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疲労の科学「疲労はだませる」について

疲労の科学(現代人の疲れ)

「運動の精神的限界」と「運動の生理的限界」

「運動の精神的限界」

こんな経験をしたことはないですか?

自転車競技でも、マラソンでもいいです。

もう長距離をひたすら走ってきて、疲労困憊状態・・

足もパンパンで息も絶え絶え・・・ゴールしたら倒れこんで動けない・・・

箱根の駅伝ではよく見られるシーンです。

もう極限の疲労困憊状態で1歩も動けないはずだと思います。

しかし・・・しかしです。

この「もう一歩も歩けない」という状態・・

本当でしょうか?

ここが実は結構曖昧というか、騙されているというか・・・

例えばこの倒れこんだ選手全員に「あっ、ごめんごめん、ゴールあと50m先だった」って言って見たらどうでしょう?

(かなり不謹慎な例えですが(^^; )

全員倒れこんだまま一歩も動けないでしょうか?

50mくらいならなんとかしよう・・と立ち上がりフラフラとしながらも走る選手・・・

いるのではないでしょうか?

50mが遠いのなら「あと10mなんだけど・・・」だったらどうでしょう?

かなりの確率で各選手は10mくらいは動けるのではないでしょうか?

実は人間というのは距離を計算しながら絶えず速度調整をして動く動物です。

運動の限界を判断するのは、筋肉の痛みや心肺能力ではなく「脳」です。

身体はまだ少し余力が残っていても「脳」が「これ以上動けない」と判断したら、もう身体は動かせなくなってしまいます。

脳は体温、血液内の酸素量、筋肉の信号などのデータを身体中から集め、過去の経験に基づいてあとどれくらい運動ができるのかを判断します。

そしてこの判断は当然、「安全マージン」を、ある程度取りながら判断を下します。

これを「運動の精神的限界」と呼びます。

「運動の生理的限界」

これに対して本当にダメな限界は「運動の生理的限界」と呼びます。

この両者の間にあるのが先ほども述べた「安全マージン」です。

例えば、長距離のラストスパートです。

ゴールが目の前に見えたら自然とペースが上がりますよね。

これは「脳」が安全マージンをある程度解除して良い!と判断するから「自然と」ペースが上がるものなのです。

本当の本当に疲労が溜まっていたらペースなんてあげられるわけがありません(^^;

この安全マージンを少なくするのは確かに危険ではあります・・・

が、記録を伸ばしたい! 能力を伸ばしたい!と思う時に多少「自分を騙して」でも、この安全マージンの領域を侵してトレーニングする必要に迫られるときがあります。

これは自分で騙すというよりコーチなどにやってもらった方がいいのです。

苦しい時に掛け声をかけてもらう等が、ベタですが割と有効だったりします。

また「もう少しで自己ベスト」みたいな掛け声もらえるとさらに頑張れますよね(^^)

自分には「安全マージン」がある程度存在して、ペースを調整しながら活動していることをまず認識します。

そして、時に(本当にたまにで良い)その領域を侵す覚悟で自分を誰かに騙してもらってトレーニングすることにより、まさに「限界を突破できる」トレーニングをすることができたりもします。

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