皆さんこんにちは
パーソナルトレーナーの野上です
今日は「スポーツで生きる自重筋トレとは?」というテーマでお届けさせていただこうと思います。
まず自重筋トレとは、その名のとおり「自分の体重を利用した筋力トレーニング」です。
腕立て伏せ、何も担がないで行なうスクワット、懸垂、腹筋(シットアップ)などが上げられます。
そして自重トレーニングには、筋持久力を上げる為だけしか意味がないのか?
筋力アップしたい場合に、自重トレーニングはやっても無駄なのか?と思われる方も多いのではないでしょうか?
周りにバーベルやマシン等の環境のない方にとっては、競技力向上のためにも自重トレーニングは行なった方がいい事に間違いありません。
ただし、いろいろ工夫する事によって自重トレーニングをより「意味のあるトレーニング」にしていく努力は必要だと思います。
変化の付け方
ではどんな工夫があるのか?というと、キーワードは「変化」と「競技的特異性」があげられます。
自重トレーニングにいろいろと「変化」を加えたり「競技的特異性」に沿った形に近づける事により、単調な自重トレーニングをより意義のあるものにしていく事が出来ます。
では、どういう「変化」があるのかというと、
- スピードの変化
- リズムの変化
- 可動域の変化
といった物が上げられます。
「スピードの変化」について
スピードの変化の代表的的な物はいわゆる「スロトレ」です。
通常よりゆっくり、さらに自重トレーニングにおいては「かなりゆっくり」とトレーニングを行なう事で加圧トレーニングと同じ効果・・すなわち成長ホルモンの分泌促進の効果が期待できます。
加圧トレーニングは「ベルト」によって血流に「圧をかけて制限」しながらトレーニングして解放時に成長ホルモンが大量に分泌されるトレーニングです。
それに対し「スロトレ」はゆっくり行なう事で筋肉がずっと緊張している状態をつくり、その「筋肉の緊張」によって「圧をかけて血流を制限する」のが特徴です。
ベルト程緻密なコントロールは無理ですがお手軽にできるメリットはあります。
また、ゆっくりの反対のスピードの変化として「速く行なう」というスピードの変化があります。
これをさらにバージョンアップさせると自重での「ジャンプ系トレーニング」になります。
これは一般的に瞬発力を鍛える「プライオメトリックトレーニング」といえますが、微妙に目的を変える事も不可能ではありません。
どういうことかというと「プライオメトリックトレーニング」は目的が「ジャンプ力向上」・・もっといえば「筋肉の伸張反射の能力」を鍛えるトレーニングです。
これを「筋肥大や筋力向上」の目的におこなうにはどうすればいいのか?いうと・・・
- スピードを若干遅くして
- 可動域すべてを使用して
行なうのです。
プライオメトリックトレーニングの注意点に「着地の時間を出来るだけ短く」「爆発的に飛ぶ」というものがあります。
つまりこれらの注意点を無視すると「伸張反射能力が鍛えられない」ということになります。
では何が鍛えられるの?というと・・・
ジャンプを「伸張反射の力」ではなく「筋力」で行なわなければならなくなるという事になります。
「伸張反射」を起こすには可動域全部使うのも御法度です。
一番「バネ」がある範囲で、まさに「バネを生かすように」行なうのが「プライオメトリックトレーニング」です。
しかしバネが生きなきゃ、パワーで行くしかなくなります。
腕立て伏せであれば、胸が床につくくらい迄深く身体を沈め、ギリギリ手が床から離れるくらいのスピードでプッシュします。
そして着地したらできるだけその勢いをゆっくりと殺すようにしながらショックを吸収するように腕を曲げていき、また胸が床についたら同じように行なうというように行ないます。
何回か繰り返すと普通に腕立てやるより格段にきついのが分かると思います。
腹筋、スクワットもそうです。
漫然と回数をこなすのではなく、スロトレ、スピードトレを組み合わせながら行なうと良いでしょう!
ちなみに順番は・・・
- 速く行なうトレーニングを最初にもってきて、
- 次にスロトレ、
- 最後にノーマルの自重トレーニングで回数を出来るだけこなす
という組み方がいいでしょう。
スピードを速く行なうトレーニングは腕立てなら10回、スクワット、腹筋なら20回を3セット行います。
そのあとスロトレを(5秒かけて降ろし5秒かけて上がるくらいを目標に)を回数は同じで、1~2セット行い、最後ノーマルな自重トレを体力と相談しながら回数をきめて1セット行なうという感じでいいと思います。
これはあくまで普通の自重トレーニングをやり込んでいて、さらにレベルアップしたいという方へのお勧めなので、腕立て伏せで3~50回は軽くできる、スクワットは50回3セット位軽々できるという方でないとお勧めできないです(^^;
環境的に自重トレーニングしか出来ないでお悩みの方沢山いるのは分かります。
そういう方はぜひ参考にしていただきご自身のトレーニングにお役立て下さい
