皆さんこんにちは
パーソナルトレーナーの野上です。
今日は腸腰筋と「ラン」の関係についてというテーマでお届けしたいと思います!
腸腰筋について
まず・・・腸腰筋を知らないと言う方のために・・・
こちらのイラストをどうぞ!

背骨から走っている筋肉を大腰筋、骨盤から走っている筋肉を腸骨筋といい、両方を合わせて腸腰筋と言います。
まず、この筋肉は知っている人は知っている、知らない人は知らないという特色があります(^^;
この筋肉の主な働きは「足を上げる」時に使うメインの筋肉です。
つまり陸上競技に代表される、走る競技をしている人には非常に関心が高い筋肉となります。
反面、背骨や骨盤から太ももにかけて骨盤の中を通る、ある意味めっちゃ「インナーマッスル」でもあります。
つまり・・・・中の方にあって、表層には絶対現れないので・・・
ボディビルダーやフィジークを代表とする「ボディメイク」を目的にトレーニングしている人にとっては、今ひとつ響かない筋肉なんですよね(^^;
また一般の方にも、奥の方にある筋肉なので馴染みが薄い筋肉でもあります。
ただし、一般の方にとっても腸腰筋はとても大事な筋肉なんです!
腸腰筋は・・・
この筋肉は加齢とともに、最も弱くなる筋肉の代表格です。
この筋肉が弱まることで、足の上げ幅が自然と低くなります。
すると、今までなんてことなかった高さの物につまづき、転倒・骨折・寝たきりに・・・
・・・という話は今の高齢化社会を迎えている日本では、もう至るところで聞ける話です。
腸腰筋はマスト
この筋肉の話をするときは、必ずこのように「足を上げる」話が必ず出てきます(^^)
しかし・・・しかしですよ?
イラストをよく見てみましょう。
筋肉というのは「ゴム」と同じです。
引っ張る方向に力を発揮するものです。
特に大腰筋ですが、太ももを固定して左右からこの筋肉が引っ張りあっているのを想像すると、あることが見えてきます。
勘のいい方ならここで気がつくと思うのですが(^^;
「船のマスト」を「背骨」に見立ててみましょう。
はい、腸腰筋がまるでマストを左右から引っ張って支えるロープのような役割もしているのです。
このため腸腰筋は「姿勢の保持」にも大きく関わってきます!
この腸腰筋の筋力の左右差がひどくなると、マストを引っ張るロープの力が左右で違うということになるので、当然マスト・・・
この場合、背骨ですが、左右どちらかに傾きやすくなってしまいます(^^;
特に背骨は木の柱でできたマストと違い、くねくねと曲がりますので尚更です!
大腰筋に限らず、腸骨筋・・つまり骨盤についている筋肉も同様のことが言えます。
この筋肉が、太ももから固定していたら・・・
骨盤を左右から引っ張りあって支えていることになります。
大腰筋同様、この筋肉の筋力の左右差が激しい場合は「骨盤の歪み」につながることは簡単に想像できると思います。
腸腰筋とランの関係
次に今日の本題である腸腰筋が、実際走っている時にどのように働くのか?についてですが・・・
まず、走っている時に身体の内部にある腸腰筋の筋肉の働きを調べるのって実はかなり大変なんです!(^^;
そんな大変な腸腰筋の働きを1997年にAndersson et al が報告した研究結果から書こうと思います。
まず、こちらのAndersson et al の報告した表をごらんください。

この表は、秒速4mで走っている時の腸腰筋の筋肉の収縮のタイミングとその時の股関節の角度を示したものです。
この表からわかることは、大腰筋、腸骨筋共に股関節の屈曲開始より「かなり早い段階」・・
すなわち股関節が伸展している時(足が後ろに流れている時)から活動を開始しているのです。
あれ?
足を上げる時に(股関節が屈曲するとき)使われる筋肉だよね?
なんで?・・・と思われるかもですが・・・
さらに大腰筋に関しては、腸骨筋とは別に早い段階でもうひと活動しているのがわかります。
この大腰筋の働きに関しては「体幹の安定」に使われていると考えられています。
あれ?
足を上げる時に(股関節が屈曲するとき)使われる筋肉だよね?
なんで?・・・と思われるかもですが(^^;
まず、足を上げる・・・・って、これ筋トレの感覚なんですよね(^^;
どういうことかというと、ベンチプレスであれば、上半身を「固定」して動作するので、胸・肩・上腕三頭筋を収縮させてバーベルを挙上することになります
それに対して走っている時って、上半身てどこかに固定されているでしょうか?
されているなら、腸腰筋が収縮することによって足は上がります。
でも走っている時に上半身はどこかに固定なんかされていないですよね(^^;
すると何かで支えなければならなくなるわけで、足を上げるのと同様に「足から見て」「上半身を下に引っ張る」ようにします。
前のページで話したように、まるでマストをロープで下から引っ張って固定するように上半身を安定させるのです。
何せ「走る」という、上半身にとっても色々な方向から力が入力されますので、いろいろと固定させる必要があるのです。
さらに早い段階で活動しているということは、腸腰筋が引っ張られている(股関節が伸びている)段階でパワーの発揮がされています。
足を上げる動作以前にすでにパワーが発揮されている・・・
言い換えれば筋肉が伸びながら力を発揮している・・・・
この状態を、筋トレの世界では「エキセントリック」と言います。
そして筋肉のパワーの発揮はこのエキセントリックの時が最も筋肉のパワーが発揮されます。
筋肉が伸ばされながらパワーを最大に発揮しておいて、そのパワーを今度は収縮局面に活かしているようにも思えますね(^^)
ちなみに、秒速速5mでは腸腰筋の活動のタイミングは秒速4mとほぼ同様で、秒速6mになると腸骨筋のみの報告ですが少しタイミングがさらに早まるそうです。
そして、それ以上速い走行速度での腸腰筋の活動を測るのは技術的に困難であるとのことです。
んー、やっぱり難しいんですね(^^;
走っている時の腸腰筋は、上半身を固定させる役割も果たしつつ、さらにあらかじめエキセントリック状態(筋肉が伸ばされていっている時)の時に活動を開始し、持っているパワーを最大に発揮しておいてから足を素早く上げています!
んー・・・よくできてるなあ(^^)
腸腰筋のトレーニングとしては、
- 股関節が伸展しているポジション
- 「エキセントリック」な状態
のトレーニングすることにより、より「走る時のための腸腰筋を強くする」トレーニングに役立てられると考えられます。
具体的な例としては、腹筋台を使って足の位置を身体より低いところまで降ろせる(股関節が伸びきる)ポジションまで足を下ろして行う、足上げ腹筋( レッグレイズ)がこれにあたるでしょう。
ランのために腸腰筋を鍛えたい!という方は、よろしければご参考にしてください(^^)
