栄養・サプリメント

筋トレの前と後にタンパク質の摂取した場合の違い

プロテイン

皆さんこんにちは

パーソナルトレーナーの野上です

今日は「筋トレの前と後にタンパク質の摂取した場合の違い」というテーマでお届けしたいと思います。

筋トレと栄養・・・・切っても切れないですよね!

まず最初は「食事の前と後ろ、いつ筋トレをしたらいいですか?」と言う問題からです。

食事の前と後ろ、いつ筋トレをしたらいいですか?

食事の前と後ろ、いつ筋トレをしたらいいですか?というご質問は定期的にいただくご質問です(^^)

まずこのご質問に対し筋肥大という観点でお話ししたいと思います。

結論から言うとトレーニングは「お腹が空腹」の状態でトレーニングしていただく方が良いです。

したがって筋肥大が目的なら食事の「前」にトレーニングしていただくのがいいのです。

これはなぜかというとお腹が空っぽの場合「グレリン」というホルモンが分泌されます。

この「グレリン」というホルモンは食欲を増進させる働きがあると共に、筋肉の合成を助ける成長ホルモンや男性ホルモンの分泌されやすい状況を作るのです。

もしトレーニングの「前」に食事をする場合は食事と筋トレの間に十分な時間をおいて、消化吸収が十分にできた状態でトレーニングされることをお勧めします。

またトレーニング前の食事の時はできるだけたんぱく質を多く含む食事をしていただきます。

そしてそれが消化吸収された状態・・つまり血中にタンパク質が多い状態でトレーニングを迎えていただいた方が良いのです!!

なぜなら筋トレ後に成長ホルモンの分泌が盛んになる時間帯があります。

この時に予め血中にタンパク質が多ければ、筋肉がすぐにたんぱく質を吸収できます!!

そしてトレーニングの後に食事をする場合たんぱく質を摂取するのはもちろんなのですが、この時に炭水化物や糖質を取っていただくことも大事です。

これはトレーニングで枯渇したグリコーゲンなどのエネルギーを補充する意味合いがあるということと、あとちょっと意外かもしれないですが「糖質の摂取」自体でも筋肉の合成が高まることが知られています。

糖質を摂取するとインスリンというホルモンが分泌され、血中の糖質を摂り込ませる働きが促進されます。

そしてこの時に同時に筋肉のたんぱく質の合成を高める働きがあるのです。

ただしこれには注意点があって実験の結果、糖質で筋肉の合成が高まるのは「若い方だけ」のようです(泣)

50歳以上の方に同じ実験をしたところなんと糖質が効かなかったそうです。

これは中高年になるとインスリンに対する筋肉の感受性が低下してくることが原因と考えられています。

僕も含めて(^^;中高年の方はトレーニング後食事も良質のたんぱく質を多く摂取するようにしなければなりません!

トレーニング前にたんぱく質をしっかりと摂取し、十分に時間をあけて胃の中を空にしてトレーニングに臨み、トレーニング後はバランスの良い食事をとる・・・

このルーティンが大切です!

食事は筋肥大の基本でもありますので、しっかりと効率的に実行していきましょう!

「トレーニング前にたんぱく質を摂取した場合」

たんぱく質は体内でいくつもの種類の「アミノ酸」というものに分解して、いろいろな用途に使われていきます。

その中で筋トレ中に消費されるアミノ酸は、およそ20種類のアミノ酸のうちわずか3種類です。

それはBCAAです!!!

BCAAとはBranched Chain Amino Acids の略で日本語では「分枝鎖アミノ酸」と言われるものです。

中身は、バリン・ロイシン・イソロイシンという三つのアミノ酸で構成されます。

研究として報告されているのは、下半身の筋トレの30分前と直前に体重1kgあたり40mgのBCAAを投与した場合、(合計80mg)、80%1RMで4セットのレッグエクステンションを行なった場合・・・

エクササイズのパフォーマンスには、全く影響はなかったそうです(^^;

エクササイズにおけるBCAAの役割は少なく、パフォーマンスを上げるためにBCAA飲料などを飲むという目的ではあまり効果的であるとは言えません。

もしそのような謳い文句でBCAA飲料を宣伝しているメーカーがあったら、ちょっと微妙に思っていただいていいと思います。

筋トレ「前」にアミノ酸やたんぱく質を補給するのが無意味なのか?

じゃあ筋トレ「前」にアミノ酸やたんぱく質を補給するのが無意味なのか?

というとそうでもなかったりします。

確かにパフォーマンスは「その場では」あがらないかもしれません。

しかし、皆さん、そもそもたんぱく質やアミノ酸て何のために飲んでいます?

筋肉つけるためですよね?

筋トレをした直後というのは、皆さんもご存知だと思いますが、筋肉がたんぱく質を合成させる感受性がとても高まるのです。

このタイミングでたんぱく質が体内にあるというのはとても重要です!

実は、筋トレ直前に必須アミノ酸(BCAAに限らない)を飲んでおくと、筋トレ後に摂取した場合よりアミノ酸の骨格筋への運搬速度と吸収速度が高まることが複数の研究により証明されています。

ここで誤解のないように言っておくと、じゃあ筋トレ後より前の方がいいのか?というステレオタイプな考え方はよくないということです。

筋トレ「後」に飲むのも非常に多くのメリットがあります!

つまり・・・・筋トレ「前」も「後」も飲む!

これがベストなのです。

そしてですね・・・・これアミノ酸の場合なんです・・・

プロテインじゃないんです(^^;

エクササイズ前に必須アミノ酸を飲んだ場合、必須アミノ酸濃度が安静時より100%まで増加するのに対し、ホエイたんぱく質では30%しか増加しなかったそうです。

活動中の筋肉へのアミノ酸の運搬に関しては、アミノ酸サプリメントでは7.5倍に、ホエイたんぱく質では4.4倍にとどまるそうです。

このへんはどうしても消化吸収がアミノ酸サプリメントの方が早いので、いくら消化吸収の早いと言われるホエイでもかないません。

まあ、その分高価なんですが・・・(^^;

個人的には一般レベルのトレーニーならホエイプロテインでももちろん十分だと個人的に思っております。

こういうこと書くと「ホエイじゃダメなんだ」とすぐ考える人いるのであんまり書きたくないんでせすよね・・・2番じゃダメですか?(^^;

本当に「ホエイでもダメではない」という所は強調しておきます!

「筋トレ後」にプロテインを飲んでいる人は多いですが「筋トレ前」も、筋肉つけたい場合にたんぱく質を摂取しておく事はとても大事です!!

筋トレ後にタンパク質は何g取ったらいいの?

次は筋トレ後にタンパク質を摂取する場合についてです。

まず「ネットプロテインバランス」というものからお話ししようと思います。

ネットプロテインバランス

何ですか?・・それ?・・・

という方も多いと思いますが、これは「タンパク質の分解(筋肉の分解)」と「タンパク質の合成(筋肉の合成」の差し引きのバランスです。

勘違いされている方も多いですが「筋肉の分解」と「筋肉の合成(筋肉が作られていく)」は「常に同時に起こっている」と思った方がいいです。

つまり筋肉は「どこかで作られていて」「どこかで分解されている」ものなのです。

ピンとこないかたも多いと思いますが、皮膚に例えるとわかりやすいと思います。

表面は常に「垢」となって分解されていくのに対し、内側からは常に皮膚が作られていて、結果的に皮膚の厚さは常に同じ・・・

みたいな感じで捉えていただけると少し分かってもらえると思います(^^)

ちなみに、これは筋肉だけでなく、骨や脂肪などにも同じことが言えます

もちろん「筋肉つけてえ」って方は、この「ネットブロテインバランス」がプラスに作用しなければなりません。

そしてこれもよく勘違いする方多いことがあります。

それは筋トレしている最中は、この筋肉の合成スピードは高まることが知られています。

しかし、同時に分解スピードも高くなり、筋トレだけではこの収支・・つまりネットプロテインパランスはマイナスになります。

筋トレした後、パンプアップしている状態にニンマリして「筋肉ついたかも」と思う方多いと思います。

しかし実はそれはパンプしているだけ(血流が集まっているだけ)で、その時点では筋肉量はむしろマイナスの方向に向かっていると思った方がいいです(^^;

なので、素早く筋トレ後に栄養摂取して、このネットプロテインバランスをプラスに持っていく事が大事なのです。

まず筋トレ後に「糖質」だけを採った場合にどうなるのか?

この場合、分解スピードは弱まるそうです。

そして筋肉の合成にはほぼ全く改善は見られないそうです。

ちなみに投与した糖質量は体重1kgあたり1g、筋トレ後1時間で摂取とのことです。

筋トレ後に必須アミノ酸の摂取した場合

これに対して、筋トレ後に必須アミノ酸の摂取した場合は有意にネットブロテインバランスはプラスになり、非常に効果が大きいという結果が出ています。

まず、これらの研究で筋トレ後に、ホエイプロテイン、ソイプロテイン、カゼインプロテインの3種をそれぞれ22g摂取した場合の比較もあります。

それによると一番優秀だったのはやはりホエイだったそうです。

そして通常ソイプロテインよりカゼインプロテインの方がポピュラーではありますが、興味深いのはソイプロテインの方が筋肉の合成に関しては優秀なスコアを示したそうです。

研究者によると、ここはカゼインの吸収スピードの遅さが原因ではないかと見られています。

また、ここで勘違いしてはいけないのはあくまで「筋トレ後の摂取」の比較であり、緩やかに吸収されるカゼインプロテインの特徴を生かした摂取の仕方もありますので、ケースによって使い分けるのがよろしいと思います。

タンパク質を何グラムとった場合が最も筋肉の合成が高いのか?

ここで本題ですが、では筋トレ後にタンパク質を何グラムとった場合が最も筋肉の合成が高いのか?最もネットプロテインバランスがプラスになったか?です。

実験では下半身のワークアウト後に、0g, 5g, 10g, 20g, 40gの卵タンパク質を含むサプリメント摂取をし、4時間後に渡り筋肉の合成を測定した結果・・・

平均複合筋タンパク質の合成(要するに筋肉の合成)は、20gの摂取の時が最大限に促進されたそうです。

つまり40g摂取しても20g摂取した時より効果が高いか?というと、そういうことはないとこの研究では結論づけられています。

(McMasterUniversityの研究による)

そして研究では、やはり比較的吸収の早いタンパク資源が用いられていることに注目していて、カゼインのような吸収の遅いタンパク質にはこの数字は適用されない可能性が高いことも示唆されています。

最後に、糖質だけではダメでしたが、糖質とタンパク質を一緒に摂取することによりネットブロテインバランスのプラスは最大になるそうです。

この研究で最も吸収の早いホエイで研究されなかったのが残念ですが、筋トレ後は20gのタンパク質摂取になるようにブロテインを摂取し、さらにバナナなどで糖質を同時に摂取することがオススメになります!

参考文献 NSCA Strength&Conditioning journal 2015年 8-9月号

中期的に見てみたらどうなの?

まず14週間に渡り筋トレと併せてエネルギー量の等しい糖質とタンパク質を時間を決めて摂取し、筋肥大とパフォーマンスの両面に与えた影響を観察した研究があります。

摂取タイミングは筋トレの前と後両方に実施しています。

エネルギー量の等しい糖質とタンパク質という表現が分かりづらいかもですが(^^;

タンパク質も糖質も同じ1g4Kcalなので、筋トレした前後に時間を決めて、糖質100gを与えたグループとタンパク質100gを与えたグループを比較した・・・みたいな感じでどらえてもらえればわかりやすいと思います。

被験者は筋トレ後2時間は水分以外の摂取は禁止にしたそうです。

研究での実際に行った摂取量は、一日に筋トレの前後に50gの糖質、タンパク質を分けて摂取したそうです。

骨格筋の肥大に関しては、大腿四頭筋の外側広筋の横断面積の変化を測定したところ・・・

タンパク質だけ摂取したグループは、白筋線維(タイプII線維)で26%の肥大が確認されたそうです。

ここでもう一つ興味深いデータが・・・

なんと赤筋線維(タイプI線維)も18%の肥大が確認されたそうです!

そして、糖質だけ摂取したグループは・・・・

有意な変化は見られなかったとのこと・・・・

(Andersonの研究事例から))

んー・・・・やっぱりタンパク質か・・・・(^^;

赤筋群が肥大したということは、長距離系の選手も筋トレ後にタンパク質をとった方がいい可能性が高いですね(^^)

ちなみに筋肉のパフォーマンスに関してはやはりタンパク質を摂取したグループの方が大きな筋パフォーマンスを発揮しましたが、「有意な差」というところまでは行かなかったようです。

別の研究では、タンパク質だけ、糖質だけというステレオタイプの研究ではなく、タンパク質プラス糖質のグループも含めた事例もあります。(12週間で観察)

(Birdの研究事例から)

この研究は40gの糖質だけを摂取したグープ、6gの必須アミノ酸だけ摂取したグループ、その両方、そしてカロリー0のブラセボ(偽物)を摂取したグルーブを比較したものです。

まずこの研究だと、全身の筋肉量はすべてのグループで増加したらしいのですが、特にタンパク質プラス必須アミノ酸のグループがブラセボよりも有意に増加が見られたそうです。

その他の比較ですが、

  • タンパク質プラス糖質のグループは20%増、
  • タンパク質だけのグループで18%増
  • ブラセボ群はわずか7%増

だったそうです。

(糖質だけのグループは文献に記述なし)

後、筋トレをすると筋肉の「分解」も起こるのですが・・・

ここでも興味深いデータが・・・

筋肉の分解量を示す体内物質の数値を測ったところ・・

(3メチルヒスジンという物質です)

  • タンパク質だけとったグループはその数値が最大5%下がった
  • 糖質だけ取ったグループは最大13%その数値が下がった

そうです。

これはつまり筋トレ後の筋肉の分解を抑制するには糖質の摂取の方が優れていることを意味します。

そしてタンパク質と糖質を同時に取ったグループは最大なんと26%その数値が低下し、ぶっちぎりで筋肉の分解が少なかったと報告されています。

・・・つまり・・・

結果からいうと、筋トレ後には糖質とタンパク質を同時に取ることが筋肉の分解の抑制と、筋肉の合成の促進、両方に最もいい!

・・・という結果が「中期的にも確認されている」ということになります。

筋トレ後にブロテインだけ飲んでいる方は、ぜひバナナも一緒に食べて見てはいかがでしょうか(^^)

YouTube関連動画 同じタンパク質の量でも筋肉つくのはどっち? 朝タンパク質多い派?夜タンパク質多い派?

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