ベンチプレスの注意点
みなさんこんばんは!
パーソナルトレーナーの野上です
今回はベンチプレス!について色々と書きたいと思います(^^)
筋トレする場合は、やっぱり胸は「ベンチプレス」から入るのが王道です。
胸を鍛えたい!!という場合、マシントレーニング、ダンベルトレーニング、腕立て伏せのような自重トレーニングなどでももちろん良いのですが、パワーアップしたい!胸の筋肉を付けたい!という事であれば、僕はいつもお客様には、バーベルのベンチプレスを行う事をお勧しています。
注意点その1 手の幅
ここで、まず気をつけていただきたいのは「手の幅」です。
まず初心者にありがちなのが「狭く」持ってしまう方が多いです。
次にちょっと慣れて来ると、今度は「広く」もってしまう方が圧倒的に多くなります(^^;
ではベストはどこかというとラックアップした状態(バーを腕を伸ばしてラックから離し、腕を伸ばした状態)から、肘を少し曲げた時に、上腕の骨が「地面と垂直なる手幅がある」ポジションがベストです。
この手幅だとこのまま肘を曲げていき、バーが胸につく迄上腕の角度はほとんど手の幅が変わらず地面とほぼ垂直を維持できます。
前腕が地面と垂直の時間が長いと、肩の「怪我」の予防に非常に役立ちます。
注意点その2 バーを胸につくまで必ず下ろす
ベンチプレス初心者に指導する時に僕が絶対に言う事があります。
それは「バーを降ろすときは胸に必ずバーをつける」です。
実際に現場では胸に降ろすポイントを指で指して(触れて)「ここまで必ず降ろして下さい!」と念を入れて指導いたします。
ベンチプレスは、主に3つの筋肉を使用します。
それは「胸」「肩」「上腕三頭筋」です。
そしてあまり知られていない事ですが、ベンチプレスを降ろして上げる中で、実はこの3つの筋肉は使用される割合が変わってきます。
バーを降ろしていきバーが胸についたポジションから15cmくらい迄の高さに上げる時に最も使われている筋肉は「胸」の筋肉です。
その後、俗に言うスティッキングポイント(ベンチプレスで挙上が止まりやすくなるポイント)付近では「肩」の使用される割合が高くなります。
最後に腕を伸ばしきる動作の時に上腕三頭筋が使用される割合が高くなります。
つまりバーを降ろしきらないで途中で止めて上げてしまうと「肩」や「上腕三頭筋」が主なトレーニングとなってしまい、ベンチプレスで一番使いたい主動筋である「胸」には刺激があまり入らなくなってしまうんです。
すると胸を鍛えたいのに本末転倒なエクササイズになってしまいます(^^;
必ず「胸にバーが触れる迄バーを降ろして」ベンチプレスするようにしましょう!
注意点 その3 呼吸法
筋トレ時にとくに重い重量をもってトレーニングする場合の一般的な呼吸法はスティッキングポイント、すなわちウェイトを上げる時に一番重く感じるポイントで息を吐き、ウェイトをおろすときに息を吸うという方法があります。
「エクササイズ中のきつい局面では息を吐き、比較的楽な場面では息を吸う」ということです。
この呼吸法は筋トレ時の呼吸法として一番の基本になります。
・・・・・そう・・・・基本はです。
次は基本ではない方法、バルサルバ法という「呼吸をとめる」やり方についてちょっとご紹介したいと思います!
これは筋トレの動作中の挙上の一番きついポイントでいったん呼吸を止め、そこのポイントをすぎたら息を吐くという呼吸法です。
この呼吸法は、レジスタンストレーニングの経験があり、ストラクチュルエクササイズ・・・要するに脊柱に負担がかかるスクワットや、下背部に負担のかかるデッドリフト、ベントオーバーローイング、ショルダープレスなどのエクササイズを行なう時に有効なテクニックです。
この呼吸法をおこなうと、横隔膜および体幹の深部筋が収縮し、腹腔内圧が上昇し、エクササイズを行なう上で脊柱にかかる圧縮力、および他の筋群の関与が減少します。
その結果、エクササイズ中の正しい姿勢やアライメントを保持しやすくなるのです。
ただしこの呼吸法は、胸部への圧力を増し、心臓にかかる圧縮力を大きくする為動脈還流を困難にするという望ましくない結果を生み出します。
結果、瞬間的な血圧の上昇、めまい、急速な疲労、ふらつき、を起こす可能性が高くなるんです。
したがって、経験豊富なトレーニーの方でも息を止める時間は瞬間的(せいぜい1~2秒)であることが望ましいです。
また、当然なんらかの疾患があると思われるかたはこの呼吸法をすべきではありません。
本当に熟練した方が限られたエクササイズで行なうべき呼吸法が「バルサルバ法」です。
ただ逆に言えば高重量を扱えるほど熟練してきた場合はベンチプレス でも「あり」な呼吸法だと僕は思っています。
ちよっと気をつけなければならないバルサルバ法ですが、ご自身のベンチの使用重量を考慮しながら取り入れたい方はトライしてみて下さい
注意点その4 5ポイントコンタクト
ベンチプレスの「5ポイントコンタクト」についてです。
これはいくつかのフリーウェイトやマシーンでのエクササイズを行なう時の基本姿勢の事を言っています。
座位や仰臥位(仰向け)、の状態でおこなわれるエクササイズに関しては、5ポジションに気をつけましょう!という事です。
これは後頭部、上背部(肩)、下背部(臀部)、右足、左足の5箇所をシート、もしくは床にしっかりとつけます。
とくにベンチプレスの時に、慣れてくるとお尻がベンチ台から離れてしまうほどブリッジを行なう方がいらっしゃいます。
これはフォーム的にはもちろんよくありません!
この5ポイントをしっかりとシート、床につけてエクササイズを行なう事は基本です。
一度ちゃんと認識しておきましょう!
注意点 その5 背中を反らすな!!
たまに「ベンチプレスではあまり背中を反らさないように」という趣旨のつぶやきをするのですが、すると「なんでですか?」とか「ジムでよくいますよね」という返信をいただくことがあります。
ベンチプス・・・・・やっている方も多いと思います。
そして、やがてベンチプレスの動作にも慣れてきた・・・・扱う重量も伸びてきた・・・・しかし・・・・
やがて頭うちになってきた(TT)という体験をされた方も多いと思います。
これは俗に言う「神経系の伸び」が一段落した時に起こる現象です。
「神経系の伸び」とはなんですか?ですが・・・・
ベンチブレスやスクワットなどのような筋トレをしても、すぐに筋肉がつくわけではありません。
概ね筋肉が付いてくるのは3か月くらい掛かるというのが一般的に言われる期間です。
しかし3か月までの間ベンチブレスやスクワットが全く使用している重量が伸びないのか?というとそんなことはありません。
むしろ最初の方はかなり使用重量は伸びていくものです。
筋肉ついてないけど、重さは伸びる?・・・と不思議に思われる方も多いかもです。
これは筋肉に筋トレのような刺激を入れと「今まで100ある筋肉のうちの10しか使えていなかった」状態から「100あるうちの15くらいは筋肉が使えるようになった」というような現象が起こります。
要するに、筋肉自体は大きくなっていなくても(100のまま)、それを使おうとする神経が伸びていって使える筋肉の領域を増やせるようになる(10から15に増える)のです。
これを「神経系の成長」と言います。
しかしこの成長は無限におこるわけでなくある一定のところで止まります。
そうすると、今まで使用重量が伸びていったのが急にストップ・・・つまり停滞してしまうようになるんですね。
しかし「そのままトレーニングしていけば」(ここ大事!)、自然と今度は筋肉が大きくなっていきます!!!
しかし人間とは欲深いものです(^^;
今までと同じように「もっと上げれるようになりたい」「できれば時間なんてかけたくなく、すぐに重いものを上げれるようになって友達に自慢したい!」と思う方がいます(^^;
・・・・しかし、重さはなかなか上がってくれない・・・・・
するとどういうことをし始めるようになるか?
よくみられるのは大抵この3パターンです。
- ベンチプレスの手幅を広くする
- 背中を反らしてベンチプレスをする
- バーを胸につけないでベンチプレスをする
です(^^;
ベンチプレスの手幅を広くすると、バーを胸に降ろしてから上げきるまでの「距離」が短くなります。
挙上に必要な「距離」が短くなるのですから、当然上げやすくなるのです。
これは「胸まで下ろさなくなる」にも共通です。
では背中を反らすのはなぜか?ですが「その方が発揮する力が強い」からです。
どういうことかというと、例えば皆さん、そのまま前方に「パンチ」してみてください(^^)
ここを基準に今度は「斜め上にパンチ」してみてください。
次は「真上にパンチ」してみてください(^^)
前にパンチはベンチプレス、斜め上にパンチはインクラインベンチプレス、真上にパンチはショルダープレスと言われる種目の腕のプレスする角度ですが・・・
この順番(ヘンチプレス→インクラインベンチプレス→ショルダープレス)の順番で普通は使用重量が軽くなっていくものです。
つまり腕の角度が肩を中心に上の方に押していけばいくほど「発揮できる力が弱くなる」のです。
そして反対はどうでしょう?
例えば皆さん小学校の時に机の上に手をついて、机と机の間で足を浮かせでぶらぶらしたり、移動しませんでしか?
腕に力のない子供でも「下方向」に腕を伸ばした場合自分の体重を簡単に支えることができます。
ベンチプレスで自分の体重なんて全く使えない・・という方(むしろ一般的な体力の方ならこれが普通)でも、ディッピングバーと言って、平行棒のような鉄棒に手を乗せて握り、自分の体を少しくらい上げ下げできる方はかなりいます。
つまり自分の体の「下方向」に対しては、人間は自然と力を発揮しやすい構造になっているんです。
人間は肩を中心に腕を伸ばしていく角度は「上方向にいけばいくほど弱く」「下方向にいけばいくほど強くなる」傾向にあります。
ちょっと考えてみてください。
身体を反らしてベンチプレスをするということは・・・・
自分の身体の角度に対して「下方向に腕を伸ばしているにすぎない」のです。
それでベンチプレスの使用重量が伸びたとしてもそれは「強くなった」のではなく「力の入る方向に角度を変えた」だけです。
トレーニングの原則に「鍛えていない能力は伸びることはない」という当たり前の原則があります。
下方向にばかり押していると「垂直方向には押していない」ので、その角度は「鍛えられていない」ことになります。
すると普通のベンチプレスの伸びが、まあ全く伸びないとまでは言いませんが普通にやっているよりは悪くなる可能性が高くなってしまうのです。
また「下方向」にばかり押していると胸の筋肉の下部分だけが発達してしまうので、ちょっとカッコ悪い胸の形になりやすくなります(^^;
重い重量に感覚を慣らす「重さ慣れ」としてわざと身体を反らして行うくらいはいいと思います。
また使用重量が重くなると多少なりとも背中は反ります。
しかし、その範囲は是非「5ポイントコンタクト」を超えることのないように行ってもらいたいなと思います(^^)
セット数と回数について
実際にベンチプレスを行う時の1セットの回数ですが、筋肥大を目的にした場合は6~8回くらいで行なう事を僕はいつもお勧めいたしております。
しかし、いきなり6~8回しか使えない重量を扱うと怪我の可能性が高くなります。
つまりアップが必要と言う事です。
アップは15回くらいできる重さで10回を1セット行い、そのあと10~12回くらい出来る重さで10回をもう1セットは行いましょう。
そしてメインセットに入ります。
6~8回できるギリギリの重さで、実際にギリギリ迄頑張って上げます。
しかもメインセットは1セットではダメです。
1分半から2分程のインターバルで最低3セットは実施したい所です。
つまりアップ2セット、メイン3セット、合計5セットくらいで行なうとよいと言う事です。
ちょっとまとめます!
ベンチプレスは1セットの回数は6~8回、セット数は3セット、アップは2セットくらい、しっかり胸迄バーを降ろし、適正な手幅でトレーニングを実施して下さい!
回数はアップは10~15回で実施、メインセットは6回~8回を1分半から2分間隔で3セット以上行うようにしましょう(^^)
色々書きましたが、ベンチプレスをこれからやっていきたい!!という方はよろしければご参考にしてください(^^)
ではでは!