皆さんこんにちは
パーソナルトレーナーの野上です
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今日は「硬いアスファルトの上で走っていると怪我をしやすい?」というテーマでお届けしたいと思います。
硬いアスファルトの上で走っていると怪我をしやすい?
サッカーでは芝生の上を、野球では土の上を、陸上競技のトラック競技ではタータンの上を走ることが多いですよね。
しかし一般のランナー、もしくはマラソン競技などではアスフフルトの上を走ることが多いと思います。
そして、昔からよく言われることがあります。
硬いアスファルトの上を走っていると怪我をしやすいと・・・
でも疑問に思ったことありませんか?
んなこと言ってたら、マラソンランナーみんな膝逝っちゃうんじゃね?と
実は固い路面で走ると怪我をするという事実を科学的に証明した研究はほとんどないそうです。
そしてその逆とも言えることですが、驚くべきことに人は走る固さがどのようなものであっても衝撃が同じようになるように、そのストライドを調整しながら走っていることが多くの研究で証明され始めているそうです。
着地面の固さの違いを身体が自動的に調整しているという驚くべき主張は1990年代に初めて提示されました。
実験の結果、被験者のランナーは筋肉の収縮程度や膝を曲げる角度をわずかに変えることで、どのような固さの地面で走っても上下動が同じになるよう、無意識に調整して走っていたことが明らかになったそうです。
着地の衝撃を自動的に調整していれば・・・・
そりゃ、硬いアスフアルトの上を何時間も走ったとしてもその衝撃は芝生の上を走っているのと同じだということになります。
そうなると怪我の発生率を立証できないなんてことは、十分うなずける話だと思います。
研究事例
ただ、もちろんいろんな研究があります。
そしてその結果が割とバラバラなのもこの世界ではよくあるというか、むしろそれが普通な話だったりします。
例えば2002年にフロリダの大学で行われた衝撃を感知する中敷を使用して実験したところアスファルト・コンクリート・芝生・人工トラックの上でランナーの足にかかる力に相違はなかったそうです
しかし、2010年にブラジルで行われた実験ではアスファルトと芝生の上ではストライドごとに12%の圧力の違い(もちろんアスファルトの方が高い)があったそうです。
ただしこの12%の差はアスファルトと芝生の表面の固さの違いから比べれば驚くほど少ない数値だということです。
アスファルト走ってるけど膝痛くなったことなんてないよなー・・・・
とおそらく大抵のシティランナーは同じように思っているのではないでしょうか?
ただし、このような指摘もあります。
綺麗で平坦なアスファルトコースを走っていると、膝や筋肉の同じところばかりに連続して負担がかかるので、怪我をしやすいと・・・・
しかし、あまりにも凸凹しているとそれはそれで足首を痛めてしまう可能性も高くなります・・・
つまり「ある程度」着地面に、やや変化がある方が足の筋肉が色々と動員されていき、また、着地の衝撃も変化を伴うので負担がかかる部分が分散されやすくなり怪我をしづらくなるのです。
また普段と違う環境でトレーニングをすると筋肉が準備ができていなくゲガをしやすいという説もあります。
常にアスファルトの上でトレーニングしている人は、筋肉やストライドがそれに慣れている「仕様」になっています。
そう言う方がいきなり芝生の上であったりクロスカントリートレーニングをしたりすると、着地の衝撃の吸収がアスファルトを走るのに慣れきってしまっている筋肉や関節にかえって負荷がかかるので、その導入は慎重にすべきです。
もちろんこの逆も然りで (特にこちらの方が問題になる可能性が高いと思いますが)、普段芝生や土のグランドの上で走っている人がアスファルトの上を長距離走ると、やはり普段とは膝への衝撃の具合が違って筋肉にいつもと違う負荷がかかり痛めてしまうというものです。
おそらく「硬い道路で走ると膝を痛める」というのは、普段グランドで走っていた体育会系の学生などが、時折アスファルトの上を走った時に感じる違和感を持ち上げてこのように言われるようになったのでは?と個人的には思っています。
普段からロードワークやマラソンレースのための練習で、普段からアスファルトの上を走っているという方は、硬い路面で走っていると膝を痛めるという話はあまり気にしなくてもいいと思います。
しかし、ランニングシューズはある程度しっかりしたものを履かれることもお勧めしておきます(^^)
関連YouTube動画 アスファルトで長い距離を走ってると足を痛めやすいのか?
次は、そんな足の怪我と密接に関係してくる「着地」について色々とお話ししたいと思います。
「着地」について知っておこう
走るときの「着地」については、陸上競技の雑誌なんか見ていると、いろいろと深く研究されていますよね(^^)
一応今回は基本的なことを中心にお話をしようと思います。
「かかと」から着地
まずウォーキングや軽いジョギングの時は、着地というのは基本的に「かかと」から着地をいたします。
「かかと」というのは「丸く」なっていますよね。
これはかかとから着地し体重が前に移動していくのをスムーズにこの丸みを使って移動させるために、人間の足はこのような構造になっています。
また、足は前に振り上げた場合、関節の構造上爪先はやや外側に向くのが自然な動きです。
そのためどうしてもかかとの外側から着地をします。
このこと自体は自然な動きで「靴のかかとの外側が減る」とお悩みの方もいると思いますが、あまり極端でなければそれほど悩まなくていいと思います。
ただし「着地の仕方」にはちょっと注意を向けなければなりません。
歩いているときは足を当然前に振り出すと思いますが、
- 「振り出している「途中」の段階で着地」したり、
- 「振り出し切った段階と同時に着地」
のこの二つはあまりお勧めできません。
これは、体が前に移動している勢いを、足を振り出している途中で着地していたら一回一回の着地でブレーキをかけていることになります。
これは非常に効率の悪い着地になってしまいます。
この衝撃は「大腿四頭筋」という足の前面の筋肉で吸収するのですが、ここへの負担が大きい着地とも言えます。
フルマラソンで足が動かなくてリタイヤする方のほとんどは、足の前面の「大腿四頭筋」がもう動かなくなってしまう方が多いのです。
これは「着地に耐えられなくなった」と考えてよろしいと思います。
足を伸ばしきっているときに着地するのも同様です。
できれば伸ばしてからやや足を「引き戻しながら」着地すると、体の前への慣性を邪魔することのない着地となりますので、とても効果的と言えます。
しかしウォーキングや軽いジョギングレベルでは、まだかかと着地になります。
これが徐々にスピードアップしてくると話が変わってきます。
まず大前提なのは「一旦前方に振り上げた足を引き戻しながら着地をする」のは変わりません!
問題は「着地する場所」です。
これはジョギングのペースが速くなると着地の場所が前方に移動する「傾向」にあります。
「ミッドフット着地」
「ミッドフット着地」とは脚全体で着地する手法です
ニューバランスは、よくこれを研究して靴のアピールしています(^^)
ミッドフット着地で検索するとトップにでますよ(^^)
(注 ちなみに僕はアシックスが好きです(^^))
でですね・・・
さらにスピードが速くなっていくと、これがさらに徐々に「前方に移動」する「傾向」にあります。
「フォアフット着地」
「フォアフット着地」とは脚の爪先の方で着地する手法です。
この「踵着地」から「ミッドフット着地」そして「フォアフット着地」に関してです。
よくこれをジョギングレベルでどれにしようか悩み、考える方がいます。
僕はこれは「スピード」と「自分にしっくりくるかどうか」次第だと思っています。
少なくともフォアフット着地に関しては、ダッシュなどにはいいです。
しかし長距離系では一部のトップランナーを除き、ミッドフットでの着地までに止めた方がいいと思います。
かかと着地にしても先ほどの「足を引き戻しながら踵着地」ができていれば、足のブレーキ作用、ランニングの効率(ランニングエコノミーという)からしても、それほど悪くはありません。
むしろビギナーレベルの方であればかかと着地でいいと思います。
また、個人の筋力レベルや、走りのタイプによっても変わってきます。
データとしてあるのは、国際大会のレース分析では200m以下のスプリントでは28%、5000m以上の選手の64%が踵着地というテータもあります。
つまり国際大会に出るトップ選手でも、短距離にいくにつれて踵着地は少なくなる傾向があるにせよ、短距離でもかかと着地選手がいるばかりか長距離選手の過半数がかかと着地です。
自分の走りに「しっくりとくる」着地を選ばれることが大事です!
そして、着地にはもう一つコツがあります。
靴の小指あたりの外側の底部分は、大概小指の付け根を中心に丸みをおびているものです。
この丸みをうまく利用して足裏の重心移動をスムーズにすることもできます。
ミッドフットで着地する際、このカーブをうまく使う事がポイントです。
かかとの丸みは誰もが使っているのですが、それが使えないミッドフットでの着地の際はイメージとしてその部分の丸みを使うのがいい手だと思います。
ただし、極端に足を内反させるのもあまりお勧めではないので、その部分の丸みを使う「イメージ」くらいで走られるといいでしよう。
全体的な傾向を知りつつも自分に合ったスタイルをぜひ見つけてください!
ではでは!
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