球技でのプレー速度向上
皆さんこんにちは
パーソナルトレーナーの野上です
今日は「球技でのプレー速度向上」というテーマでお届けしようと思います。
バスケットやサッカーのようにボールをもったまま走るという競技は、陸上競技のようにまっすぐをひたすらスピードアップして走るようにはいかないものです。
そして、その時のスピードは、まっすぐを速く走っている時より確実に遅くなるはずです。
なぜ遅くなるのか?
ひとつの理由としては、当然ボールをコントロールしながら走るのでスピードが落ちる面があります。
ここを向上させるにはボールにいかに慣れるかがまず重要になることは間違いありません。
そして、もう一つの理由は「そもそも走るフォームがまっすぐ走る時と明らかに違うから」ということが挙げられます。
どういうことかというと、対人相手にボールをいかに取られないように工夫しながら走るか?が必要であるので「上半身の動き」と「「下半身の動き」が別々に動くことが原因に挙げられます。
これはボールを持った時だけでなく、オフザボールの時のポジション取りの動き、デイフェンス時の相手の動きを予測しながら動くときなどよくあるケースです。
短距離ダッシュのようなフォームで走っていると、上半身と下半身の動きの連動が一緒のため、相手に簡単に次の動きが読まれてしまいます。
また相手がフェイントをかけたら、簡単に自分は方向転換が効かない走りになっているので、相手に抜かれやすくなってしまいます。
球技では
- 上半身は動かず下半身だけが動く」(捻って別の方向に動きだしをいれる)
- 「下半身は動いていないのに上半身が動く」(フェイントをいれる)
などのように上半身と下半身が別々の動きをしながら走るフォームに迫られます。
この動きに慣れることがプレー中のスピードの向上を担うのです!
普段どういうトレーニングをしたら良いか?
まずラダー・・・「はしご」ですが、縄ばしごを地面に置くか、はしごの絵を地面に書いて行っていただいても大丈夫です。

はしごの目を使いながら
- ジグザグに走ったり、
- 上半身の向きはそのまま下半身をいろいろな方向に方向転換させらがら走ったり、
- 折り返したり、
- 横に走ったり
など様々な走りを「ます目」で行います。
上半身と下半身が別の動きを素早くできるようトレーニングして体の動きを慣れさせることはとても重要なトレーニングです。
ゲーム中に最も体を加速させるのが最も難しい場面
さらにスピードを上げるためにみなさんは普段からダッシュやラン、SAQトレーニング、プライオメトリックトレーニングなど様々なトレーニングをしていらっしゃると思います。
えっ?なんか聞いた事ないトレーニングばかりなんだけどという方も、単語はともかく、上記のトレーニングを知らず知らずのうちに普段の部活のトレーニングの中でやっている方多いと思います。
ちなみにSAQトレーニングは、ミニコーンやミニハードルを置いて行うトレーニングです
プライオメトリックトレーニングは各種ジャンプ系のトレーニングです。
まずこれらのトレーニングは最低限行なっていく必要があります
しかし、練習はあくまで練習・・・・
試合でその加速力が生きなければなんの意味もありません。
せっかく鋭い加速力を血の滲むようなトレーニングで身につけたとしても試合でそれがうまく発揮されないとしたら・・・・・・
かなり悲しいですよね・・・・(^^;
そんな事あるの?と思われる方もいると思いますが・・・・
あるんです!
ゲーム中に最も体を加速させるのが最も難しい場面・・それはいわゆる「静止状態からのスタート」です!
静止状態からのスタートをなくせ!!
エリートラグビー選手はスタンディングスタートから2秒以内で最大速度の70%に到達する能力を持っているそうです。
しかしそのラグビー選手も初速においては、歩行・ジョグ・大股歩行からのスプリントを開始した場合の方がスタンディングスタートよりも優位に早く加速できるそうです。
オーストラリアのフットボール選手も静止状態よりも移動状態(ジョグもしくは大股歩行)からスプリントした方が加速スピードは早く、最大に近い速度に到達できるということが報告されています。
サッカーの試合で選手がオフザボールの時に画面で大股で歩いているシーンをよく見かけると思いますが、あれは次のプレーの加速のための準備です(^^)
おそらく当の選手はゲーム中あまり意識していないと思いますが、よくプレーに絡める選手ほど「脚が止まらない」という事がいえるでしょう。
また、逆に「足が止まっている」選手、ボールウォッチャー(脚が止まったボールの行き先だけを見ている事)になっている時ほど「動いている相手の選手」に競り負けるケースが多いと言えます。
これは「初動の加速で負ける確率が高い」からです。
イチロー選手は実は短距離ダッシュにはあまり向かない資質を持っている選手です
(この理由は最後で述べます。)
しかし、内野安打が多い事や盗塁から見て「スピードが遅い」というイメージからは皆無ですよね。
これはよくイチロー選手に言われる「走りながら打っている」あの独特のバッティングフォームが初動の加速に有利な状況(走りながら打つ)を作り出している賜物と言えます。
もし相手に競り勝ちたいということであればゲーム中いかなる状況にあっても「脚を止めない」ことが、普段のトレーニングで養っている加速をゲーム中に殺さない「コツ」と言えます。
これはどんなスポーツでも・・・・
例えば狭いコートの中で腰を落として待つバレーボールなどでも同様です。
歩けないじゃん!
と思われるかもですが、サーブのレシーブのように少しタイミング的に余裕がある場合は小刻みに左右に体重移動を繰り返してみます。
しかし、スパイクのレシーブように一瞬で動かなければならない時は、左右にステップを踏んでいると逆を取られるかもしれません。
この場合は打つ瞬間のタイミングで小さく腰を落としたりするだけで初動が早くなります。
(サッカーのPKではゴールキーパーは大概これをやります)
とにかく「止まらない」ことが大事なのです。
ゲーム中に脚が止まる癖があると感じている方は、それは普段の自分のトレーニングの苦労を台無しにしてしまっていると思うべきです。
大変かもしれないですが「常に動き続けている」よう、普段のトレーニングから心がけましょう!
球技で使う筋肉(効率よく筋肉を使うために)
スポーツシーン、特に球技をやっている方たくさんいらっしゃると思います。
当然スポーツである以上筋肉を当然使いますが・・・・・
ここで「どんな筋肉が使われるか?」です。
まず、筋肉には「遅筋」という筋肉と「速筋」という筋肉が存在します。
早い動作をする時、力強い動作をする時は「速筋」が使用されます。
ゆっくりとし動作だったり、長い時間行う動作には通常「遅筋」が使用されます。
ボールゲームで勝敗を左右するのにとても大事な能力は、いかに素早く動け、素早く止まり、素早く方向転換できるかの能力です。
そう・・・「速筋」の能力の優劣です(^^)
この速筋の特徴ですが、100%全開の能力を発揮すると8秒ほどで主なエネルギーを消費しつくしてしまう性質があります。
これは筋肉の性質の問題なので、世界のトップアスリートでも一般の方でも大して変わりません。
また筋肉が増えて筋肉の中に備蓄されるエネルギーが増えても、瞬間的なパワーやスピードは上がってもこの「時間」自体はそれほど変わることはないんです。
この時に消費され尽くしてしまうエネルギーはみなさんサプリメントでご存知の方も多い「クレアチン」です。
ただし8秒過ぎてもダッシュはできますよね?
この次に消費されるのが「グリコーゲン」というエネルギーです。
ちなみにグリコーゲンまで消費し尽くされてしまうのは40数秒になります。
「速筋」が使われる時に使用されるエネルギーは主に二つだと思ってください(^^)
でてすね、ここで大事なのは
- 「クレアチンはわりと使われてもすぐに補充がききやすいのですが、グリコーゲンまで使用してしまうとグリコーゲンは補充に少し時間がかかる」
という性質があるのです。
例えば、フェイントを素早く入れてドリブルで相手を抜きシュート・・・
という動作はわずか数秒のプレーだと思うのですが、これ一回やっても、またすぐにボールが回ってきたら、同じようなブレーをすぐにできますよね?
でも、サッカーでサイドラインを思いっきり駆け上がって相手の陣内に入った後、ボールを奪われ素早く自陣にダッシュで戻る・・・
なんてプレーをして、すぐにまた同じプレーを同じクオリティでてきるかといわれるとちょっと厳しいですよね(^^;
ボールゲームでは、何十分もの間動き回り、さらに速筋をマックスで動かさなければならないシーンが何度となく訪れます。
そこでボールゲームで大事なことは・・・・
「1回のプレーで頑張りすぎない」ことです!
ボールゲームのように次々とブレーしなければならない場合には限界時間の8秒を越え頑張りすぎると速筋のエネルギーを激しく消耗してしまいます。
その為次のブレーをするためにエネルギー補充するのに数分かかることもあります。
その時に相手にワンブレーで競り負けてしまい、それが決勝点・・・
なんてことがあるかもしれません。
そのために
- できるだけ100%ではなく90%ほどの力で勝負する
- できるだけ短時間で勝負する
ということを、頭に入れながら(ポジション取りも含めて)ブレーすることが大事です!
いくら筋肉を鍛えてもただがむしゃらに走ってしまっては体力を消耗する一方です。
そのためトレーニングの段階からスピードコントロールを意識したトレーニングをし、自分の100%は「ここ」という時にとっておけるようにしましょう!
また、それだけでなく90%のパワーで8秒以内のプレーを「数多く」できるようにできれば、自分の筋肉内の速筋に必要なエネルギーをゲームに効率的に使用できるとも言えます。
そういうトレーニングを(試合形式の練習中でそういう動きの「質」ができるように心がける)普段の練習から行うようにしてくださいね!(^^)
スピードがあるイチロー・・・実は、短距離ダッシュ向きではなかった!?
最後にちょっとサイドストーリー的な感じでお話をしていこうかなと思います!
題して「スピードがあるイチロー・・・実は、短距離ダッシュ向きではなかった??!」というテーマでお届けしようと思います!
ちなみに、僕はイチロー選手大好きです!(^^)
で、その大好きなイチロー選手に難癖をつけて思いっきりバッシングを受けそうなタイトルですが・・・(^^;

これはあくまで「そういう傾向にある」という程度に捉えていただければと思います。
いやいや、そうはいってもイチロー選手は普通の選手では内野安打にならないようなタイミングでも内野安打にするほどダッシュ早いじゃん!といわれる方も多いと思います。
まず、ダッシュに有利なのは「手足が短く、筋肉質」な体型の方が有利なのです。
普通だと手足がすらっと長く、それでいてある程度の筋肉がついている(つきすぎていない)方がスピード的に有利なようなイメージがあると思います。
確かにこういう体型の方はスピードは速いのですが、それは100mというある程度の距離を走る場合の話です。
球技のように、10m・・・
いや、3mまでのダッシュがものをいうような場合は、実はこのようなすらっとした体型よりは、多少手足が短くそして「筋肉で太い」選手の方が有利なのです。
サッカーでいえばメッシ選手や、古くはマラドーナ選手のようなタイプですね。
ドリブラーといわれる選手は比較的このように小柄で手足が短い、やや小柄な選手の方が多い傾向にあります。
なぜかというと、運動というのは「てこの原理」が働くからです。
動作というのは、筋肉が収縮し、関節を中心に骨を引き寄せるようにして行われます。
この時に手足が短いと瞬間的に骨を引き寄せやすくなるのです(てこ比が小さいと言う)
また、動作の加速にはパワーが必要なので、筋肉の量がそのままものを言いやすいと言えます。
こういうタイプの場合、ダッシュの初速は速いものの、その後のスピードの伸びがあまり見込めずある程度の距離以上になると不利になっていく傾向にあります。
一方イチロー選手のように、手足がすらっと長い選手はてこ比が大きく、このような選手は動きの初動を早くするにはちょっと不利です。
ただし、ある程度の距離からは非常にスピードが乗りやすいとも言えます。
では、なぜイチロー選手はあれだけ内野安打を打てるのかというと・・・
みなさんご存知の通り、彼は「走りながら打っている」といわれるように、すでに最初の一歩を他の選手より早く出せるように工夫している部分が大きいと思われます。
ダッシュに不利な体型・・・・
つまり初速での不利な部分をバッティングフォームの工夫によって補って、中間加速に入るまでの時間を短縮しています。
あとは得意の中間加速で塁間タイムを稼いでいるのです。
これは前のページでご紹介した「足を止めない」事にも通じます。
ただ、これは最初に述べたように、あくまで「傾向」です。
まあ、自分の手足の長さはトレーニングでは変えようがないですので、やはり筋トレで筋量を増やし体型のハンデを超えるパフォーマンスをぜひ手に入れましょう!
よろしければご参考にしてください(^^)
ではでは!
