スピード・アジリティ

青少年の身体の成長とスピード向上の関係について

2019年8月6日

青少年の身体の成長とスピード

皆さんこんにちは

パーソナルトレーナーの野上です

今日は「青少年の身体の成長とスピード向上の関係について」というテーマでお届けしたいと思います。

よーいドン!

の号令の後、運動会の徒競走を全力で走ったという経験は誰にでもあると思います。

学校の体力テストで、短距離のタイムを計ったこともみなさんあるでしょう。

毎年のようにそれを行っていると、子供の頃はどんどんタイムが上がっていったと思います。

これは、身体の成長と密接に関係があるのは誰にでも想像がつくと思います。

その証拠に身体の成長は成人につかづくに連れていつかは止まり、それに伴いやがてタイムの向上というのは見られなくなっていくのが普通だと思います。

ここで、こう思いませんか?

身体の成長と、短距離のスピード向上にどんな因果関係があるのか?・・と

身体の成長と、短距離のスピード向上にどんな因果関係があるのか?

短距離のタイムの向上と身体の成長は、非直線的に伸びてきます。

身体の成長は、20歳まで一定のスビードで伸びていくわけではありません。

成長期と言われる時期に急激に身長が伸び、それ以外の時期も伸びるには伸びるものの、その伸びというのは中学生くらいに訪れる成長期ほどではありません。

また、短距離のタイムの伸びもそうです。

小さい頃からタイムの伸びを見ていると、毎年同じような割合でタイムが縮んでいくことはありません。

ある年に一気にタイムが縮んだという経験をされた方がほとんどだと思います。

おっ・・・つまり、タイムの伸びと身体の成長は完全にリンクしているのか?なんてここで思う方も多いと思います。

思春期に成長のピークを迎える時期をPHVと呼びます。(Perk Height Velocity)

概ねこれは、12歳から縫う歳で迎える方が多いですが、もちろん人によってこれは個人差があります。

このPHVに対して、スプリントスピードの向上はどのようにリンクするのか?です。

これ完全に一致しているような気がする方も多いと思うのですが、実は研究によってバラバラだったりします(^^;

とある研究では、スプリントスピードの向上のピークはPHVの8〜18ヶ月前に生じるという研究があります。

しかし、別の研究ではスプリントスピートの向上のピークはPHVと全く同じであったという報告もあります。

そしてまた別の研究ではスプリントスピートの向上のピークはPHVの12ヶ月前には低下が見られたという報告も上がっているんです。

・・・・・ん?

つまり、あんまり変わんないってこと?

という感じですよね(^^;

この点からいうと、スプリントスピードの向上のピークは確かにPHVの前後に来ることは確かなものの、完全にリンクしているわけではないというくらいに捉えていた方が良いと思います。

たた、それでもスプリントスピードの向上のピークはPHVの前後に来ることは確かなので、その点は誤解のないようにしてください。

ただ、「具体的にいつ」というところまではっきりしていないというだけの話です。

スプリントスピードは何によって左右されるのか?

よく言われることは

  • ストライドの幅
  • ストライドのピッチの頻度

のどちらか、もしくは両方がスプリントスピードを構成する要素と言われます。

ストライドが大きくなればなるほどスピードは速くなり、ストライドのピッチの頻度が早く回転するようになればなるほど、これまたスプリントのスピードは速くなります。

この両方がPHVに合わせて伸びるから、スプリントのスピードも速くなっていくと普通は考えると思います。

ストライドの幅は、身体の成長とともに大きくなるのが自然ですし、ストライドのビッチに関しては、成長とともに増大する筋力によって速くなっていくと考えるのが自然です。

しかし、ここで一点頭に入れておかなければならないことがあるんです。

大人エリートクラスのスプリンターになると、このストライドの幅とストライドのピッチの頻度に関しては、どちらか片方に強く依存する傾向があります。

この両方とも同じように依存するというより、いわゆる「ストライド型」なのか「ピッチ型」なのかにタイプが別れていくと思っていただいて良いと思います。

では、話を戻して、成長期においてのスプリングスピードの向上は、果たしてストライドの幅とストライドのピッチの頻度は、どのように伸びていくのか?です。

これをPHVの前後で見ていくと面白い傾向が伺えます。

まずストライドの幅は、青少年期を通じて、どんどん伸びていく傾向にあります。

まあ、これは確かにわかることだと思います。

問題は、ストライドのピッチです。

これは諸説あり、まず、どこかの段階でストライドのピッチのスピードが遅くなる時期があり、そのため一時期スピードの向上は滞るという説があります。

また、別の説では、スドライドのピッチに関しては、ある時期を境に全く伸びす、スピードの向上は主にストライドの幅の伸びによって構成されるという説です。

これは、遊脚といって足が空中に浮いている時間が成長を通して変化が見られないという研究が数多くあることから推測されています。

ここでのポイントは、「筋力」です。

つまり成長期において、ある程度筋力が伴っていると、成長によるストライド幅の増大に伴う不可に耐えられ、ピッチの向上は見られないものの、少なくともピッチのスピードをキープできる子がいると考えられます。

逆に筋力がない子は、増大するストライド幅に対して、それを回転させる能力が追いつかず、ビッチのスピードが一時的に落ちてしまうということになります。

そういう子は身体は成長しているものの、スプリントのタイムの伸びが鈍くなってしまうのです。

成長期の子供に筋力トレーニングをさせたがらない大人も多いですが、こういう面から考えると、ある程度の筋力トレーニングが実はいかに大切かがわかるポイントでもあります。

成長期の筋力研究の成果についてご紹介

まず青少年における筋トレによる力の向上が10%向上すると、スプリントパフォーマンスが、1.6%〜4.2%向上したと言う報告があります。

また、面白い報告として、レジスデッドトーイングというトレーニングがあります。

一番わかりやすいのは、タイヤにロープをつけて腰に結んでひっばりながらダッシュするトレーニングを見たことがある方も多いと思いますが、要はあれです(^^)

このトレーニングを6週間に渡り実施したところまず、身体の最大成長期(PHV)前に実施した場合、スプリントパフォーマンスの向上は全く見られなかったそうです(^^;

しかし、最大成長期(PHV)を迎えた後の青少年グループにこのトレーニングを行わせたところ

  • スプリント速度
  • ストライド長
  • ストライド頻度
  • 脚及び垂直方向へのスティッフネス
  • 水平方向と垂直方向への力発揮能力とパワーの向上

などが見られたそうです。

んー・・・すごい!(^^)

この研究では、引っ張る抵抗の値は、自重によって変更させていたそうです。

すると体重に対する抵抗値の割合はみんな同じはずなのに、最大成長期(PHV)を迎える前の子供はスプリントスピードが50%も遅くなってしまったそうです。

体重対比が同じなのにこの結果は非常に興味深いと思います。

つまり、このトレーニングは、ただ単純に抵抗値を決めるだけではダメで、その子供の成長段階も含めて負荷設定をした方が、効果的であると言えるのです。

でもその子供が最大成長期(PHV)を迎えているのかどうかを判断するのはとても難しい問題です。

これは、コーチやトレーニーが、その子供の身長の伸びを3ヶ月ごとにモニターして記録することが大切だということこと、両親の身長やできれば、両親から話を聞いて、親がどのくらいの時期に最も身長が伸びたのか?などもコーチが把握しておくことが大切だと思われます。

成長段階によって、同じトレーニングを処方しても効果が出るものと、出にくいものがあるということを理解しなければなりません。

パワーの発揮能力

パワーとはただの力だけでなく「スピードを伴った力」のことを言うと思ってください。

この場合、瞬発力といっても良いかもしれないです。

瞬発力を向上させるトレーニングにはプライオメトリックトレーニングといって、各種ジャンプ系のトレーニングがその能力向上を目指すトレーニングとなります。

実際のデータとして、11歳のサッカー選手(PHV前)に6週間のプライオメトリックトレーニングを行わせたところ、最もこのトレーニングがスプリントパフォーマンスを向上させたそうです。

ここでのポイントはPHV(最大成長期)の「前」であると言う点です。

ご紹介したレジステッドトーイングはPHV(最大成長期)の後に効果的であり、その前の時期に行わせても効果が出なかったと言うことをご紹介しました。

しかし、プライオメトリックトレーニングに関しては、最大成長期を迎える前に行った場合に効果的であるとのことなので、PHV(最大成長期)の前後でこういったトレーニングの内容を変えていくことはとても大切であると言えます。

実際の数字をご紹介すると、ジャンプ中のパワーが10%増加すると、スプリントパフォーマンスが2%向上する可能性があるそうです。

ちなみに、このプライオメトリックトレーニングは、PHV(最大成長期)の後に実施しても効果的です。

別の研究で、12歳のPHV(最大成長期)の前のグループと、15歳PHV(最大成長期)の後のグループの両方にわずか4週間のプライオメトリックトレーニングを実施し両方のグループとも垂直方向のスティッフネス(剛性)が向上したそうです。

垂直方向のスティッフネスに関しては、8%ほどこの能力が向上すると、スプリントバフォーマンスは約1,3%の向上を見込めます。

こういったことから、PHV(最大成長期)の前にはプライオメトリックトレーニングを中心に行い、PHV(最大成長期)の後に一般的な筋トレやレジステッドトーイング系の種目を取り入れていくことが効果的であると言えます。

PHV(最大成長期)の前後では、トレーニングの内容に「効果があるもの」と「無いもの」を見極めて実施していくことはとても大切です。

限られた時間の中で、その子供の持っている能力を最大限に伸ばすためには、無駄なトレーニングをしている時間はありません。

「左右差」について

成長期において、身体の筋力に左右差が生まれるのは自然なことです。

利き腕、利き足、身体のひねりにまで「利き」が生じるのは当たり前と言えば当たり前の現象です。

実は、大人になって、フリーウェィトトレーニングなどをやっていると、どんどんこの左右差というのは少なくなっていきます。

ばじめてバーベルを使ったベンチプレス やスクワットを行うと、大抵の方が、バーベルが傾いたり、きつくなってくると利き腕でない方の腕が上がらなくなったりします。

しかし、トレーニング経験が豊富になっていけばいくほど、バーベルは傾かなくなっていき、最終的には「1回もあがらい」というところまで追い込まれても、左右の筋力差によってバーベルが傾くということはなくなっていきます。

逆に言うと成長期という、トレーニングの面から見ても明らかに「未熟」な身体を持っている子供が、筋肉の量に左右差が生まれるのは自然なことなのです。

では、どれくらいの左右差が見られるのか?です。

これは344名という結構な数の青少年少女を対象とした研究があります。

その研究によると、全ての年齢層に渡って、2.3%から12.6%の左右差が見られたと報告されています。

ただ、このこと自体に対しては特に問題視はしなくて大丈夫です!!(きっぱり!!)

そう・・・「自然」なことなのですから・・・

そのため、「この時点で」、左右差がスピードの向上に悪影響を及ぼすとうことは考えられていません。

また、この差が仮に縮まっていったとしても、スピードの向上に影響を与えるかどうかに関してはまだ研究段階では未知数と言わざるを得ません。

むしろ問題なのは次の視点です。

一般的には左右の筋力差は「自然レベルの範囲」であれば、スピードの向上に対してそれほど影響を与えないものの・・・・・

「自然なレベルの範囲を超えたら」、それは流石にスピード向上には悪影響を及ぼすと考えられています。

全力で走っていて、左右のストライドやビッチのスピードの左右差は、少なからず存在します。

ここで大切なのはその左右差が、年齢の向上や身体の成長とともに、「差が広がってないか?」という視点でフォームをチェックしていくことなのです。

また、この差を広げないためには、最大成長期後に、ある程度ウェィトトレーニングを実施していくことはとても有意義です。

前述したように、ウェイトトレーニングは、やり込んでいけばいくほど、左右の筋力の差は少なくなっていく傾向にあります。

この筋力、筋肉量の左右の均衡化は、当然、ダッシュ時のストライドやビッチの左右差を是正していくと考えられます。

成長期の子供に関してはそれほどナーバスに左右差があることを気にしなくて良いとは思いますが、「差がどんどなん広がってきている」「成長期後にさらに左右差をなくしていきたい」という方は、ぜひ基本的なウェィトトレーニングの導入を検討して見てはいかがでしょうか?

チッョトまとめてみたいと思います。

まず、成長期に合わせたトレーニングがどれくらい重要なのか?です。

これはある研究があって、3年間にわたって、ユースのサッカーアカデミーを対象として体系的なトレーニングを行ったところ、アカデミー群のほうがスピードの向上がはっきりみられたそうです。

その差はアカデミーは9%の向上だったのに対し、それ以外は4%の向上がみられたそうです。

トレーニングを行っていないグループも、身体の成長とともにそれなりにスピードは上がります。

問題はこの後で、この両グループをさらに3年間追跡して合計6年間通すとどうなったのか?ですが、アカデミー群とそれ以外のグループでは、スピードの向上は同等になってしまったそうです。

(約19%)

つまり、トレーニングによる影響が、身体の成長に伴うスピード向上により打ち消されてしまったのです。

それくらい青少年のスピード向上には。身体の成長というのは大きく影響を及ぼします。

したがって身体の成長に合わせたトレーニングを行うということも非常に重要になります。

ここで大きく身体の最も大きく成長する時期(PHV)の、前、中、後ろでトレーニングをどのように変化させていけばいいのか?をご紹介したいと思います。

PHV前・PHV中

  • プライオメトリックトレーニング(主に垂直方向)
  • 自重を中心とした基礎的に筋トレ

PHV後

  • バーベルなどを用いたレジスタンストレーニング
  • レジステッドトーイング
  • プライオメトリックトレーニング(垂直方向・水平方向)

となります。

成長期前と成長期中は、主に垂直方向のパフォーマンス向上がスブリントに好影響を与えるとされています。

そのため、この時期は、垂直方向へのプライオメトリックトレーニングと、基礎的な筋トレを行わせて基礎筋力を養うことが大切です。

この時期は筋肉を大きくするための物質の分泌が少ないので、バーベルなどを使って筋肥大系のトレーニングを行うことはお勧めではありません。

しかし、成長期が落ち着いて数ヶ月経つと、筋肉を大きくするための物質の分泌が盛んになるのでPHV後は、積極的にバーベルを使ったレジスタンストレーニングを導入すべきです。

また、筋肉の大きさだけでなく「パワー」も養う必要があることから、重りを引きずって走る「レジステッドトーイング」と、さらに水平方向へのプライオメトリックトレーニングも導入して、作った筋肉をしっかり素早く動かせるようにチューニングします。

特に、最大成長期(PHV)を迎えた後の青少年グループに「レジステッドトーイング」を行わせたところ

  • スプリント速度
  • ストライド長
  • ストライド頻度
  • 脚及び垂直方向へのスティッフネス
  • 水平方向と垂直方向への力発揮能力とパワーの向上

などが見られたそうです。

んー・・・すごい!!!!(^^)

ぜひ、成長期の前後に合わせて、その時期にあったトレーニングをチョイスし実施してもらいたいものです。

成長期という限られた時間を効率的にトレーニングを行わせたいという方も多いと思います

色々と書きましたが、よろしければご参考にしてください(^^)

ではでは!!!

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