皆さんこんにちは
パーソナルトレーナーの野上です
今日は「相撲の体幹トレ」というテーマでお届けしようと思います。
相撲・・・皆さんご存知、日本の国技でございます!(^^)
相撲には独自の文化というか、相撲独特トレーニング方法があるのは皆さんもご存知だと思います。
今日は「体幹トレーニング」の視点から、これらの独自のトレーニングを見てみたいと思います。
相撲の体幹トレ「四股(シコ)」
まず相撲は「四股に始まり四股に終わる」と言われているくらい大事なものです。
慣れていない方がこれをやると、足がピーンと伸びず、膝が曲がったまま足を上げてしまい、腰もどこか屁っ放り腰に・・・・
背中もなんとなく猫背・・・となりがちですよね(^^;
まず四股は「片足で全身のパランスをとりながら足を横に伸ばし上げていく」動作になります。
この時上半身は斜めに傾け、あげた足とバランスをとります。
皆さん立った状態で腹筋や脇腹に手を当てて、片足で立って上半身を斜め横に倒して行ってみたください。
触っている腹筋や脇腹の筋肉が「ぐっ」と力が入るのがわかると思います。
片足一本で重い足を高く上げる・・・・そしてバランスを体幹の筋肉で取る・・・
これは専門用語でいうと「不安定なサーフェイス」上のトレーニングと言えます。
つまり、土台がフラフラする環境でトレーニングすることにより、そのフラフラを抑えるために色々な筋肉が動員されるという目的のトレーニングです。
バランスボール、JOBA、BOSU、バランスブレードなどが、この目的で使用される器具です。
またそもそも「足を上げる」時点ですでにレッグレイズ同様体幹トレーニングになります(^^)
レッグレイズとは「足上げ腹筋」のことで、主に下腹部を鍛えるトレーニングなのです。
しかし、四股の場合足は「横」に足をあげます。
足を上げるのは腸腰筋という筋肉の役割です。
しかし縦ではなく横に上げることによってレッグレイズとはまた違った負荷のかかり方をします。
この時脇腹の腹斜筋系がとてもよく使われます。
軸足は骨盤の横にある中臀筋や小臀筋といった骨盤を安定させるための筋肉と、太ももの内側についている内転筋がそれぞれバランスをとるために色々と動員されています。
普通に腹筋運動をしたり、足上げ腹筋をしたり、静的体幹トレーニング代表のプランクをするのとはまた違った体幹トレーニングになっているんです(^^)
体力作りやダイエットのために、室内でまず腹筋しよう・・・という方がいざ腹筋をしようとしたら、強度が高くてあまり回数ができないとか、辛くて続けられない・・・
そんな方も結構いらっしゃると思います。
そのような方は、まず四股を踏むトレーニングから始めてみてはいかがでしょうか?
四股は足腰をメインとする運動でもりますし、スクワットや腹筋のような筋肉に直接的に負荷をかけるトレーニングよりも筋肉への負担が分散させやすいので、初心者の方でも割と回数できる方は多いと思います。
こういった運動からから運動習慣をつけたり、身体を動かすことに慣れていくのは「あり」だと思いますがどうでしょうか?(^^)
関連YouTube動画 ちょっとやっただけで効果あり!【四股】の力!!どんな効果があるの?
相撲の体幹トレ「すり足」
「四股」は知っている方も多いと思いますが「すり足」って知っていますか?
これは、四股の形で腰を落とした姿勢をキープしつつ(正確には腰割りという)、脇を閉じ、足を滑らせるようにしながら前進するものです。
四股の形を取っていますので、つま先・両膝は開いて、腰も落としたまま行います。
まずポイントは、手と足が同じように出るということです。
普通は右足が前に出れば、その逆の左手を前に振りながら歩いたり走ったりするものです。
しかし、すり足の場合まるでロボットが歩くときに真似をするような「同じ側の手と足を同時に前に出しながら」進んでいきます。
動作の注意点としては「股関節で足を運ぶ」ことです。
足の付け根から足全体を運ぶので、足が床を「擦る」のです。
感覚的には股関節を開いて身体の中心を安定させる感覚を生かして身体を前に移動します。
これは相撲の立会いで相手とぶつかってもブレない安定性を養うのに最適なトレーニングです。
トレーニング的には「足腰」を鍛えるトレーニングなのですが、「体幹トレーニング」としても割りと大事なトレーニングだったりするんです。
ただし体幹を鍛えたい場合はこの「すり足」に一工夫が必要です。
どういう工夫かというと・・・・「ダンベル」を持ちます。
持ち方は、ダンベルを下から・・・アームカールのフィニッシュ(一番上にあげた状態)ポジションでダンベルを持つようにします。
「ダンベルすり足」というものなのですが、ダンベルを顔の前にキープしながら、すり足をしていきます。
比較的高い位置でダンベルをキープして移動するので、体幹には様々な方向から、この姿勢をキープさせるために必要な「固定筋」の動員がなされます。
もちろん、股関節にも「足を広げながら」「腰を落としながら」「前に移動する」という、とても特殊な負荷のかかり方をするトレーニングで股関節周りのいろいろな筋肉を動員して鍛えてあげることができます。
ポイントは「疲れてきても腰を低く保つ」ということです。
いやーきつそうだな・・と思われた方、それは正解です(^^;
単純な腕立てやベンチプレス、スクワットなどのトレーニングと違い「全身の筋肉を協調させながら行うトレーニング」というのは、動員される筋肉が多岐にわたるので決まった筋肉「だけ」に負荷をかけるトレーニングよりもきついケースが多いんです。
あんまりスポーツクラブや自重トレーニング、グランドでのフィールドトレーニングでも目にする機会のないトレーニングですが、トレーニングのバリエーションの一つとして、ご自身のトレーニングプログラムに加えてみてはいかがでしょうか?
相撲の体幹トレ「蹲踞」
蹲踞・・・ご存知ですか?
両膝を開いて、つま先立ちで座る相撲では基本の座り方です。
体幹トレーニングの基本は「床と接地している場所」をいかに「面」から徐々に「点」にしていき接地面積を少なくしていきながら「フラフラ」した状態を作ってあげるかがポイントです。
蹲踞では床とついている面が「つま先」になりますよね。
いわばほぼ「点」です。
開眼片脚立ちという「片脚で何秒立っていられるか?」という体力テストの項目があります。
これがあまりよくできない人って結構います。
そういう方は、まず腰を落として「蹲踞」がちゃんとできるかどうかを試したみてはいかがでしょうか?
まず「蹲踞」がちゃんとできるようになったら・・・・
さらにここから、ちよっと一工夫ですが・・・やっぱり「目を閉じます」(^^;
いきなりできなくなる方が多くなると思います。
この時にバランスが崩れるような感じなりますが、これを体幹で支えるのです。
まあ、JOBAという乗馬するような座っている座面がランダムに動いて体幹を鍛えるマシンがありますが、蹲踞の姿勢でフラフラするとこれに似たトレーニング効果が期待できます。
相撲の体幹トレ「てっぽう」
柱に手のひらでパンチをするように打ち付ける稽古です。
ボクシングではサンドバックを殴るのですが、それの相撲版です。
ボクシングもそうですが、この場合「体幹」はかなりいろいろな仕事をしています。
まず、柱やサンドバックを「突く」には体幹をひねりながら動作します。
この時点ですでにかなり実践的な体幹トレーニングになっています。
体幹トレーニングって寝ながら行う種目が多いですが・・・・スポーツはそのほとんどを「立って行う」ものです。
そう、体幹トレーニングのような「寝た形」で行うスポーツなんて実はほとんどいないんです。
サンドバックや「てっぽう」のように「立ちながら」「体幹にいろいろと力を入れる」トレーニングって結構、実践的な体幹への力のいれ方を学ぶ(立った姿勢で体幹に負荷をかける)ことはとても大事です。
もう一つ効果があるのが「突き」のような能動的な動きではなく「プランク」のようなある意味「受動的」な体幹のパワーの発揮の仕方もこの「てっぽう」で学べるのです。
どういうことかというと「てっぽう」やサンドバックを殴るときには、必ずその突きがぶつかった時の「反発力」が自分に返ってきます。
これを立ちながらしっかり体幹で受け止めることに慣れると、押し合いへし合いといった状況での体幹の強さが養われます。
「ぶつかりげいこ」なんていうのはその最たるものですね。
お相撲さんがシットアップして腹筋を鍛えている・・・ってあんまり想像できないですよね(^^;
お相撲さんは、実際にてっぽうやぶつかり稽古などで立ちながら実践的な筋肉を養って、あの巨漢同士がぶつかっても大丈夫な屈強な体幹を作り上げているのです。
ボディコンタクトが多く、そのような時の実践的な体幹のパワーが欲しい・・・
そのような方はよろしければ、ご参考にしてください(^^)
ではでは!