体のキレを向上させるトレーニングの正しい方法
皆さんこんにちは
パーソナルトレーナーの野上です
野上の著書 頭からつま先まですべてのコリと痛みをとる事典「史上最高のストレッチ」Amazonのサイトはこちらから
今日は【必読】体のキレを向上させるトレーニングの正しい方法というテーマでお届けしようと思います。
まず皆さまとのやりとりを一つご紹介したいと思います。

あと、プライオメトリクスやRFDトレーニングの頻度はどれくらいやるのが効率良いですか?

頻度的にはその他のトレーニングとのバランスもありますが、週に2〜3回は欲しいところです(^^)
というものでした。
スポーツをしている方だと、ジャンプ力や瞬発力が必要不可欠な要素になってくる方も多いと思います。
また、それと同時に動きの「キレ」に関しても同様のことが言えると思います。
実はこの二つのトレーングは似て非なるもので、トレーニングの内容は全然変わってきます。
身体の「キレ」とは
体のキレ・・・・めっちゃほしんですけど!
という方多いと思います(^^)
でもですよ?
ジャンブ力ならジュンプの高さを、スピードならタイムを、力なら挙上重量を測ればいいのですが・・・
体のキレって非常に曖昧な表現というか、そもそも体のキレって何で測るの?と思われる方も多いと思います。
まあ他にも要素はあるのですが、最も手軽なのは「RFD」という速度を測るのが一般的だと思います。
何じゃそりゃ?という方も多いと思いますが、これは「力の立ち上がり速度」というものです。
今回の質疑応答は、僕のYouTubeチャンネルの動画からのご質問ですが、その中でRFDトレーニングというものがあるというお話をしています。
RFDとは?
これはいわゆる「0発信の能力」です!
例えば筋力の立ち上がりが0.5秒で100%迄立ち上がるA選手がいるとします。
そしてこのA選手は、0.2秒の時に60くらい迄パワーが立ち上がったとします。
それに対して別のB選手は0.7秒で100%の力が立ち上がるとします。
バワーレベルが同じとすれば100の筋力を発揮するのに0.7秒かかるわけで、一般的な感覚からいうと、この選手の方が「加速が悪い」という判断になると思います。
しかし、スポーツは奥深いんです!
この「加速の悪い選手」・・が、もし0.2秒の時点で70迄パワーが出せる選手だったらどうでしょう?
0.2秒から0.5秒までの加速は圧倒的にA選手が勝ちますが、0秒から0.2秒迄の間であればB選手がA選手を上回れるわけです!
面白くないですか?
つまりB選手の方がいわゆる「キレ」がいい事が想像出来ます!!
球技、主にサッカー、バスケなどのフェイントを多用するスポーツのみならず、バレー、卓球、バトミントンのようなわりとクローズな環境で細かく動く必要のあるスポーツではどちらの能力があった方が有利なのか・・・お分かりですよね?
この「RFD」ってわりと日本では地味なんですが、海外では有名な指標の一つです。
まず、この「RFD」という概念があり、スポーツシーンではかなり大事な要素であるという事をしっかりと覚えておいていただきたいと思います!
「O発進の能力」を鍛えるにはどうすればいいか?
ここで出てくるのが「スクワットジャンプ」です(^^)
多分部活などでもやったことある方多いと思うのですが・・
そう、しゃがんで立つというスクワットの動作をそのままジャンプするという、皆さんにとってはとても身近なトレーニングであると思います。
道具もいらないですし、場所もとらないですよね(^^)
ただし、この体のキレ、つまりRFDを鍛えたい!という場合は、少し工夫が必要です。
どういうことかというと・・・・
皆さんスクワットジャンプのトレーニングをするときに「反動」使っていませんか?
例えば腕を大きく振って、その反動を使ってジャンプするみたいな感じです。
一般の瞬発力を鍛えるためのスクワットジャンプであればこれでもいいのですが・・・
RFDを鍛えたいという場合は、これではダメなんです。
何せ「O発進」ですので!!
スクワットジャンプするときも「O発進」にします!
初速に特化したい場合は、ジャンプ動作に見られる「反動」や「事前に筋肉を伸ばす動作」を極力殺した状態で負荷をかけて素早くトレーニングします。
どういうことかというと「反動を全く使わずにジャンプする」のです!
つまりしゃがんだ状態で「静止」します。
スクワットで少ししゃがんだ状態で4秒ほど「静止」して、そこから一気にジャンプするようなトレーニングがこれに当たります。
まさに「0発進」のスピードを鍛えるトレーニングであり、この「0発進」の能力はそのまま「動きのキレ」と言われることが多いです。
自重トレーニングならば、手を腰に当てて全く使えなくするのもありです!
これでいかに高くジャンプできるか?でトレーニングするのも一つの手なのですが・・・
さらにもう少し工夫することによってもっと質の高いトレーニングができます(^^)
負荷をかけてみる
まずは「手にダンベルを持って」ジャンプです(^^)
そう、この「反動を使わないスクワットジャンプに「負荷」をかける」のです。
さらにジムに通っている方で、パワーラックがあるジムなら(スミスマシンでも可)、バーベルを担ぎ、しゃがんだ状態で「静止&ジャンプ」トレーニングすることによって「O発進」能力を向上させることができます。
実際の研究では、膝の角度を110度と150度に屈曲させてスクワットジャンプを行った場合、
- 同じ角度で反動をつけてスクワットジャンプした場合(カウンタームーブメントジャンプと言う)
- 等尺性筋活動を行った場合(筋肉の長さを変えないで負荷をかける筋トレだと思ってください)
と比べた場合、静止した状態からジャンプするスクワットジャンプが最もRDFの能力を向上させたという結果があります(^^) (Wilson)
負荷をかけた場合は、通常のスクワットのマックスの重量の10%~40%が推奨となっています。
ちなみに負荷が60%まで上がると速度低下が起きますのでご注意ください(^^)
ブライオメトリックトレーニングとの組み合わせ方
質疑応答にあったプライオメトリックトレーニングとは各種ジャンプ系のトレーニングです。
これは思いっきり反動を使ってもらって構いません!!(^^)
トレーニングの組み合わせとしては、この両者をいっぺんに同じ日に行ってもらっても構わないですし、負荷や練習量が多い場合はそれぞれ別の日に行っていただいてもいいと思います。
ここが「その他の練習の兼ね合い」と答えた部分になります。
同じ日に行う場合、低負荷のプライオメトリックトレーニングから行い、徐々に高負荷のプライオメトリックトレーニングを実施して、その次くらいにRFDトレーニングを行うのが良いと個人的に思っています。
というのも、プライオメトリックトレーニングは自重でのジャンプトレーニングです。
負荷も低負荷から高負荷なものまであるので、そのままウォーミングアップとして使われることが多いです。
しかも練習量もそれなりに多くできるので、十分に汗をかける量をこなせると思います。
それに対してRFDトレーニングは、バーベルなどのちょっとした負荷をかけて行う方が良いです。
するとどうしてもある程度アップが終わっている状態で臨むのが望ましいです。
頻度的には、こういうスピード系の種目にも「超回復」の原則は当てはまるので、多少の休みを入れたほうが良いです。
したがってそれぞれ週に2〜3回ほど実施していただき、これらのトレーニングを実施しない日は、別のトレーニングに当てた方が良いでしょう。
というのも、こういうトレーニングが必要な方は「スポーツのためにトレーニングをしている」と思います。
するとどうしても技術練習やチーム練習など、他にもやることがたくさん出てくるはずです。
トレーニングを目的別に分割して実施する方が全体目線から見ても効率的にトレーニングを進めていくことができます。
トレーニングは一つのトレーニングをずっと続けていっても、そのトレーニングで鍛えられる能力以外の能力が向上することはありません。
ぜひ色々なトレーニングを効率よく計画性を持って進めていきましょう(^^)
色々書きましたが、スポーツをしている方はよろしければご参考してください(^^)
ではでは!
PS
この度、本を出版することになりました。 頭からつま先まですべてのコリと痛みをとる事典「史上最高のストレッチ」と言う、全身のコリや痛みに対応するストレッチ本です。
全国の大手書店さんでもご購入いただけます。 どうぞよろしくお願いいたします。