ウォーキングで痩せるにはどうすればいいの?
皆さんこんにちは
パーソナルトレーナーの野上です
今日はまず皆様とのやりとりを詳しくご説明させていただこうと思います。
今日ご紹介するのは、このようなやりとりでした。

今まで運動をしてこなかった姉ですが、何か始めたいと決心したそうです。
このチャンスを逃したくありません。
まずは減量から始めるべきでしょうか?

まずは歩くことから始めましょう(^^)
散歩からでいいので(^^)

プロテインをあわせてとらせても問題ないですか?

一食プロテインと置き換えるのなら別ですが(^^)
ただ普段の食事にプロテインを「足す」のはダイエット的にオススメではないです。

というものでした。
年が変わったり、年度がかわったり、季節が変わると「今年はダイエットしよう!」と心機一転モチベーションが上がる方も沢山いらっしゃると思います。
しかし、このご質問者のように「何から始めていいのかわからない」という方が多いのも事実です。
そもそもどんな有酸素運動をすべきか?
まず、そもそもどんな有酸素運動をすべきか?です。
今まで全く運動をした事がない!
もしくは、もう何年も(何十年も?)まともに身体を動かした事がないと言う方なら、やはりまず「ウォーキング」からになるでしょう。
ちなみに、統計調査によるとここ数年で成人の1日当たりの平均歩数は確実に少なくなってきているそうです。
男性では300歩、女性では100歩ほど、1日あたりの歩数は少なくなってきているそうです。
それを反映してか、同じくここ数年での肥満者の割合は、女性は少なくなってきているものの、男性は肥満者の割合は多くなってきているそうです。
なので、まずはウォーキングからが正解となります!!
下手に部屋で腹筋をするとか、スクワットをするとか腕立てをするよりおススメです。
さらに中にはDVDや、YouTubeなどを見て部屋でヨガなどをされる方もいるかもしれません。
もちろん何もしないよりは100倍いい事です(^^)
しかし、目的が「ダイエット」という事であれば、消費カロリーの面から見て「歩く」方がおすすめとなります。
歩くだけで本当に痩せるの?
でも、歩くだけで本当に痩せるの?なんて思われる方も多いと思います。
脂肪を落とすためには、摂取カロリーと消費カロリーの間で、摂取カロリーの方がマイナスにならなければ脂肪が落ちることはありません。
どんなに歩いてもこの「差」が生じない限りは脂肪は落ちないのですが、少なくとも「歩く」ことは、筋トレやヨガよりはカロリーを稼ぎやすい側面が強いです。
なぜかと言うと、「運動を漸進させやすい」からです。
「漸進」・・・耳慣れない言葉だと思います(^^;
運動の世界ではよく使われる言葉なのですが、簡単に言うと「量や強度を増やしていきやすい」と思っていただければいいと思います。
ヨガや筋トレで消費カロリーをあげていくのは、ダイエットを何から初めていいかわからないと言うような運動の初心者のかたにはちょっとハードルが高いと思います。
しかし「歩き」であれば、量を増やしたかったら、単に距離を増やせばよいのです。
強度を増やしたければ、少しスピードを早く歩いていただればいいので、とても気軽に運動をコントロールできると言えます!!
安田大サーカスのHIRO さんも医師の処方の元、ウォーキングと食事のコントールで激やせしたのはとても有名な話ですね(^^)
では、ウォーキングから!と、スポーツウェアに着替えて、早起きしてウォーキングをする!
しかし、どうせやるのなら、効果的に行いたい!
そう思う方も多いと思います。
関連YouTube動画 歩くと、何日で何kg痩せる? ウォーキングの科学!!
ウォーキングのフォーム
まず気をつけたいのはウォーキングのフォームです。
より、代謝を高めるためにウォーキングを行うのであれば、まず姿勢と歩幅に気をつけていただく事が大切です。
猫背で、足を引きずるように歩いているようでは、身体の各筋肉の動きが小さくカロリーの消費も少ないものです。
背筋を伸ばして、大きな歩幅で、少し早いスピードで歩く事がポイントになります。
ここでチョツト最近気になる事があるのですが、YouTubeやネット記事などで、膝を伸ばして歩くと膝に悪い!と言うような意見をよく耳にします。
膝を伸ばして着地したらそのまま膝を壊してしまうと言うものなのですが・・・
個人的に、それはウォーキングのバイオメカニクスをよくわかっていない人たちの意見だと僕は思っています。
膝を伸ばして着地・・・確かに進行方向に向かって、まるで足でストップをかけるように着地したらそうなるでしょう。
しかし、人間の足の着地はそのようには動いていません。
まず、股関節を軸に、足は「上から下」に振り下ろされます。
この時点で足の力のベクトル(力の向き)は進行方向にストップをかける方向からは外れます。
というか正しいウォーキングの着地は、正確には「上から下」ではなく、やや「前から後ろ」に「引く」ように着地をするものなのです。
そうすると膝への衝撃というのは、驚くほど少なくなります。
足は前から後ろ・・でも上体は進行方向に進んでいる・・・ここで膝が伸びていると起き上がりこぶしのように、上体はすっと足が垂直になった時に、足に「乗る」ようになります。
また、その動きを助けるように人のかかとは丸くできています。
この足に「乗る」時に重心位置は最高点となるのですが、ここからまた足を前に降り出すとともに身体は「落下」し、その落下のエネルギーをうまく使って人は前に省エネルギーで推進していくものなのです。
着地の時に膝を曲げてしまうと、重心が最高点に達するまでには、膝の伸展を使って身体を上げて行かなくてはいけないので、非常に疲れる歩きとなってしまいます。
確かに、カロリーを使うという意味ではわざとこの歩きをするのもアリといえばアリなのですが(^^; あまりお勧めではありません。
ちなみに正しい着地を身につけるためのドリルがこちらになりますのでよろしければ参考にしてください。
さらにウォーキングで痩せるには?
もちろん普通に歩いてもダイエットに効果はあるのですが、どうせ同じ時間取り組むのならさらに効果が出るように行いたいというのが人情ですね(^^)
ここで、基本のおさらいです。
普通に歩いた場合は、安静時を1とした場合、おおむね3倍の消費カロリーがあります。
体重50Kgの方は1時間安静した場合、自分の体重と同じくらいの消費カロリーとなります。
その3倍ですから、1時間で約150kcalとなりますね(^^)
次に、少し早いペースで歩くとこれが4倍になります!
1時間で200kcalの消費となりますね(^^)
なのでまずは「ペースアップ」がウォーキングで痩せる基本になります。
ちなみにウオーキングの場合速度を上げていけばいくほど消費カロリーが高くなりますが、一般的にはおおむね時速5.5km位までが限界でしょう。
僕もトレッドミルでは「時速6kmを越えたらもう走ってくださいね!」と指導しています。
危ないからです・・・(^^;
もしジムなどのランニングマシーンで歩こうとする方は気をつけてください!!
ウォーキングで痩せるテクニック
ペースを変える
ウォーキングを広い歩幅でスピードを出して歩けるようになったら、ここでちょっと一工夫です。
まず、ウォーキングの最初の5分は「めっちゃ速く」歩くようにしてみましょう。
すると有酸素運動の前半で心拍数が上がるため、後半ペースを落としたとしても、その間の心拍数も比較的高い状態をキープできます。
つまりその間の脂肪の燃焼をより高く出来るのです!
身体に刺激を与えたいときは「ずっと同じペース」というのはあまり良くはありません。
変化をつけることが大切なのです。
したがって最初に自分のマックスのスピードで歩き、その後の代謝を高くします。
そしてこれになれたら、これを「連続」して実施します。
つまり「速い」と「普通」のスピードを5分おきに繰り返すように歩くのです。
簡易的なインターバルトレーニングですが、これにより、消費カロリー・代謝ともずっと同じペースでウォーキングするよりは、はるかに高まる事間違いなしです。
ぜひペースに「変化」を加えながら、効率的に脂肪を燃やしてください(^^)
坂道ウォーキングとニーベントウォーキング
次にもっと手軽に消費カロリーがあげられるのが「坂道ウォーキング」です。
軽い坂道でも消費カロリーは安静時より5倍に増えます(^^)
これだと消費カロリーは250kcalまで増えます!
いやいや、うち平地だから坂道なんてないんですけど・・・という方や、普段河川敷をウォーキングされている方も多いでしょう。
そういう場合は、ももをやや高く上げながら歩く「ニーベントウォーキング」が手軽です(^^)
これもおおむね5倍くらいの消費カロリーがあります!
1時間位のウォーキングであれば、早歩き&坂道orニーベントウォーキングでかなり消費カロリーが稼げると言っていいでしょう!
これを毎日行えば、1ヶ月の合計消費カロリーは7500Kcalとなり、それだけで脂肪1kg以上が減ることになります。
食事をまったく変えずにダイエットしたかったら、これを半年続けるだけで脂肪6~7kg分のエネルギーが消費されます。
ラスト1分の使い方
さらに効果的に行いたいという方は、このウォーキングの最後の1分をできるだけペースを上げていただくのがオススメです。
運動強度を上げた状態でトレーニングを終了すると、その後の食欲が抑えられる傾向にあるからです。
また、最近のエピデンス(健康運動指導士会報より)では、従来の軽い強度で長時間行う有酸素運動の指導が改められてきています。
現在アメリカでは心不全であろうと糖尿病であろうと、メタボリックシンドロームであろうと30秒から60秒間くらいは、有酸素運動の中にさらになんと90%近い運動負荷を入れることで、さまざまな遺伝子を発現させようという運動指導が主流となりつつあります。
しかしまあ、最初から90%近い運動強度をいきなり入れるのは、さすがに抵抗があるという方もいると思います。
(そもそもウォーキングではどんなに工夫しても、そこまでの強度にはなりにくいですが・・・)
なので最初は1時間、まず少し早めに歩き、運動習慣を身につけることから始めます。
1時間の運動がきつくなくなったら、運動強度を上げていくことを入れるようにしてみてください。
最終的には、ウォーキングでのインターバルトレーニングに発展させ、早く、そしてももを高く上げながら歩く時間と、そうでない時間を交互に行い、それを数セット・・・
例えば5分高強度に、5分低強度の組み合わせ合計10分を1セットとし、6セット行えば1時間のインターバルトレーニングを実施したことになります。
ただ歩くだけでなく、いろいろな変化をつけることにより同じ1時間でもかなり効果を上げることができます。
ロードバイクなどでも、河川敷をひたすら一定のスピードで走るより、市街地で速度の緩急をつけてインターバルトレーニングのようにしたほうが心肺持久力は伸びたという報告もあるくらいです。
ちなみにこれはジョギングをされている方にもまったく同じことが言えます。
プロテインについて
あと最後に気をつけなければならないのが、質疑応答にあった「プロテイン」です。
ダイエット目的に販売されているブロテインもありますが、先ほど言った通り、脂肪を落とすには、摂取カロリーと消費カロリーの差が生まれなければなりません。
ダイエットプロテインと言うと、つい「それを飲めば痩せられそう」と思ってしまうと思いますが、今の食事にただ「足す」だけでは、摂取カロリーが多くなるだけです。
こういうプロテインは、あくまで食事と「置き換える」ことが大切です!
くれぐれも「痩せ薬」と思わないようにしましょう(^^)
色々書きましたがよろしければご参考にしてください(^^)
ではでは!