皆さんこんにちは
パーソナルトレーナーの野上です
今日は「ピッチャーですが肩が痛いんですけど・・・腱板損傷編」というテーマでお届けしたいと思います。
野球のピッチャーやっていますが、肩が痛んですけどどうすればいいですか?
割と「野球のピッチャーやっていますが、肩が痛んです。どうすればいいですか?」みたいなご質問をいただきます。
この場合、あったこともない、普段のトレーニングの状況も骨格も何もわからない方へいい加減なことは言えないです(TT)
そもそも医師でもないので「会ったことない方の怪我の原因なんてわかるわけありません。医師に相談しましょう」といつも答えています(^^;
そしてその肩の痛みにもいろいろとあります。
その中で今日は「腱板損傷」という疾患について少しご紹介しようと思います。
背中には大きなインナーマッスルがあります。
いくつかあるインナーマッスルの中に「棘上筋」という筋肉と「棘下筋」という筋肉があります。
よく解剖生理学で背中の筋肉を覚えるときに上から「棘上筋」「棘下筋」「小円筋」「大円筋」と、この4つを一つのセットにして呪文のように唱えて覚えたという体育・医療系の学生さんも多いと思います(^^;
その「棘上筋」と「棘下筋」ですが、どちらも肩甲骨の内側についてそこから上腕の肩付近に付着しています。
このインナーマッスルの腱が板状になっていて、そこを「腱板」と言います。
そして、この部分が傷めてしまうことを「腱板損傷」と言います。
この腱板損傷には二つのパターンがあります。
一つは急性タイプと言って、ラグビーやアメフト、スキースノーボードで起きやすいタイプです。
その原因はこれらのスポーツで転倒した時に、上腕が上体に押し付けられるような力を受けた時に「棘上筋」と「棘下筋」に圧がかかって発生するタイプです。
これを防ぐにはこの「転倒」の仕方をできるだけ受傷しづらいようにすることが望ましいです。
できるだけ柔道で言う「受け身」を取れるようにするということです。
そしてもう一つは慢性タイプです。
これは野球・テニス、バレーボールのように「腕を高い位置に上げて、振り下ろす」動作を繰り返すスポーツに多いタイプです。
これは特に野球のピッチングの時の「テイクバック」の時に、棘上筋は最大に収縮し腱の真上にある骨と衝突してしまいます。
そしてこれを過剰に繰り返すと損傷をしてしまう・・・というメカニズムになります。
もしくは、腕を急激に振り下ろす動作では、勢いよく振った腕を最終的に止めなくてはいけません。
このブレーキをかける役目を担うのが「棘下筋」になります。
「棘下筋」は伸ばされながら力を発揮し腕を止めます。
この「伸ばされながら力を発揮する」・・・・
いわゆるエキセントリックトリックコンストラクションという、筋肉に最も負担のかかる負荷のかかり方が繰り返されることによって損傷を引き起こしやすくなるのです。
肩に痛みや違和感を覚えたらどうすればいいか?
対処法としては、まず「休むのが一番!」です!
やってはいけないことに痛みや違和感があるのに腕の位置をやや下げればプレーできるとか、痛くないところを探してプレーし続ける方がよくいます。
するとフォームが崩れた状態で負担を与え続けてしまうので、大抵の場合、より損傷の状態を悪くすることが多いです。
投球後のインナーマッスルの回復には「数日」を要する場合も少なくありません。
プロ野球の先発投手の投球の日程の感覚が数日あくのはそのためです。
腱板損傷の予防のためには日頃から肩甲骨・肩周りの筋肉をストレッチして、筋肉の可動性を高めておく事が大切です!
肩甲骨周りの筋肉が硬くなると筋肉のサポートが低くなるので、肩のインナーマッスルへの負担が大きくなってしまいます。
対策ストレッチ
その場でできる簡単な体操としては、まず頭の上で手のひらを合わせて腕を伸ばします。
水泳の「けのび」のような感じですね。
その体勢のまま「肩から腕を上下にゆっくりと動かします」
肩甲骨が動いているのを確認しながら20回ほど上下させてあげましょう。
より可動性や柔軟性を高めたかったら、オススメは「ポールストレッチ」です。
ポールに仰向けに寝て手の甲を床につけたまま、腕を上下に動かす「胸開き運動」などは肩甲骨周りのインナーマッスルを色々動かすのでとてもいいと思います。
もう一度まとめると
- 傷めてしまった場合はオーバーユースが原因の痛みなので医師に相談しつつ「休める」のが基本です。
- 予防のためには「肩・肩甲骨廻り」を大きく動かせるように普段からトレーニングしましょう!
そういえば今メジャーリーグにいる元広島の前田投手が行うことで有名になった「マエケン体操」も基本肩甲骨廻りの可動性を高めるために行われているものです。
よろしければ色々とご参考にしてください(^^)
ではでは!