競技者必見! ふくらはぎの筋トレを筋電図で見てみると・・・
皆さんこんにちは
パーソナルトレーナー野上です
今日は、スポーツをしている方にはとても大事な「ふくらはぎ」の筋トレについて、筋電図で解説された早稲田大学 大学院人間科学研究科の論文をもとにお話をしていきたいと思います。
まずふくらはぎの筋肉を説明すると、ふくらはぎの膨らみを形成する筋肉は「腓腹筋」という筋肉です。
そしてこの腓腹筋と足の骨の間に隠れるように薄くあるのが「ヒラメ筋」といわれるものです。
これらはそれぞれ役割があり、立っているときのような場合は主に「ヒラメ筋」が活動しています。
それに対しダッシュやジャンプなどの高い出力が必要なときには、「腓腹筋」の活動が高くなります。
そして、ふくらはぎを鍛える筋トレの種類です。
もっとも一般的なのは「カーフレイズ」といって、立った状態で背伸びをするように足首を伸ばし、この過程でバーベルやダンベルなどをもって負荷をかける種目があります。
あとは「ドンキーカーフレイズ」といって、上体を腰からくの字のように前傾させ、腰のあたりに人をのせて負荷をかけてカーフレイズをする種目もあります。
またマシンでは、座った上体で太ももの上にパットをのせ負荷をかけて行う「シーテッドカーフレイズ」などが代表種目です。
またレッグプレスのマシンにつま先だけで押す「カーフプレス」という種目もあります。
また細かいようですが、つま先の向きはまっすぐ行うのが基本ですが、わざと内向き、外向きにしてふくらはぎの筋肉の使用箇所を変えるという手法もあります。
で、実際それぞれでどういう変化があるのか?というのを筋電図で解析した研究があるのですが、それをみると・・・・
- 腓腹筋内側頭においては,つま先の向きに関係なく膝関節伸展位で行うスタンディング・カーフレイズ,ドンキー・カーフレイズおよびカーフプレスは膝関節屈曲位で行うシーテッ ド・カーフレイズよりも有意に大きい放電をもたらした.
- 腓腹筋外側頭とヒラメ筋においては, つま先の向きに関係なく試行様式による有意差は見い出されなかった.
ということです。
通常腓腹筋というのは、フィットネスの世界では、普通のカーフレイズのように膝が伸びた上体で行うトレーニングは腓腹筋への負荷が強いと言われています。
まさにその結果通りということになります。
ちょっと意外なのは、つま先の向きはほとんど関係ないんですね!
次に・・・
- 腓腹筋内側頭では,ドンキー・カーフレイズにおいて、つま先平行とつま先外向きはつま先 内向きよりも有意に大きい筋放電が得られた。
- その他の種目間には差は見られなかった.
- また腓腹筋外側頭とヒラメ筋ではすべての種目においてつま先の向きによる差は見られなかった。
というものでした。
これもある程度は僕的には納得です。
つま先が外側で腓腹筋の内側が鍛えられるというのは、動作の延長線上にある筋肉が鍛えられるという原則そのままになるからです。
- 局面の比較から各筋ともに背屈に比べて底屈において高い値を示す傾向が見られた.
背屈というのはつま先を返すことで、底屈というのは足首を伸ばすことです。
これも筋肉が収縮している局面である底屈の方が筋電図が高いスコアを出したことは納得です。
ふくらはぎの場合、ボディビルダーでもない限り、ふくらはぎの外や内といった細かい場所別に鍛えたいという方はあまりいないと思いますが、今回の論文ではつま先のむきはあまり関係がないというのがわかったことことが参考になる方も多いのはないでしょうか?
僕はカーフ系の種目はあまりつま先を外や内で指導することはなく、まっすぐを基本に指導しています。
なぜならあまり不必要に膝に「ねじり」をいれて負荷をかけてトレーニングすることを良しと思っていないからです。
また、フィットネスの世界では「ヒラメ筋」に関しては、膝を曲げた上体で行うシーテッドカーフレイズが、膝を伸ばして行う種目より効くとされているのです。
しかしこの論文では腓腹筋の内側のみにしかその差がみられなかったということでちょっと微妙な感じになりました(^^;
ふくらはぎ・・・最初に書きましたが地味ですが競技をしている方にはとても大事な部分です!
今回の報告をいろいろと参考にして自身のトレーニングに反映させてください(^^)
ではでは!