疲労骨折
皆さんこんにちは
パーソナルトレーナーの野上です
今日は「骨と疲労骨折とシンスプリント」と言うテーマでお届けしたいと思います。
疲労骨折という言葉はみなさん耳にしたことがある方も多いと思います。
金属疲労というものもあります。
長年ある程度のダメージを蓄積していくと、ある日突然「ポキッ」と硬い金属でも折れてしまったりヒビが入ってしまったりします。
これは飛行機事故の原因になったりすることでも有名です。
これが人間の「骨」にも同じようなことが起こる事が「疲労骨折」です。
しかし人間の骨は、機械の金属と違い、常に古いものから新しいものに生まれ変わる新陳代謝を繰り返しています。
また、むしろ多少衝撃を与えた方が実は骨密度は高くなっていくものです。
そういう面ではある意味金属よりも強い特性を持っているとも言えるのですが、にも関わらず、なぜ「疲労骨折」と言う現象が起きるのか?です。
なぜ疲労骨折が起きるのか?
疲労骨折の基本的な原因はダメージの蓄積で起きることです・・・・
まあ、スポーツによって様々だと思いますが、人間の身体でダメージが最も蓄積しやすいのは・・・・
通常「足」ですよね(^^)
何せ毎日歩いていますし、着地の度に「衝撃」が一歩一歩かかってきます。
もちろんそのために足の骨は他の場所に比べて頑丈に太くできているものですが・・・
いくら硬い金属でも金属疲労が起きたら折れてしまうように、いくら丈夫な骨を持っていたとしても過剰にダメージが蓄積されれば、やはり折れる可能性は高いと言えます。
そして足に最もダメージが蓄積しやすいのは、長距離系のランニングを行う方だと思われます。
何せ、足に受ける衝撃の回数の蓄積度は他のスポーツの何倍、何十倍にも膨れ上がるでしょう!
疲労骨折は骨の再生能力を超えるような連続した負荷が長期的にかかるために起こります。
そしてここがちょっと問題なのが、その「繰り返し負荷がかかる場所」がスポーツによって色々と変わるという事です。
したがって疲労骨折は特定の部分起こるというより、スポーツによっては、より広範囲にわたって起こるものなのです。
ランナーでは下肢に多く発生しますが、野球やテニスの選手では上肢や背骨に発生したりもします。
しかし、やはりすべての競技を通じて発生しやすい部分もあります。
すべての競技を通じて発生しやすい部分
それは「足のすね」と「足の甲」の骨です。
また、腰の骨に関しては、腰椎分離症という腰痛は、腰椎の疲労骨折が原因であると考えられることもあります。
ほとんどの疲労骨折は痛みや違和感を起こす動作を1ヶ月程度控えると治ったりします。
しかし、場所によっては難治性の疲労骨折もあります。
すねの部分の骨(脛骨の前方)や足の甲の骨(舟状骨、第5中足骨)では、専門医に相談して長期間の管理が必要です。
足にかかる負荷を減らす方法はないのか?
では、この足にかかる負荷を減らす方法はないのか?
ダメージの蓄積を少しでも避ける方法はあるのか?
と言われると・・・・・
あるんです!
アイオワ州立大学での研究ではコンピューターモデルを使って、歩幅を変えることにより足への蓄積するダメージがどう変化するのかを研究した事例があります。
それによると、歩幅を短くすると一歩ごとの衝撃は少なくなりますが、当然歩数は増えてしまいます。
蓄積するダメージとしてはどちらが少ないかというと・・・・
10人のランナーにトレッドミルで様々な歩幅で走らせて計測してみたらところ・・・
歩幅を10%短くした時には、疲労骨折の確率は3〜6%減らせるそうです!
んー・・・・微妙な数字・・・・(TT)
だって歩幅を10%短くするなんて、ランニングのフォームを抜本的に変えることになります。
またタイムへの影響は甚大で・・・(^^;
その割に、なるかどうかもわからない疲労骨折のリスクが数%下がりますよ・・・って・・・
それはできねえだろ!!
と大抵のジョガーの方なら思いますよね(^^;
なのでもう一つ!
ミネソタの大学では39人の女性ランナーを対象に、骨の太さや筋肉など色々調べたそうです。
そうしたら、疲労骨折したことのあるグループはスネの骨が7〜8%細く、9〜10%弱いという結果が出たそうです。
そして・・・・(ここが大事)
「ふくらはぎの筋肉の大きさ」に比例していたそうです。
さらに疲労骨折した経験と骨密度の間には相関は見られなかったそうです。
どういうことかというと疲労骨折したグループはカルシウム不足で疲労骨折したわけではなく、骨が弱かったのは「足の筋肉が不足していたため」と結論付けられたそうです。
つまりカーフレイズなどの筋トレで筋肉をつけてあげることが疲労骨折を防ぎ、骨も強化されるだけでなく何より筋肉が着地の衝撃を弱めてくれます!
またこのことはスネだけに当てはまらず、身体のいろいろなところにも共通することです。
疲労骨折を防ぐためには、その周辺の筋肉をつけてあげることがとても大切になってきます。
一応ランナーに限ってですが経験の浅いランナーほど、故障の原因は歩幅が大きすぎることに起因するという複数の研究があります。
エリートランナーは1分間に約180歩を刻みます。
経験の浅いランナーはそれより歩数が少ないので、ストライド走から足の回転を早くして走るピッチ走を心がけることも大事です。
いきなり10%ストライドを短くすると言われても・・と思うと思いますし、そもそも10%きっちり測って走ってなんかいられないし・・・・
というのが現実だと思います。
まあ「少しピッチ走」を意識しようとして走る程度で十分でいないかと思います。
あとはランナーの皆さんもある程度筋トレして筋肉をつけることは、障害予防に役立ちます(^^)