皆さんこんにちは
パーソナルトレーナーの野上で
今日は「筋トレのインターバル(休憩時間)と筋肥大の最新研究事例」というテーマでお届けしたいと思います。
筋トレを「筋肉を大きくしたい」という目的で日々頑張っているという方も多いと思います。
その筋肉を大きくしたい場合の筋トレにはある程度のセオリーがいくつかあります。
- 重量は6回〜12回ギリギリ上がる重さで、回数はそのままギリギリまで行う!
- セット数は3セット以上
- セットの間のインターバルは60秒〜90秒
というのが基本なのですが・・・
通常は
- 「短いインターバル」でのトレーニングは筋肉を大きくするトレーニング、
- 「長いインターバル」のトレーニングは高重量を扱って筋力を向上させるトレーニング
と言われています。
ボディビルダーやフィジーカーの方々のトレーニングを紹介される場合、筋肉の肥大に関しては「いかに筋肉を追い込むか?」がポイントとして紹介されることが多いです。
そのためインターバルの時間は短めに紹介されることが多いと思います。
今日はこのセット間インターバルの時間について、最近の研究事例についてご紹介したいと思います。
NSCAによる休憩時間の基本と最新の研究結果
基本的なご説明からさせていただくと「筋力」を向上させたい場合は、
- 1〜3回ギリギリ上がる重さで、
- 2分以上の少し長めの休憩時間を取る
ことでトレーニングする事が基本とされます。
これに対して「筋肥大」を目的とした場合は、
- 6回から12回ギリギリ上がる重量で
- 60秒から90秒くらいの休憩時間でトレーニングする
ことが推奨されています。
・・・でも・・・本当のところはどうなの?
なんて思う方いませんか?(^^)
これですね、やっばり色々と研究されています!
研究例その1
- 対象
筋力経験のある大学生33名(体重の1.3倍のスクワット挙上可能)
セット間の休憩時間を、30秒、90秒、180秒のグループに分けて5週間トレーニングした結果の比較を研究した事例があります。
この時のトレーニングの内容は、筋肥大系の内容である10回ギリギリ上がる重さで5セット実施したそうです。
- 結果
「筋力」はまず、3つのグループとも筋力の向上は見られたそうです
次に、グループの間で格差があったのかどうか?ですが・・・
この期間、全く同じ重量でトレーニングしていたのかと言うとそうではなく、筋力の向上に伴って使用重量も伸ばして行ったそうです。
そしてその「増加率」が最も高かったのは、グループ3・・・
つまり、最も長く休息時間を与えたグループだったそうです。
研究例その2
- 対象
トレーニング経験を有する36名の男性(平均年齢22歳)
(全員週に3回、4年以上のトレーニング経験あり)
この研究も上記の対象者を3つのグループに分け、筋トレの休憩時間を分けてトレーニングを行わせたそうです。
トレーニング期間は16週と長くトレーニング内容は4〜6回ギリギリの重量でのトレーニングと8〜10回ギリギリの重さのトレーニングを交互に行わせたそうです。
セット数は1種目3セット、それぞれ複数種目実施しています。
セットの間の休憩時間に関しては、1分、3分、5分のグループに分けたそうです。
5分は長いですね(^^;
- 結果
で、16週後の結果がどうだったかと言うと・・・
このケースでは、ベンチプレスと45度レッグプレスの両方の伸びを検証したそうです。
結果ベンチプレス とレッグプレスともグループ2と3・・・
つまり3分休憩と5分休憩でトレーニングしたグループが、グループ1に比べて優位に記録が伸びたそうです。
特にベンチプレスは5分休憩のグループが1分休憩のグループより優位に伸びたそうです。
この点はちょっと僕もびっくりです。
研究例その3
- 対象者
トレーニング経験を積んでいる男子大学生
(全ての対象者で6ヶ月以上のトレーニング経験あり)
(全ての対象者が、体重と同じ重さのスクワットを挙上可能)
上記の対象者を2グループに分け8週間、ベンチプレス とスクワットの使用重量と、この研究では筋持久力まで測定したそうです。
筋トレの内容は、8〜12回ギリギリできる重さで、各種目3セット、週3回実施です。
休息時間は1分と3分での比較です。
- 結果
8週間後にどうなったのかと言うと、両グループとも使用重量は伸びたそうです。
そしてやはり3分休憩の方がベンチプレス 、スクワットとも、この場合も増加率は優位に高かったそうです。
次に他の研究にはない筋持久力についてです。
ベンチブレスに関しては、マックスの50%の重量で何回ベンチブレスができるかに関しては、特に両グループでの伸びの差は見られなかったそうです。
これらの結果から、やはり使用重量を伸ばす(筋力を上げる)トレーニングとしては、休憩時間は3分からさらに5分くらいまで伸ばして筋トレを実施した方がいいようです。
これは、休憩時間が長ければ、その分回復ができる分重い使用重量でトレーニングが可能であることが要因のように思われます。
この点「筋肉の肥大」と「筋力向上」は、明確に違うようです。
そして、今回ご紹介した研究が全て、やっているトレーニングが筋肥大系の内容にも関わらず(6回から12回ギリギリで行える重さ)、休息時間は「筋力向上」に適した時間(2分以上)で行うと、筋力が向上すると言うとても興味深いデータであったのが、個人的に新たな発見でした。
次は日本トレーニング指導者協会の筋トレのインターバル時間の最新研究事例をご紹介します。
日本トレーニング指導者協会の機関誌であるJATI EXPRESS 65号に載っている研究事例のご紹介
研究例その4
- 対象者
筋トレ経験6ヶ月以上の18歳から35歳男性 21名
全員スクワットを自分の体重程度は持ち上げられるレベル
- トレーニングプログラム
- スクワット
- レッグプレス
- レッグエクステンション
- ベンチブレス
- シャルダープレス
- ラットプルダウン
- シーテッドローイング
- 強度は各種目8〜12回で、その回数ギリギリまでトレーニング
- セット数は3セット、週に3回実施
と、まあ、教科書に出てくるようなお手本のトレーニングなんですが・・
一つだけ違う点を与えたそうです。
それはセット間インターバルを1分のグループと3分のグループに分け、8週間行ったそうです。
- 結果
もちろんちゃんと筋トレしているので両グループと筋肉の量は増えているのですが・・・
その増加率では、特に大腿部前部の筋肉量の増加、ベンチブレス、スクワットの使用重量の伸びにおいて、なんと長いインターバル群の方が筋肉の増え方は優位に大きかったそうです。
また、優位差はなかったものの、平均値でも、上腕二頭筋、上腕三頭筋、外側広筋の筋肉量の増加はやはり長いインターバルの方が大きかったそうです。
んー・・・ちょっとびっくりです。
同じようなトレーニングでなら通常インターバルの時間の短い方が筋肉の量は増えているものなのですが・・・
いやいや、研究なんてその時その時で結果が違うことはよくあるからあくまで一例でしょ?と思われる方もいるかもですず(^^;
これ似たような研究があと二つ、別で紹介されていて、この二つとも同じような結果になっています。
研究例その5
- 対象者
筋トレ経験3ヶ月以上の19歳から27歳男性 12名
トレーニングプログラムはこんな感じです
これを10週間行った結果はこんな感じです
インターバルは、短い方が1分(SR )、長い方が2.5分(LR)での比較です。
- 結果
表の見方がわからない方もいると思いますが上腕部においては、長いインターバルのほうが優位に増加率が高く、優位な差はなかったものの平均値として大腿部の筋肉量の増加は短いインターバルを上回ったという報告がなされています。
研究例その6
- 対象者
18歳から22歳男性 21名
筋トレ経験はないものの基本的なエクササイズはしている
- トレーニングプログラム
- スクワット
- ベンチブレス
- 強度は1RM40%で、その回数ギリギリまで上がる回数をこなす
- セット数は4セット、週に2回、8週間実施
この研究では30秒の短いインターバル(SR)と2.5分の長いインターバル(LR)を比較しています。
- 結果
結果はこんな感じです。
はい、どの研究も30秒から1分の短いインターバルの筋トレよりも2.5分から3分くらいの長いインターバルトレーニングの方が筋肉の量は大きくなる傾向にあると示しています。
ただし、いつも言っていますがトレーニングはいつも同じようなトレーニングをしていると「慣れによるオーバートレーニング」という状態に陥りやがて伸びがゆるくなるものです。
トレーニングの時期によってインターバルの時間を変えたり、もしくは基本種目は長いインターバルでトレーニングし、補助種目は短いインターバルでトレーニングするなどの工夫をすることも大事だと思います。
1分サークルで1年中トレーニングしている・・という方はこの記事を参考にちょっと長いインターバルを取ったトレーニングを取り入れてみてはいかがでしょうか?
よろしければご参考にしてください(^^)
ではでは!
関連YouTube動画 筋トレのインターバル(休息時間)について 筋肥大の為の最新研究事例をご報告します JATI(日本トレーニング指導者協会)編
関連YouTube動画 筋トレのインターバル(休息時間)について 筋肥大の為の最新研究事例をご報告します NSCA(全米ストレングス&コンディショニング協会)編!!!