しゃがみこみの深さとジャンプ高と使う筋肉の違いについて
ジャンプの前にしゃがみ込む動作の速さや深さが大切だという事を前のページでご紹介しましたが・・
しかし、このしゃがみこみの深さと「使う筋肉が微妙に違う」ということに、着目できる方は少ないと思います。
そして「使う筋肉が違うば鍛え方も違う」ということに繋がっていきます。
ここではこの辺について色々とお話したいと思います。
データ参照元 日本トレーニング指導者協会JATI Express
しゃがみこみの深さと筋肉について
では、まずしゃがみこみの角度についてですが、次の図をご覧ください。

真ん中がP3となっていますが、これより角度が浅くなっていくとP2、P1と角度が浅くなったていき、角度が深くなるとP4、P5となっていくと思ってください。
まず、ジャンプの高さですが、研究によると、P3に比べて、P2、P1と角度が浅くなっていくことにより、ジャンプの高さは優位に低くなっていくようです。
その高さは
- P1 36±6cm
- P2 40±5cm
- P3 41±5cm
というものでした。
これに対して、角度が深くなっていくとどうなるのか?ですが
- P4 42±5cm
- P5 43±5cm
と平均値においては、深くなるほど高くジャンプできるという結果が出たそうです。
ただ、±が示す通り、個人差があるのも事実です。
万人が深くしゃがめばしゃがむほど高くジャンプできるのか?と言えば、それは「そのひとの筋力による」ということが言えると思います。
これは深くしゃがんでも、そこから身体を素早く押し上げられる「パワー」が必要だということです(^^)
「しゃがみこみ角度と使われる筋肉」にどのような違いがあるのか?
ては次に「しゃがみこみ角度と使われる筋肉」にどのような違いがあるのか?ですが・・・
ジャンプする時に主に使われる筋肉は、
- 股関節周辺の筋肉(主にお尻の筋肉)
- 膝周りの筋肉(主に太ももの前部(大腿四頭筋)の筋肉)
- 足首の周りの筋肉(主にふくらはぎの筋肉)
です。
まず、P2、P1というように膝の角度が浅くなるにつれどんな筋肉が主に使われていくのか?ですが・・・
これは膝間接から下の足首の関節周辺(主にふくらはぎの筋肉)の筋肉の使用割合が大きくなっていきます。
さらに使用割合だけでなく、筋肉が使われる順番も、P3やP5などよりも早いタイミングでふくらはぎ周辺の筋肉が活動します。
それでは逆にしゃがみこみが深いとどうなるのか?です。
これは、今度は膝間接から上の股関節周辺の筋肉(主にお尻の筋肉)の使用割合が大きくなるようです。
さらに使用されていくタイミングも同様で、股関節周辺の筋肉→膝間接周辺の筋肉→足首(ふくらはぎ)周辺の筋肉の順で使用されていきます。
ジャンプに対して貢献度も、
- しゃがみこみが浅いジャンプフォームの場合足首の関節周辺の筋肉の貢献度が大きく
- しゃがみこみの深いジャンプフォームだと、股関節周辺の筋肉の貢献度が大きく
なります
しゃがみの角度によって、ジャンプの高さや、使われる筋肉、さらにそれらの筋肉のジャンプに対する貢献度は色々と変わってきます。
スポーツによっては、しゃがみこみの角度というのはそれぞれ若干の違いがあると思いますが、これにより、自分がどの筋肉を主に鍛えたらいいのかの一つの参考になるのではないでしょうか?
「ジャンプ時のしゃがみこみ&反動別、ジャンプ高の違いについて」
さらにこのしゃがみ込む動作に「反動」をつけたらどうなるのか?についていろいろお話をしたいと思います。
前のページでご紹介した、しゃがみ込む「深さ」ですが、これらには反動はつけられていませんでした。
つまり、通常のジャンプと言うのは、一旦下にしゃがんでからジャンプするものの、それはまさに「反動的」に、勢いよくしゃがんでからジャンプをする動作になると思います。
それに対して、先ほど述べた研究は、しゃがみ込んだら「一旦そこで静止」し、そこからジャンプするというちょっと実戦とはちがう形でのジャンプの研究だったんです。
なぜそんなことをするのかと言うと、これはシンプルに「しゃがみ込みの深さ」に対しての研究をしたかったからです。
つまり、同じ深さにしゃがんでも、そこに到るまでのスピードがそれぞれちがったら、しゃがみ込む深さと言う要因に「しゃがみこむスピード」と言う要員が加わるため、純粋に「しゃがみこむ深さ」の研究にならなくなるからです。
しかし、今回は「しゃがみこむ深さ」プラス「反動」・・・
すなわちしゃがみ込むスピードと言う要員が加わるので、より実践に近い形での研究となるわけです。
反動をつけたらどうなったのかというと・・・
まず、皆さん想像しやすいところからですが、反動をつけた場合で、しゃがみこみの深いジャンプとの場合と、しゃがみ込みの浅いジャンプを比べると・・・
当然のようですが、しゃがみ込みの深いジャンプの方が高く飛べるという結果が出ています。
また当然のことですが、しゃがんだ状態で一旦静止するジャンプと、反動をつけたジャンプ場合のジャンプの高さを較べても、反動をつけた方が高く飛べると言う結果が出ている様です。
まあ、この辺は誰でも簡単に想像できると思いますが・・・(^^;
問題はこの次です。
しゃがみこみの小さいジャンプにおける、反動をつけた場合とそうでない場合のジャンプの高さを比べたら、その差は14.5±5.3cmであったそうです。
これが、しゃがみ込みの深いジャンプになると6.9±2.8cmとなります。
これはどう言うことか?
つまり、反動をつけた場合のジャンプにおいて、しゃがみこみの小さいジャンプの方がその差は大きいと言うことになります。
これは、しゃがみ込みの小さいジャンプでは、単純に筋肉の収縮力だけでは、ジャンプの高さを稼ぎづらくジャンプの高さは低くなります。
そのため「反動」の力を借りたときの「力の増強効果」が、しゃがみこみの浅いジャンプのほうが高いのです。
これに対して、しゃがみ込みの深いジャンプにおいては、筋肉の収縮力だけでもそれなりにジャンプの高さは確保出来ます。
そのため、反動による増強効果の割合が少なくなるのです。
これらの事が何を指し示しているのか?ですが・・・・
スポーツによって、しゃがみこみの深さは微妙に異ります。
たとえば、バレーボールとバスケットボールを比べると、バレーボールは比較的深くしゃがみ込むことができます。
飛んで来るボールにタイミングをあわせて跳べるためです。
それに対してバスケットボールだと、相手のディフェンスがある為、それほど深くしゃがんでしまっては相手に「これからジャンプします」とばれてしまいますよね(^^;
そのため、比較的浅いしゃがみ込みでジャンプするシーンが増えると思います。
浅いしゃがみ込みでジャンプ力を稼ぐ為には、筋力トレーニングもさることながら、より「反動」をうまく使えるようにする事がジャンプ力向上の鍵となります。
その為、プライオメトリックトレーニングと言う、各種ジャンプ系のドリルがより大切になってきます。
