アップにクリーンを用いたらどうなるのか?
実際のアップにクリーンを用いて、スプリントタイムを研究した事例はわずかに二つです。
その一つは9名の陸上競技の選手を対象にした研究です。
研究内容としては、90%1RMのパワークリーンを3回、1セット行い、その後3分の休息の後に5m、10m、40mのスプリントタイムを計測すると言うものでした。
まずこの研究では、5m、10m、40mとも、スプリントタイムには、いかなる変化もみられなかったと言う報告がされています。(Guggenheimer)
ただ、この研究においては、休息時間の不十分さ、運動量の不十分さが指摘されています。
もう一つの研究事例として、13名のエリートクラスのジュニアラグビーリーグの選手を対象にした研究があります。
このケースで行なったのは、90%1RMのパワークリーンを3レップ、1セットと、前述の研究内容と全く同じなのですが、休息時間が7分と長くなっています。
この場合20mのスプリントタイムの向上、さらに平均スピード、平均加速度とも向上したと報告されています。(Sei
やはり「休息時間」に関しては長めに取ることが良い結果に結びつく可能性が高いと言えます。
アップで重いもの引きずったらどうなる?
スプリントという動作は、より「瞬間的」で、「強度の高い」動作のため、よりそれに近い形の「高い筋出力を事前に行うこと」によってタイムも出やすいことが考えられます。
であれば・・・
重い重量を引きずりながら走るというまさに「スプリントの形そのままに負荷をかける」ようにすれば、さらにタイムが向上するんじゃね?
なんて思いますよね(^^)

これもいくつか研究例があるんです。
ただし、これに関しては世界的に見てもちょっと研究例のサンプル自体は少ないようです。
その数少ない研究の結論からすると・・・・
「あまり変わらなかった」という報告が主になっています。
まず、12名の活動的な男子に、自重の25%〜30%の負荷を用いて行なった10mのスプリントを3本行なった後にタイムを測った研究があります。
休息時間は、2分・4分・6分・8分・10分と、かなり細かく分けて撮って見たらしいのですが、どの回復時間でも、5mと10mのスプリントタイムには変化はなかったそうです。
いやいや、自重の25%〜30%の負荷は、軽すぎたんじゃないの?
高負荷でないと効果が出にくいんでしょ?と思わせる方もいるかもしれません。
そこで、別の研究では、22名の筋トレ経験のあるラグビー選手に、自重の75%と、150%の負荷で15mのスプリントを実施した研究があります。
あっ、ちなみに担いでいるわけではなく、「引きずっている」が正解です!
自分の体重の150%のバーベルを担いで走れる選手はちょっと少ないでしょう(^^;
ちなみに休息時間は4分、8分、12分だったそうです。
その結果、自重の75%負荷での8分休憩と12分休憩時に、15mのスブリントタイムだけわずかに優位な向上が見られたそうです。
流石に150%の負荷は、重すぎということだったのかもしれません(^^;
ただ、これまでの研究(バーベルスクワット、クリーン、)と比べると、微妙歯切れが悪いのも事実です。
これは「引きずっている」というところがポイントかもしれません。
引きずりながら走っているということは、ちょっと「瞬間的に高い負荷がかかる」というよりは、より低い負荷が「かかり続ける」というような感じになると思います。
すると、「瞬間的」という要素に少しマイナスの影響が出るのではないでしょうか?
やはりスプリントの前に実施するエクササイズは、「足に瞬間的に高い負荷がかかる」エクササイズが適切であり、「重いものを引きずる」のは、ちょっと違う種類のエクササイズなのかみしれません。
ただ、研究例が少ないので、今後の研究の進み方を見たい部分もあります。
よろしければご参考にしてください(^^)
ではでは!
