スポーツの為の筋トレ

筋トレでほんとにスピードアップするの?について

クリーン

筋トレでほんとにスピードアップするの?

皆さんこんにちは!

パーソナルトレーナーの野上です

今回は「筋トレは、スピードアップに有効か?」というテーマでお届けしたいと思います。

いやいやいや、筋トレすれば、走るの速くなるでしょ?・・・・

って思われている方も多いのではないでしょうか?(^^)

ちなみになにを根拠にそう思われますか?

いや・・・だって・・・・ほら・・・

・・・・・身体鍛えているわけだし・・・・

なんて感じではないでしょうか?(^^;

もう一度原点に戻って、本当にスクワットって走るのに効果的?なんて思わないですか?

今日はここに深く切り込みます!

そもそもスクワットで足は速くなるのか?

「競技的特異性」

まずスクワットで200Kgあげられる方(別に100Kgでもいいんですけど)って・・・

走るのも、全員絶対に速いですか?と質問したらいかがでしょう?

そうではないですよね?

もちろん速い方もいれば、遅い方もいるというのが現実だと思います!

あれ?・・・・なんで?と思いませんか?(^^)

「競技」には「競技的特異性」というものが存在します。

これはその「競技独特の動き方」「筋肉の動かし方」とでもいいましょうか(^^;

例えばですが走るという行為は、足を

  • めっちゃ速く動かし
  • めっちゃ歩幅が(走幅・ストライド)が大きい

と速く走れます。

この二つがうまく融合して初めてスピードにつながります

そしてスクワットは、この二つの要因に対して直接働くものではありません。

もちろん全く役立たないなんて事はないです!

「走りに必要なベースの筋肉を作る」という観点ではとても大事です!

しかし、それだけで終わると「走る」という動作にスクワットは直接生かされないままで終わってしまう可能性が高いのです。

動作速度の問題

筋トレで足が速くなるのか?と聞かれたらこれは正確に言うと、イエスともノーとも言えます。

まずイエスの方からの説明です。

スピードを司るのは、もちろん「筋肉」です。

筋肉が速く動いてくれなければ、スピードなんて速くなる訳がありません!

「筋トレ」は何のトレーニングか?・・・・といわれれば当然「筋肉のトレーニング」です。

なので「筋肉」が「筋トレによって向上」すれば筋肉の能力の向上はスピードアップに当然有利となり、筋トレはスピードアップに役立つという結論になります。

陸上競技の短距離選手なんてみんな筋肉もりもりですよね。

・・・・ですが・・・・

では「ノー」の根拠です。

ここで先ほどの運動の大原則「競技的特異性」というものが顔を出してきます。

これはどういう物かというと「トレーニングは鍛えた能力しか向上しない」という特異性の原則が当てはまってきます。

まず特にこの場合「動作速度」が競技的特異性にあっていない事が問題です

つまりスピードアップに当てはめると・・・・ゆっくりと筋トレを行なった場合・・・・

めっちゃ重いベンチプレスやスクワットを重い重量でゆっくり挙上するというトレーニングをしても、速い速度の動きにはつながらないのです。

だってゆっくりと行なったベンチやスクワットって「ゆっくりやっている」わけですから(^^;

スピードが伴ったトレーニングじゃないのでスピードアップはしません(^^;

単にゆっくりと筋肉に効かせて「筋肉をつけるだけ」のトレーニングだから・・・という話です。

えっ、じゃあどうすればいいの? 筋トレはようするにやった方がいいの?

まず最初に結論から言うと筋トレはスピードアップには不可欠です!

まあ、当たり前と言えば当たり前なんですが・・・・

ただし、そのやり方というか進め方をちょっとだけ考えなくてはいけないんです!

まず「筋肥大系」の筋トレに関しては「スピードアップ」に直接的に作用するのは、ある一定のところまでだと思いましょう!!

そしてそれ以上に関しては、あくまで「スピードアップする為の「ベース」の筋肉をつくる作業」であると割り切ることが必要です。

ちなみにどのレベルまで筋力を向上させるためのトレーニングすればいいの?

ちなみにどのレベルまで筋力を向上させるためのトレーニングすればいいの?と思われ方もいると思います。

これは足で言えば下半身の「プライオメトリックトレーニングの導入に必要な筋力のガイドライン」が、当てはまると僕は思っています。

それは下半身であれば、プライオメトリックトレーニングの導入にはスクワットの1RM(目一杯力をこめて1回しか上がらない重さ)が「体重の1.5倍」という基準があるのです

まずはこれ位を目安にしてもらいたいと思っています。

つまり「体重の1.5倍」のスクワットを出来る迄は、「スクワットの筋力アップ」が加速局面においては「直接的に加速アップ」に繋がるトレーニングになります。

そして「それ以上」になったら、スクワットの1RMの重さを例えば2倍にするトレーニングに重きを置く・・・

というよりは、別のトレーニング(プライオメトリックトレーニング、爆発的エクササイズ、レジステッドスプリント等)に力を入れていった方がよいと僕は思っています。

プライオメトリックトレーニングとは各種ジャンプ系トレーニングです。

爆発的エクササイズとはバーベルを使ったクリーンなどのようなエクササイズです。

レジステッドスプリントとは坂道を駆け上がるダッシュを繰り返したり、チューブをお腹に巻いて後ろで誰かにそれをもってもらい引っ張ってもらいながら走るというようなトレーニングです。

また筋トレ(ウェイトトレ~ニング)に関しては、レッグランジのような走る競技のフォームにより近いトレーニングを取り入れていった方が、スクワットよりはさらに直接的に走る筋力を鍛えられると思ってください。

これもキックするときにちょっと爆発的に行っていただいた方がいいと思います。

足はそれなりのスピードで動かしながら負荷をかけてあげる事が大事です。

「スピード」を構成する要因

また、ざっくりともう二つ考えていただくことがあります。

「スピード」を構成する要因は「加速」「トップスピード」です。

これはそれぞれ完全に別の能力だと思って下さい。

トップスピードはそれほどでなくても加速がめっちゃ速ければ、走る距離が短いスポーツならスピードがあると言えます。

逆に加速が鈍くても、トップスビードが速ければやはりスピードがあると言えます。

でもこの二つの要素に必要なトレーニングは全く別物になります。

例えば筋肥大系のトレーニングは、トップスピードより「加速の局面」において、そのベースを作る筋トレとして非常に有効です。

逆にトップスピードの向上には、低い負荷で高速で動かすようなトレーニングが有効です。

そして時にその負荷はマイナス(何かの助けを借りて負荷ではなくアシストされるようなトレーニング)でもありです!!

少しまとめてみましょう!まず、

  • スピードを「加速」と「トップスピード」にわけて考える癖をつけていただく事が大事
  • 筋トレにもいくつか種類があり、スピードを「直接的に速くするトレーニング」と「間接的に速くするトレーニング」がある

ということをちょっと覚えておいて下さい。

その「加速」の方ですが、たとえばバーベルスクワットが20kgしか上がらない方と、自分の体重と同じくらいの60kg使える方とではもちろん、脚の筋力は60kgスクワットできる方が強いです。

ランの加速時にはその筋力差が「加速力の差」に直結して来る事は間違いありません。

加速の局面では、足にかかるのは純粋な「負荷」であるので、その負荷を跳ね返せる筋力は絶対不可欠になります。

これは筋トレが比較的「直接的にスピードアップに関与する」ケースです

それに対しトップスピードの向上に対しては筋トレはベースの筋力を作るに留まる「間接的なトレーニング」になると言えます

もし加速に弱点がある場合は筋トレはかなり重視する必要があります。

しかしトップスピードを高めたい場合は筋トレばかり行うと能力が全く向上しないなんてことになりかねないですので注意が必要です。

「走る為の筋トレ」の注意点をご紹介します

「片側性」の「水平運動」

競技的特異性から見て、スプリントというのは「片側性」の「水平運動」に分類されます。

片側性というのは、足が接地中は片脚の筋肉だけが自重を前進させるための負荷をまかない、反対側の足は遊脚期といって着地に備えている様子を指します

競技的特異性を考えた筋トレとは、スプリントの場合より多くの「片側性水平運動」に対して対応した筋トレを行う事を言います

レッグランジしながら歩くようなトレーニングなどはその代表です。

ホッケーランジウォーク

そのほかにも例えばスクワットを片脚で行うことは「片側性」の属性に近い運動となります。

スクワットのような基本エクササイズは外せないです・・・・が、さらにその後片脚で行う筋トレや、より走る動作に近い数々のランジ系エクササイズを行っていく必要があります。

スクワットで鍛えたベーシックな筋力を、より「走るという動作」に直接生かしやすくするためです。

逆に言えば、こういう風に筋肉を「走る動作で実際に使えるように動かす」ことをしていかないと、ただスクワットだけが強い身体になってしまう危険が伴います。

しかしまだこれだけでは「走る動作に慣れた筋肉」にしかなりません。

「プライオメトリックトレーニング」と「SAQトレーニング」

前述したように「めっちゃ速く動かす」という部分にはこれだけではまだまだつながりません!

ではその「強く」「走る動作の筋肉の動きに慣れた」筋肉を「めっちゃ速く動かす」事に移行していくにはどういう事をすればいいのか?

ここででてくるのが「プライオメトリックトレーニング」「SAQトレーニング」というものです。

プライオメトリックトレーングというのは「瞬発力」を養うトレーニングです。

各種ジャンプ系のトレーニングだと思っていただいてよろしいと思います。

SAQトレーニングというのは「スピード」「クイックネス」「アジリティ(敏捷性)」の頭文字をとったもので、それらの能力向上を狙ったトレーニングです。

SAQトレーニングの代表は「ラダートレーニング」・・・

つまり、はしごを置いて(地面にはしご上の物を書いてもOK)その升目を利用して、脚を細かく動かしてトレーニングです。

ラダートレーニングは、はしごを縦に置いて、その升目を一つずつ出来るだけ速く腿上げをしながら進んでいくトレーニングが最初はとっつきやすいでしょう。

ラダートレーニング
プライオメトリックトレーニングは、最初はその場で出来るだけ高くジャンプして、次に空中で膝を抱え込むのを連続して行なったり、両足で前方に思いっきり連続してジャンプするドリルが最初はお勧めです。

プライオメトリックトレーニング
さらにこれらに慣れてきたら片足でプライオメトリックトレーニングをしていきます!
プライオメトリックトレーニング
一日のトレーニングの流れとしては、アップ→SAQトレーニング→プライオメトリックトレーニング→通常練習→筋トレ→持久的トレーニングの流れで行なうのが基本です。

「おれ、筋トレやってるからスピード絶対上がるはず」・・・と思っている方も少なくないと思います(^^;

しかし、実はそれだけではダメでいろいろなトレーニングを組み合わせて初めて筋トレで強くした筋肉がスピードアップに生かされていきます!

プライオメトリックトレーニングもSAQトレーニングも、フィールド上で簡単に出来ますので、ぜひ上手く取り入れながら筋トレと併用していきましょう。

もちろんスクワットをさぼって、これらのトレーニングばかり行なっても「べース」が弱くなってしまうのでダメです!

ぜひ「全て」のトレーニングを行うようにしましょう!!

色々書きましたがよろしければご参考に(^^)

ではでは!

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