走るわけで・・・

身体ひねって走るよね?

んー・・・・やっぱり当たり前じゃね?

と思われる方も多いと思います(^^;

なんか、「軸」を「身体の中心に置くこと」は、みなさんのイメージ的にも、とても良いものと捉えられているのではないでしょうか?(^^)

これですね・・・・走るときはちょっと微妙なんですよね(^^;

シドニーオリンピック100m金メダル、アテネでは銅メダルだったモーリスグリーン選手の走りを筑波大学で解析したところ、グリーン選手は「軸」に関しては、この「中心軸」ではなく、「2軸」で走行していると述べています。

「2軸走行」とはなんなのか?

まず、グリーン選手の走りです!

グリーン選手はまず「体幹をひねらないで」走ります。

どういうことかというと・・・

両方の肩と、両方の股関節を結んだ4点の長方形(体幹)は捻れずに、「体幹は面を保ったまま」走っているのです。

つまり、肩と腰が反対歩行に回転して体幹が捻れる動きはほとんどないそうです。

そして・・・

この時の「身体の軸」はどこにあるのか?ですが・・・

グリーン選手のような世界のトップランナーは、足が接地する時に、「接地側の股関節軸」を「動作の軸」として使います!

中心軸に関しては、体幹が左右に傾かないように整えるための「調整軸」として用います。

両方の肩と、両方の股関節を結んだ4点の長方形(体幹)の、左右にある二つの縦軸を、交互に差し替えることで進みます!

と言われても、なんとなくわかったようなわからないような・・という方も多いと思います。

「中心軸走行」と「2軸走行」の感覚を体感しよう

まず早速ですが、2軸走法の感覚を得るためからです(^^)

  • 両足を骨盤の幅くらいに開き、つま先と膝頭はやや外に向け、股関節を外旋状態にします
  • その状態から、右足の桃をあげ、左足で身体を支持しながら、体幹はひねらずまっすぐ前を向けたまま、前に倒れこむようにして出て行きます
  • 右足の接地予測点は、最初に立っていた足幅のままの二直線の上です。(二直線走法)
  • 右足が設置する前に、左骨盤(左腰)をわずかに前に出すようにします。(左脇腹と左腰を入れる感じ、あるいは左脇腹と左腰が前に滑る感じ)
  • この時身体重心は、右軸(右側)の方によって行き、右足が素早く踏みつけられるように接地します。
  • 離地した左脚は地面から離れた瞬間に、鞭のように前に出て、接地した右脚を追い越して行きます。

これが2軸走行における軸の差し替え(切り替え)です。

左足が離地して左軸が消えて、右脚が接地して右軸が現れます。

今度は中心軸走行です。

  • 爪先も膝頭もまっすぐ前を向けておきます。
  • 中心軸感覚の場合、右足のももをあげ、左足で身体を支持した時に、左足が中心軸の真下にあります。

2軸感覚では、左足に重心を寄せながらも、完全に身体重心の真下に左足を持ってきませんでした。

中心軸感覚では、左足は中心軸(身体重心)の真下にあって、前後左右に安定して立っています。

  • この状態から、右足のももを引き上げながら、前に倒れこんで行きます。右足の接地点は中心軸上に(一直線上に)定めて、前に出てゆきます。(一直線走法)

すると左足で蹴ってしまうことがわかると思います。

左骨盤(左腰)が後ろに残ってしまうことも確認してください。

  • この時左右バランスを保つために自然に左肩と左腕を前に出していく補償的な動きが生まれます。

これが中心軸で体幹をひねる動きです。

  • 左足が地面から離れた時に、前述の2軸走行に比べてその足がさっと前に出にくいことを感じると思います。

また、右足を踏みつけて着地していく動きが遅れることも実感できると思います。

いずれもターンオーバーの動きが鈍いことを意味しています。

中心軸感覚で走ると多くの人が一直線に近い足幅になります。

ただし、左右の股関節の機能を上手に引き出す2軸感覚をマスターした人は、一直線上に足をおく動きでも体幹をひねらない2軸走行ができます。

しかし、全力疾走になると二直線走行でないと、完全な2軸走行は難しくなります。

(モーリスグリーン選手やカールルイス選手は二直線走行)

かといって二直線上を走りさえすれば、それだけで2軸走行になるかというと、そんなこともないそうです(^^;

二直線上を走ることは2軸走行に近ずくきっかけになりますが、それだけでは完全ではありません。

二直線上に足をおいても、中心軸でバランスをとる感覚が抜けない人は股関節のターンオーバーができないのでやはりうまく行きません。

「股関節の動き」を得るためのドリルをご紹介

まずキーポイントは「小指球」です!

親指の付け根の拇指球ではありません!

小指の付け根の「小指球」のことです。

たいていのスポーツは拇指球に力を入れて動作することが多いと思いますが・・

もちろん走る時も拇指球に荷重してはいけないということではありません

・・・・が・・・・

二軸走行における股関節を前に出す感覚を得るためには、「小指球」に感覚をおきます!

正確には接地脚の足が離れるまでは、「踵」と「小指球」の足の外側におきます。

このような感覚で踵をギリギリまでねばって地面につけておき(実際には踵は浮いている)、踵からさっと離れる感じです。

こうすると、股関節に前向きの力をかけやすくなります。

また、離地後、さっと膝(の力)が抜けるので、その後、遊脚(浮いて前方に移動している足)が素早く前に出て行きます。

「股関節が前に出る感覚」を得るために筑波大学の先生の紹介するドリルをご紹介

歩行者と、補助者の二人が並んで歩きます。

歩行者の接地脚が離地するちょっと前に(接地期後半から離地にかけて)接地客側のお尻を軽く前に押してあげるのです(^^)

そうするといい感じで鞭のように股関節からターンオーバーして、一旦遅れた膝、そして足部がしなるように前に出て行きます!

鞭は、根元から先に出て、末端部は行った逆の方向へ行ってからしなるように根元を追い越して行きます。

走りの足の動きもまさに「鞭の原理」です(^^)

この時も、意識は「小指球」においておくと「地面を蹴ることができず」ターンオーバーの動きを助けます。

片側のお尻を何回も押してあげて感覚を掴めたら、もちろん、反対側も行うようにしましょう(^^)

えーっ・・・わかってると思いますが、くれぐれも同性同士でやってくださいね(^^;

まあ、本人同士が納得しているのなら、おじさん野暮は言わないですが(^^;

この「お尻押しドリル」は、補助者のお尻を押すタイミングが「肝」です!

足が地面について、十分に体重が乗っていないタイミングで押してはいけません!

早すぎです!

接地している足が地面から離れる瞬間に押すのでは遅すぎます!

歩行者のお尻に軽く手を当てていると押すタイミングがわかります。

接地して体重がその脚にかかってくると、股関節、つまりお尻に「後ろ向きの力」がかかります。(当てた手が後ろに押される)

この時に尻を前に押し返すのです!

実はこれ、補助者が股関節の動きを得るためのドリルにもなったりするんです(^^)

そして、これができるようになったら・・・

小走りでやってみましょう!

尻押し走ですね(^^)

補助者は歩いている時と同じタイミングで接地期後半にお尻を押して行きます!

こうすると反対の足に乗り込む時に身体が前に進む感じが得られます。

反対の足に乗り込んでいくことでスピードが上がる感覚をつかみます。

この場合も踵及び小指球に意識をおきます!

最後に途中でこの「尻押し走」をやめて、小走りで走る時に、一人で走っている時もお尻を押されている感覚を残しながら走るようにしましょう!

よろしければご参考にしてください(^^)

ではでは(^^)

「運動科学 アスリートのサイエンスより抜粋」

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