皆さんこんにちは
パーソナルトレーナーの野上です
今日はいつもとちょっと視点を変えてお届けしようと思います。
それは・・・「怪我からの回復」です。
スポーツをしていると「怪我」というのはどうしてもつきものです。
「怪我」をしたら当然、「治療」ということになり、その次に来るのがリハビリです。
今日はこのリハビリにおける「怪我からの回復にプロテインは有効か?」というテーマでお届けしたいと思います。
怪我からの回復にプロテインは有効か?
普段筋トレをしている方の中には、プロテインを飲んでいるという方はとても多いと思います。
プロテインは多くの場合「筋肉を大きくしたい」という目的で飲用されると思います。
しかし、トレーニング中に怪我をしてしまった・・・・(TT)
そしてしばらくトレーニングできなかったとしましょう!
この時、みなさんはプロテイン飲みますか?
おそらくですが「一旦休止する」という方が多いのではないでしょうか?
これには様々な理由が働くと思います。
- トレーニングしていないんだから、プロテイン飲んでも筋肉つくわけがないし無駄だと思う
- 運動していないのにプロテインだけ飲んでいたら太ってしまうんではないか?
というようなところが主な理由だと思うのですが、いかがでしょう?(^^)
確かに、全く運動をしていない状態では、プロテインだけ飲んでいたら太ってしまう可能性は高いです。
筋トレをしていないのであれば、プロテインだけ飲んでいても筋肉は大きくならないでしょう。
・・・・しかし・・・
「怪我からの回復」という視点で見たらどうでしょう?
これを研究している例は実はごく少ないようです。
まず、完全にトレーニングできないくらいの状態で、プロテインを飲んでいたら怪我の治りが早くなった・・・
という研究はないようです(^^;
ただし、可能性的には「あり」という見解もあります。
筋肉に対しての受傷に筋繊維の復旧は不可欠です。
これに対して十分なタンパク質の供給があることはプラスの要因になることはあっても、マイナスの影響が出るとはちょっと考えづらいです。
次にリハビリの段階についてです。
これは少ないながら研究事例があります。
前十字靭帯を損傷した患者30名に対して12週間のリハビリトレーニングを実施した研究があります。
これはすでにウェイトトレーニングが可能な状態まで回復していて、筋トレによるリハビリを12週間実施した事例です。
グループを3つに分けて
- 10gのタンパク質と7gの糖質、3.3gの脂質を有するプロテイン
- 17gの糖質と3.3gの脂質
- ブラセボ(偽薬)群 この場合1.4gの糖質と1gの脂質
をそれぞれ摂取してリハビリを進めた場合どうなったのか?を検証したそうです。
すると、タンパク質を摂取したグループはMRIを用いて大腿四頭筋の筋肉の量を測定したところ、他のグループより明らかに筋肉の面積は大きくなっていたそうです。
- タンパク質摂取群は14±4%の増加!! 糖質だけを多くとっていたグループは10±2%だったそうです。
(ブラセボ群は記載なし)
また、筋肉の大きさだけでなく筋力を測定したところ、タンパク質摂取群だけが13±3%の最大筋力アップが認められたそうです。
つまり、リハビリ期間中に関しては、タンパク質の摂取を増やすことによりその回復に関して筋肉量と筋力の両面から有利になるということが伺えます。
また、この研究ではタンパク質だけでなく糖質も同時に摂取していたことが良い結果な繋がったのではないかと推測されています。
(インスリンが十分に分泌されたためと考えられている)
また、別の事例で高齢者の股関節骨折後にタンパク質を多めに摂取した研究があり上記の研究と同様の効果が見られたという報告があります。
重傷した後や、特にリバビリ段階においてタンパク質を十分に摂取しておくことは、その回復にはとても大切なことなのかもしれません。
怪我をして、十分なトレーニングができないからプロテインを取るのはやめよう・・・
となるのではなく、適量・・・
この場合、1日当たり体重1kgに対して1〜1.2gくらいのタンパク質の摂取はしておいたほうがいいのではないか?と個人的には思っています。
(この数字はプロテインの摂取量ではなく、あくまで1日のタンパク質の総摂取量です)
関連YouTube動画 怪我して筋トレできないとプロテインやめちゃう方へプロテイン飲むと怪我早く治る?
次はプロテインではなく、なんと「クレアチン」のリハビリへの効果についてご紹介します!
「クレアチンは怪我からの回復に有効か?」
みなさんクレアチンってご存知でしょうか?
これはサプリメントです。
人間の体はATPという物質を分解して身体を動かします。
しかし、このATPというのはすぐになくなってしまう物質で、何かで補充していかないと身体が動かなくなってしまいます。
皆さんご存知「糖」や「脂肪」も最終的にはこのATPを作るために口から体内に摂取していると言っても過言ではありません。
そして、高いパワーで運動している際に無くなってしまったATPを補充するのに使われる物質には順番があります。
脂肪とかは割と後の方に使われます。
逆にまず真っ先に使われるのが「クレアチン」なのです。
そしてこのクレアチンが、体内にたくさんあると高い出力を発揮できる時間が長くなります。
その為筋トレを一生懸命している方などはよくこのクレアチンをサプリメントで補給することが多いです。
このクレアチンを口から摂取して本当に効果があるのか?という疑問が出る方もいると思いますが、数あるサプリメントの中で、クレアチンに関してははっきり「効果がある」といくつもの研究でその効果が示されています。
僕も筋肥大が目的の方のお客様に「プロテインの次に何かいいサプリメントないですか?」と聞かれたら間違いなく「クレアチン」と答えるようにしています。
そんな効果抜群の「クレアチン」ですが、怪我をした時に効果があるのか?
そんなテーマで今日は書いていこうと思います。
まず、こういう場合のクレアチンの効用ですが、すでに
- ミトコンドリア細胞症
- 筋ジストロフィー
- 炎症性ミオパシー
- 筋萎縮性側索硬化症(ALS)
などのような神経変性疾患には有益であることがをわかっています。
しかし・・・どんな病気かちょっとわからないようなものばかりですね(^^;
まあ、それらは置いておいて、普通の「怪我」の場合はどうなのか?です!
まず、怪我をした時は「安静期」(炎症期)というものが必ずあります。
怪我をそれ以上悪くしないために安静すべき時期です。
この時期にクレアチンを飲んで怪我の回復が早くなった・・・・という研究例はないようです(^^;
んー、残念!
しかし、怪我にはもう一つの時期があります。
それは「回復期」です。
(修復期)
いわゆるリバビリの時期ですが、この時期にクレアチンを摂取するとどうなるのか?
回復は早まるのか?
ここでいくつか研究例をご紹介しましょう(^^)
まず、
- 10週間のリハビリプログラムでは、クレアチンを摂取してリハビリをしたグループは、筋肉を作る上でとても大事な働きをする「GLUT4」の含有量が基準値から10%も増加した
そうです。そして、クレアチンを摂取しなかったグループは10%の低下を示したそうです。
んー・・・20%の差は結構すごい・・・・
別の研究では、
- 2週間のギブス固定の後、10週間の運動リハビリテーションプログラムを実施した際、MRIで大腿四頭筋の筋肉を見た所、クレアチンの摂取グループは、迅速な回復を示した
- 長距離選手にクレアチンの投与を試合前5日間に渡って投与したところ、筋肉の損傷を示す科学マーカーの上昇が予防された
そうです。
このことはクレアチンを繰り返し摂取することで筋肉の損傷が緩和される事を示しています。
まとめると、リハビリの時期にクレアチンを摂取しながらトレーニングした場合は、そうでない場合と比べてスピーディーに回復を促せると言って良いでしょう。
怪我をしてトレーニングができなかったり、リハビリという普段のトレーニング割りは強度の低いトレーニングをしている時期というのはそれまで飲んでいたサブリメントの摂取を止めてしまう方が多いようです。
確かに激しくトレーニングしていないと、サプリを飲んでも無駄に感じる気持ちはよくわかります。
しかし、リハビリの時期というのは、ある意味「筋肉を作る」時期でもあるのです。
そういう意味では筋トレをハードにしていた時と同様以上のサプリメントをとる必要があるとも言えます。
もう一度言いますが、クレアチンはその効果がはっきりと分かるくらい、効果のほどが証明されているサプリメントです
もしみなさんが怪我のリハビリ期にいるのであれば、ぜひプロテイン同様クレアチンも摂取すると、筋肉の回復の度合いが高まる可能性は非常に高いです。
よろしければぜひご参考にしてください(^^)
ではでは!