身体が柔らかいとスポーツパフォーマンスは必ず上がる?
みなさんこんにちは
パーソナルトレーナーの野上です。
今日はスポーツにおけるストレッチの危険な側面をご紹介したいと思います。
危険といっても怪我の危険とは違います。
パフォーマンスの低下という意味での危険です。
今日はこの点についてご紹介していきたいと思います。
スタティックストレッチ
スタティックストレッチというストレッチがあります。
これは静的ストレッチといって、じっとしながらゆっくりと関節稼働域を広げる事を目的とするストレッチです。
かなりポピュラーな、一般の皆さんがストレッチと効けばまず一番に想像するストレッチだと思います。
で、なにがパフォーマンス低下かというと、この「ゆっくり」という所がキーワードなんです。
なぜ「ゆっくり」行うのかというと勢いをつけて筋肉を伸ばそうとすると「伸張反射」という反射がおこり筋肉を収縮させようとする働きが筋肉に起こってしまうのです。
伸ばしたいのに収縮しちゃ伸びる物も伸びないということで、この「伸張反射」を起こさない為に「ゆっくり」と筋肉をだましだまししながら伸ばしていきます。
これを続けて行くとどうなるかというと、筋肉をだましているわけですからそのうちある程度の筋肉の長さまで筋肉を伸ばしても「伸張反射がおきない」状態になってしまうのです。
ここが問題です。
つまり勢いをつけて筋肉を伸ばしても、急激な筋肉の収縮の反射が起きないということになってしまうんです。
これですね・・・・あまりスポーツのパフォーマンス上はよろしくなかったりするんですよね。
なぜなら、人の身体は通常どんな動作でもこの「伸張反射」をつかって動作しているからです。
イスから起き上がる時ですら「よいしょ」と一旦身体を軽く前方に倒して、背中やお尻を少し伸ばして軽い伸張反射を誘って、立ち上がるのが普通です。
どの筋肉もゆっくりとしか動かさないで伸張反射を伴わないで立ち上がろうとするとただ立ち上がるのだけでも神経をつかいながら立ち上がらなければなりません。
伸張反射って実はかなり大事です。
ジャンプの時なんてこれの塊で飛んでいるようなものなので・・・。
筋肉をスタティックストレッチばかり行っていると身長反射が鈍ってしまってパフォーマンスが落ちてしまうケースがあるんです。
実際めちゃくちゃ身体が柔らかい方って、その筋肉が伸長している時に、伸びている筋肉を反射的に収縮させるのが苦手な方ってけっこういたりします。
力の入れどころがわからないみたいになるんですが、これは伸張反射を誘因出来ないケースです。
ストレッチと怪我の関係について
柔軟性が高いと怪我をしづらいと良く言われますが、実はこれもある程度を超えて柔軟性が高まると逆に怪我のリスクが高まったり重篤化するケースも考えられます。
いままで伸びなかった領域迄筋肉が伸ばされた所で意図しない外からの強烈な負荷がかかって怪我をしたら、伸びきった所での受傷なので怪我の重篤化につながる可能性が高いのです。
バレエや、体操、相撲などの柔軟性が特別に必要なケースを除き「ある程度」の柔軟性の向上は大切ですが、過度に柔らかすぎる身体をもとめるかどうかは、いろいろ考えた方がいいです。
ぜひ皆さんがおこなっているスポーツにある程度必要な柔軟性はどれくらいか?というのを判断していただき、それに必要なストレッチを適量に導入してみて下さい
実際のQ&Aをご紹介
尽きせにみなさまとのやりとりをご紹介したいと思います。
というやり取りでした(^^)
柔軟性って、結構誤解が多いんですよね(^^;
まず身体が柔らかいとスポーツパフォーマンスは必ず上がると信じている方結構多いです(^^;
もしくは身体が柔らかい方が怪我をしづらいと・・・・・
身体の柔軟性ですが「ある程度柔らかい」方がいいのは間違いありません。
ただ、この答えにも言ったようにその人の柔軟性と行っているスポーツの兼ね合いがとても大事です。
先ほど述べたように「必要以上に身体が柔らかいとスポーツパフォーマンスは概ね「下がる」」と思っていただいていいと思います。
「必要以上」にです。
そして、もう一つの問題は「スポーツによって必要な柔軟性は異なってくる」ものです。
バレエなどはひたすら極限の柔軟性が求められます。
キックのある打撃系格闘技もハイキックを打たなければならない場面もあるので、かなりの股関節の柔軟性が求められます。
しかし同じキックでも、腰から上に足を上げることがほとんどないサッカーなどでは、バレエや打撃系の格闘家ほどの柔軟性は必要ではありません。
なのでサッカー選手がバレエダンサーのような柔らかさを求めてしまうと、筋肉の伸張反射が鈍くなり、反射を使った素早い切り替えしやフェイントがかけられなくなったりするのです。
ちょっとまとめると
- 柔軟性が高くなりすぎると、いざ怪我をするような場面になった場合、その大きな可動域を超えて負荷がかかる場合が考えられるので、より重症な怪我を起こしやすくなる側面がある
- 伸張反射が使えなくなると、筋肉そのものでパワーを発揮しなくていけなくなるので、筋肉自体の疲労の度合いが高くなり、筋肉の痙攣も起こりやすくなる可能性が高い
です。
身体がある程度硬いと筋肉がちょっと伸ばされただけでもすぐに筋肉が「やべっ、筋肉硬いからすぐに縮まないと怪我するぞ!」と、伸張反射が起こりやすくなり、結果パワーの発揮が容易だったりするんです(^^)
もちろん伸張反射がパフォーマンスの全てではないですし、大きな可動域がパワーを発揮することももちろんあります。
なので、そのスポーツに必要な柔軟性の領域を把握するのはとても大切なことなんです。
関連ブログ記事 【重要】足首は柔らかい方がいいのか?のホントの所
最後にちょっと哲学的?
まずストレッチにおける柔軟性の向上についてです。
多くの方は動作能力を上げる為には柔軟性を極限レベルまで引き上げなければならないと思っている方も多いと思います。
実はこれはあまり正確ではないんです。
通常スポーツの世界において、柔軟性の高さがそのまま成功の直接的な要因になる事はほとんどありません。
効果的な動作の能力は、動作のコーディネーションを含めた筋力に依存しており、柔軟である事は一定の状況下でこの能力を高めることを可能にします。
要するに柔軟性のトレーニングの目的はプレイヤーの関節の安定性が失われる所迄稼働域を広げる事ではなく、むしろより有効な動作のコントロールができるように柔軟性と結びついた筋力を獲得させることが大切になります。
んー、難しいですね!(笑)
ちなみに柔軟性が不要であるとか、そういうことをいいたいことではなく、もちろん障害予防としてある程度の柔軟性を高める事はとても必要です。
ただアスリートの場合ストレッチにあまりにも極限レベルの柔軟性を得ようとして時間をかけすぎてしまうのはいかがなものかという事なんです。
必要ではあります!ただし、もちろんそれだけではダメで、他のトレーニングの時間とのバランスを考えなければなりません。
要するに少なすぎてもダメですし、また不必要なまでに多すぎてもダメなんです。
少なすぎてダメは皆さん感覚的に分かると思うのですが、多すぎてもストレッチならありと思う方がわりと多いと思いますが、それは競技とのバランスをみて実施すべきだと言う事なんです。
動作のパフォーマンスがどれくらいの柔軟性を必要とするのか?、どのくらいの柔軟性があればそのスポーツの障害が予防できるのか?という観点でストレッチを見るのもたまには良いのではないでしょうか?
ただし、ほとんどの方はそのレベル迄柔軟性が足りていないのも実情なので、そういう自覚がある方はしっかりとストレッチを行なうようにしましょう!
色々と書きましたが、よろしければ是非ご参考にしてください!
ではでは!
