皆さんこんにちは
パーソナルトレーナーの野上です
今日は「めっちゃ大事! クリーンの真実!」というテーマでお届けしたいと思います。
みなさん・・・クリーンやってます?
ちなみに、クリーンというはバーベルを思いっきり瞬間的に引き上げて手首と腕をくるっと返して胸の上のあたりでキャッチするエクササイズです。
床から思いっきりあげるパワークリーンという種目や、膝の高さまであらかじめ挙上しておいてそこからあげるハングクリーンというバリエーションがあります。
キャッチしてから頭の上まで腕を伸ばしてあげるのはジャークと言われるものですね(^^)
ジャークはオリンピックの種目にもなっていますので、テレビで見た方も多いと思います(^^)
そう、・・・・見たことはあっても・・・・
このクリーンを普段のトレーニングに取り入れている方っていますか?(^^;
ちなみに、僕はティップネスさんを関東全店トレーニング巡りしたり、そのほかにも今までかなりの数のスポーツクラブでトレーニングしてまいりましたが・・・・
クリーンをやっている方って一人も見たことがありません(^^;
ちなみに僕も、クリーン系エクササイズの指導は今まで数人の指導に止まります。
なぜかというと、このトレーニングはボディメイク・・
つまり「いい体にしたい!」という場合のトレーニングではあまり必要ないからです。
スタジオのパンプ系エクササイズではよくこれをしているのを見かけますが、クリーンエクササイズの本来の目的でやっているというより、ちょっと全身を刺激してあげているだけのように思います。
しかし、もう一度言いますが、クリーン系エクササイズはほぼあらゆるスポーツに必要なエクササイズであると断言できます!
スポーツをしている方にはぜひ普段のトレーニングに「クリーン系エクササイズ」を取り入れることを強くお勧めします! いやほんとマジで!!
ではなぜお勧めなのか?ですが・・・・
「パワー」について
みなさん「パワー」って知っていますか?
いやいや、知ってるよ・・パワーでしょ?
という方も多いと思いますが(^^;
トレーナーの世界でのパワーにはれっきとした定義があります。
力があれば=パワーがあるかというと・・・
トレーナーの世界ではそうはみなしません!
簡単に表現すると「力×スピード」の合計値が「パワー」とみなします。
たとえぱベンチプレスをめっちゃ重い重さでやっている・・・
力は確かにすごいです。
でもそれがめっちゃゆっくりの速度で行われていたら・・
パワーは「力×スピード」なので、力はいくら大きくても、もう一つのスピードの値が少ないので、この場合「発揮されているパワーは少ない」のです。
例えばこの場合、力は100 スピードは1とした場合100×1で合計値は100です。
次に、何も持たずに力を抜いて素早くパンチする・・・
スピードはすごいですが、この場合力が入っていないので、これまた発揮されている「パワー」は少ないです。
力は1、スピードが100として1×100でこの場合も発揮されているパワーは100とみなします。
では次にベンチプレスは半分の重さで思いっきり速く上げたとします。
スピードも何も持たないときの半分程度しか出ていない・・
この場合、力は50、スピードも50として50×50で、発揮されるパワーは・・・・
何と2500!!
えーっと・・・これはみなさんにわかりやすくするように、数字は「例え」ですので、正確にはこの数値ではないのですが・・(^^;
雰囲気は伝わっているのではないでしょうか?(^^)
実際の数値を言うとベンチプレス100kgがマックスの人が100kgを上げている時で発揮されるパワーを1とします。
そういう方は大抵50kgから70kgを思いっきり速く上げている時が、最も発揮されているパワーは高いのです。
その差は何と100kgを上げている時の4倍近くに上ります。
もう一度言いますが、重いものを素早く動かす能力・・・これが「パワー」です。
低速パワーと高速パワー
しかし、そのパワーにも実は色々とあります。
相撲の立会い、ラグビーのスクラムのように「力は大きい」もののスピードが遅い(遅くならざるをえない)「低速パワー」というものがあります。
逆に「野球の投球」「卓球やテニスのスマッシュ」「スプリント」などは、かかる負荷は比較的軽いものの、スピードは早い「高速パワー」というものもあります。
テニスのラケットなんて軽いじゃんと思われるかもですが、重量物である以上「力×スピード」の法則にちゃんと乗っかるわけです。
スポーツではどんなに軽い負荷であっても「負荷がかかっている状態のもの」を「いかに速く動かせるか?」が勝負のポイントにあります。
みなさんが俗に「スピード」と言っているものは、実は負荷がかかっているものであればそれは「いかにパワーが発揮されているか」の賜物であるとも言えます。
スポーツにおけるパワー
じゃあ、そのスポーツ特有の「バワー」だけ鍛えておけばいいんじゃね?
と思われるかもですが、ここがそんなに簡単にはいかないところなんです。
力を重視したバワーやスピードを重視したパワーがいくら必要なスポーツだからといって、その特性に応じた負荷ばかりでトレーニングすることが実践的なバワートレーニングにつながるとは限りません。
研究では一つの動作の中には、必ず低速パワーと高速パワーの二つが存在し、その両方が必要だと言われています。
実際の実験でも、低速パワーと高速パワーの両方をトレーニングしたほうが、片方だけトレーニングしているよりも、パワーは向上することが明らかになっています。
その「パワー」を向上させるために最も適しているのが「クリーン系」のエクササイズなんです!
なぜクリーンが適しているのか?
まず、より実践的な「パワー」トレーニングを行う場合には、
- 1RMの80%以上の高負荷低速トレーニング
- 1RMの3~40%程度の低負荷高速トレーニング
の両方のトレーニングを行う必要があります。
(1RMとは、1回扱えるギリギリの負荷のこと)
しかし、仮に時間的な制約や選手の体力レベル、トレーニング経験などで、両方の負荷でトレーニングを行うのが困難な場合もあります。
そういう場合は各エクササイズで最大「パワー」が発揮される強度を選択してトレーニングすることが望ましいと言われています。
これは例えば筋トレで言えばベンチフレスやスクワットを「1RMの50~70%の重さ」で「最大スピード」で行うことを意味します。
しかし、ちょっと考えて見てください。
ベンチプレス・スクワット・・・手や足が伸びきったときって・・・
当然動作が止まるときですよね?
どういうことかというと、いくらベンチプレスやスクワットでスピードをつけようと、初動でいくらスピードをつけても、フィニッシュ付近・・
正確にはもっと手前で「減速」していかなければならないんです。
そうしないと「止まらない」ですよね?
つまり「重いものを速く」動かそうとしても、その「加速している距離」は、案外短いものなんです。
その加速している距離を少しでも伸ばすためにはどうすればいいのか?というと、負荷がかかっている物(バーベルや自分の体重)を移動させる距離をできるだけ長く取るようにするんです。
いやいや、バーベルとか持ってるし、スクワットの距離伸ばすなんてどうすんの?
僕足短いんですけど?(失礼(^^; ) と思われるかもですが・・・
なので、バーベルを持った「スクワットジャンプ」というトレーニングに進んでいくんです。
これだと足を伸ばしていくにしたがって減速していくのではなく、伸ばしきるギリギリまで加速できます!
・・・あとはそのまま飛んじゃうので(^^)
腕もそうです。
バーベルを押して投げるのはとてもお勧めできないですが(^^;
(絶対やっちゃダメですよ!!)
スミスマシンやジムのマシンなど軌道が固定されているものでは「投げる」ことは可能です。
もちろんちゃんと受け止めて、その時は肘や腕全体でショックを吸収してください!
(実はこの吸収する動作もすごく大切なトレーニング)
もしくは「腕立てでジャンプ」です!
クリーン
そして、その究極の形が「クリーン」です。
(スナッチはさらに究極と言える)
クリーンは床から胸の上部までバーベルが移動します。
重量物の移動距離が長いので加速させている時間が多く取れます。
そして上記の理由により、クリーンを指導する時に僕は「ジャンプするように動作する」よう指導しています。
なんなら勢いつけて足を伸ばしたときに飛んでもいいですよくらいに言っています。
(あくまでスポーツ用の瞬発力向上トレーニングなので、バーベルの下に潜り込むテクニックをわざと使わせないためでもあります・・・・)
床からあげるパワークリーンに関しては1RMの80%で行うことが推奨されています。
ぜひ「重いものを素早く」そして「できるだけ長く加速させる」トレーニングで「パワー」を養うようにしてください(^^)
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次のページは、今ちょっと触れた「バーベルの下に潜り込むテクニックをわざと使わせないため」と言う、このクリーンの「テクニックとトレーニング目的の矛盾」について語ろうと思います。