筋肉の分解の抑制のために・・・
皆さんこんにちは
パーソナルトレーナーの野上です
今回は「筋肉の分解の抑制のために」というテーマでお届けしたいと思います。
「筋トレをすると筋肉が小さくなる?」
もうのっけから「そんなバカな!」という声が聞こえてきそうですが(^^;
もちろん筋トレは筋肉を大きくします!
これ自体は間違いありませんので、どうかご安心ください!(^^)
では、なんでこんなタイトルにしたのかというと「そういう要素もある」という事があるのです。
ちなみに、最初に言っておくと今日はちょっと難しい言葉が出ますので、その点はご容赦くださいm(__)m
まず、筋トレをする時に使われるエネルギーとは何か?です。
糖? 脂肪? タンパク質?
これですね・・・・ATPと言われるものなんです。
正式名称は「アデノシン三リン酸」と言われるものです。
運動生理学の本には必ずと言っていいほど出てくるこのアデノシン三リン酸ですが、細胞レベルではこれが筋肉を動かす直接的なエネルギーとなります。
アデノシン三リン酸とは、リン酸が3つくっついているものだと思ってください。
この3つくっついているリン酸が、二つと一つに分解する時にエネルギーが生じます。
筋トレを始めとするあらゆる筋肉活動は、このアデノシン三リン酸が「リン酸」と「アデノシン二リン酸」に分解する時のエネルギーで筋肉は動いているのです。
そして、このアデノシン三リン酸(以下ATP)ですが、筋トレをして行くと当然筋肉の中では消費されなくなっていきます。
なので、このエネルギーを「いかに素早く補充できるか」が筋トレを語る上で大事な要素だったりします。
この補充の方法はいくつかのメカニズムがあるのですが、例えば、石炭を燃やしてエネルギーを得たとします。
石炭は最後は灰になってしまいますよね(^^)
この「灰」から再び石炭を作る・・・なんて普通できないです(^^;
そのために新しい石炭そのものを補充する必要があるのですが・・・
実は人間の体はよくできていて、この「灰」からも石炭が作れるようになっています。
どういうことかというと、アデノシン三リン酸がアデノシン二リン酸とリン酸に分解され、さらにそのアデノシン二リン酸もAMPと言われるものとリン酸に分解され・・
まさにその「リン酸」や「AMP」が「灰」だと思ってもらえればいいのですが、このリン酸が再びくっついていって、アデノシン三リン酸を生み出すことも可能なのです。
んー、人間ってすごい!
でですね、ベンチブレスをめっちゃやり込んでいる時などは、胸の筋肉の中で派手にこのATPは使われまくるわけです!
そうして、胸の筋肉の中では「灰」であるAMPがたくさん産生されます。
そして、このAMPを検知する物質があります。
「AMPキナーゼ」と言われるもので、これが多くなると筋肉の中で
- ATP(アデノシン三リン酸)が少なくなったよ!
- AMPが多くなったよ!
ということを伝える役割を持っています。
そしてこの「AMPキナーゼ」が多くなると「ATPをもっと作らんかい!」と言う司令をだすのです。
そしてその司令は運動後も続き、骨格筋内でATPを作ろうと言う働きが強くなります。
ここでこの時に出てくるワードが「オートファジー」と言うものです。
これを発見した日本の大隅教授は2016年にノーベル生理学、医学賞を受賞されています。
このオートファジーはどう言うものかと言うと、細胞自体が、自身の構成するたんぱく質(筋肉)を分解する行為です。
極端な飢餓状態になると、細胞自体が、生きるためにあえて自分(筋肉)を犠牲にして、ATPを作っているのです。
心臓を動かすのもATPですから(^^;
細胞からしても母体が死んじゃ自分も終わりです(^^;
そしてAMPキナーゼは、ATPの需要が高まると、細胞自身に対し、なんと細胞(筋肉)の縮小化を命じます。
もしくは細胞拡張の一時中断を命じます。
つまり筋トレで激しくATPを消費すると、AMPキナーゼが高まり、このAMPキナーゼが細胞(筋肉)の縮小化を命じる・・・・
あれ?筋トレしたら筋肉小さくなっちゃう?
て感じです(^^)
最初に言っておいた通り、筋トレをすると筋肉は基本的に大きくなります。
しかし、「筋トレ中」に関しては「筋肉の分解は起きやすい」のです。
実はこれトレーナーの世界ではよく知られていることです。
いやいや、筋トレ直後は筋肉大きくなってるよ!
と言われる方もいると思いますが、それはパンプアップと言われる筋肉の中に「水」が溜まっている状態なだけで筋肉自体は大きくなっているわけではありません。
筋トレ中はエネルギーの収支もマイナスに偏りますし、ATPも使われまくるので、筋トレ中は筋肉は逆に縮小する要素はあっても、筋肉が細胞レベルで大きくなる要素ってないんですよね(^^;
そして、その後に筋肉は色々な栄養とともに細胞レベルで復活&大きくなっていく過程を辿るのです。
ああ、筋肉って、筋トレでそういうステップを辿って大きくなっていくんだな・・・
という程度に頭の片隅にでも置いておいてください。
