「投球スピードの向上」について
皆さんこんにちは!
パーソナルトレーナーの野上です
今日は「投球スピードの向上」についてご紹介しようと思います。
投球スピード・・・・
と書くとどうしても野球を思い出す方多いと思いますが、そもそも「投げる」という動作はかなりいろいろなスポーツでみられます。
サッカーのスローイン、バスケ、ハンドボール、水球などは直接ボールを投擲するスポーツです。
また、直接投球するものではないですが、その動作はほとんど投球の動作と同じスポーツもあります。
テニスのサーブやバレーボールのスパイクなどがこれにあたります。
では、これらのスピードを上げるには?ということなのですが、当然トレーニングによってあげるしかありません!
普通の筋トレして、ボールが速くなるのか?
いまだによくいませんか?
ウエィトトレーニングしたらスピードが遅くなる・・とかいうコーチ・・・
特に投球動作では、ベンチプレスやスクワット、デッドリフトやラットプルダウンのような一般的なトレーニング動作と、投球動作自体が全く違うのでそもそも投球におけるボールのスピードアップに役に立つのか?という直接的な疑問を持つ方も少なくないと思います。
もしくは、肩周りに筋肉がつくことによって、かえってスピードが落ちるのではないか?などという心配をするコーチも少なくないのではないでしょうか?
これに対していろいろなスポーツ機関の研究者が研究しているんです。
対象被験者は高校生から大学生を中心に、総勢145名、12の研究機関で、14のトレーニング様式を提供した一覧表があるのですが・・・
期間は、おおむね6~12週間で観察されています。
そして
- トレーニング負荷が4~6RM×3~4セットのもの、
- トレーニング負荷12RM以下のもの、
- 55~75%1RMで2~4セットのピラミッド方式のもの、
- 80~95%1RMで3~6セットのピラミッド方式のもの・・・・
まあ、いろいろなトレーニングの様式でトレーニングを施したところ・・・
そのいずれにおいてでも「投球速度の向上が認められた」という結果が出ているのです!
んー、すごい!(^^)
ただし全ての研究で速度向上が認められたかというと、例外もあります。
競技対象者が水球選手で、
- 85%1RMでトレーニングを8週間施したグループと、
- 競技対象者が女子ソフトボールでオープンキネティックチェーントレーニング(この研究はクローズドキティックチェーンとオープンキネティックチェーンのトレーニングで差が出るかを研究した)で12週間トレーニングした群の2グループ
では投球速度の向上が見られなかったそうです。
ちなみに2グループの合計人数は19名でした。
ここで補足ですが、%RMというのは、一回上がるギリギリの重さを100とした場合、何%の重さでトレーニングしているかを示しているものです。
例えば1回100Kg上がる肩が80kgで数回トレーニングしている場合は80%RMでトレーニングしているということになります。
オープンキネティックチェーンとクローズドキネティックチェーンというのは、NSCAではエクササイズで負荷がかかっている片方が「解放されているのか?」「固定されている状態のエクササイズか?」を指します。
例えばオープンキネティックチェーンとはレッグエクステンションやアームカールなどのような回転系のトレーニングを、クローズドキネティックチェーンとはレッグプレス、スクワット、ベチプレスのような運動を指します。
・ ・・・ここ難しいんですよね・・・・一般の方は覚えなくていいです(^^;
まず投球におけるボールスピードをあげる場合・・
「一般的な筋トレ」で「ボールのスピードは上がる」と思っていただいてよろしいと思います。
「普通ではないトレーニング」で投球スピードは速くなるのか?
まず、なにが普通の筋トレではないのかというと、実験で報告されているトレーニングの種類としては、
- 「弾性チュープを用いたトレーニング」
- 「空気圧を負荷抵抗としたトレーニングマシンによる(カイザーケーブルシステム)トレーニング」
- 「プライオメトリックストレーニング」(瞬発系(爆発系)トレーニング)
- 「バリスティックトレーニング」(めちゃくちゃ爆発的なトレーニング)
- 「メディスンボール」トレーニング
- 「等速性トレーニング}
(特殊な機械を使って、どんなに力を入れても同じスピードでしか動かないようなマシンでトレーニングすること)
などで実験報告が上がっています。
この中では、
- 弾性チューブトレーニング
- カイザーケーブルシステム
- プライオメトリックストレーニング
- バリスティックトレーニング
において、オフシーズンの高校生や、オーストラリアナショナルリーグの野球選手の投球速度の増加が確認できたそうです。
野球選手を対象とした
- 爆発的なスクワットジャンプ
- 軽負荷(30~50%1RM )での爆発的に行うバーベルベンチプレススロー(!?)
を10週間行わせたところ、投球速度が約2%向上したそうです。
また、高校生対象に
- 弾性チューブとダンベルの組み合わせトレーニング
- カイザーの空気圧を利用したトレーニング
- メデイスンボールと弾性チューブの組み合わせたプライオメトリックストレーニング
の3つのトレーニンググループをそれぞれ6週間観察したところ、いずれもやはり投球速度が1,2~2%の向上が見られたそうです。
また、興味深いことに、それぞれのグループにはそれほどの差が見られず、増加の割合は大差なかったそうです。
そして、なんでもやれば上がる!というわけでもないようで、速度の向上をもたらさなかったトレーニングも存在します。
- メディスンボールチェストパスとオーバーヘッドスローを組み合わせたトレーニング
- 等速性トレーニング
に関しては速度向上の結果が出なかったそうです。
これは、
- 筋トレ経験のないオーストラリアの野球選手に3Kgのメディスンボールを使ってチェストパスとダブルアームオーバーヘッドスロー
- 最初の4週間は3×8、次の4週間は3×10
という内容で実施したところ結果が伴わなかったそうです。
原因としては、メデイスンボールの重さが一定で回数のみで内容を増やしたことと、メディスンボールの重さが適正ではなくワンハンドスローでトレーニングできなかったためではないかと考えられています。
一方一般的なトレーニングで、ベンチプレスとバーベルプルオーバーを行わせたトレーニング群の研究があります。
これを最初の4週間は3×8~10RM、次の4週間は重量を重くして3×6~8RMでトレーニングしたところ、投球速度が4.1%も向上したそうです!
んー、興味深い!
しかし、ここでひとつ注意点は、筋力の増加と投球速度の増加にはいかなる関連も見受けることができなかったという結果もあることです。
おそらく、使用重量の伸びによる様々な因子がいろいろと絡み合った上で、投球速度の向上に寄与していたのでしようが、まだこの点については研究段階だそうです。
