皆さんこんにちは!
パーソナルトレーナーの野上です
今日は「ディープなスクワットのディープな(深い)お話!!スクワットの膝は本当につま先から前に出してはいけないのか?と言うテーマでお届けしたいと思います。
スクワット・・キングオブエクササイズとも言われる、エクササイズの王様とも言えるトレーニングです!
やっている方も多くいらっしゃるトレーニングだと思いますが、これ「深く語る」と、もう語りつくせないくらい色々と話すことがあります。
今日はその色々を「深く」語りたいと思います。
何を深く語るのか?と言うと、スクワットの下ろす「深さ」についてです(^^;
通常のスクワットの下ろす深さですが、これは一般的に「太ももの前面が床と水平になるように」と指導されることが多いと思います。
パラレル(水平)スクワットとも言われる深さで、最もポピュラーな深さです!
でも「これより深く下ろしちゃいけないの?」
なんて思ったりしたことはありませんか?
スクワットは「太ももが床と水平まで「しか」下ろさなければならなず、それより深く下ろしてトレーニングしてはならない」・・・
なんてルールはもちろん存在しません!
より、大きな可動域で負荷をかけて足腰を鍛えたい場合は、深く下ろしてスクワットをしていだたいていいのですが・・・・
ここで色々と問題が出ます!
まず、深くスクワットをすると「関節可動域の限界」にぶち当たり、結果、スクワットのフォームが崩れると言う問題が必ず出てきます!
スクワットの関節可動域で問題になるのは3点プラスアルファです。
- 股関節
- ひざ関節
- 足首の関節
の3点と、プラスアルファというのは
- 腰のカーブの保持力(骨盤前傾)
です。
三つの関節とスクワット
スクワットをしていけば当然足首の関節と膝と股関節はそれぞれ同時に曲がっていきます。
しかしここで問題なのは、その三つの関節がそれぞれが同じ度合いで曲がっていくわけではないという事です。
また、この3つの関節が全て同じ可動域を持っていると言うわけでもありません。
この3つの関節で最も可動域が広いのは「膝の関節」です。
逆に最も早く可動域の限界を迎えめるのは大抵「足首」の関節です。
ここで出でくるのが「スクワットは膝はつま先より前に出してはいけない」と言う、みなさんもおそらく1度は耳にしたことがある方も多い有名な注意ポイントです。
膝をつま先より前に出してしまうと、上からの負荷に対して、膝に対する負荷が強くなりすぎてしまい、結果「膝を痛める」と考えられていたためにこのように言われてきました。
ちなみに僕はフリーウェィトの指導歴で、この注意をお客様にしたことは今まで一度もありません!!!!
これは一概に「つま先」という基準を守ることにどうしても合理的な理由を探すことができなかったからです。
この注意ポイントを実施しようとすると、骨盤を思いっきり引いていかないとスクワットができません。
まあ、それがこの注意ポイントの狙いだったりもするのですが、実はここで一つの問題にぶつかります。
ここで足首の関節可動域が先にロックしてしまう方が多いのです。
そのためいくらお尻を引いても、膝がややつま先より前に出てしまう方もたくさんいらっしゃいます。
ここで「足首の柔軟性が硬いからですよーw」と笑いながら言う指導員をよく見かけるのですが、そんな指導員ぶっ飛ばしていいですからね!
(いや、嘘です。暴力はいけません!)
えっーと・・・話を戻しましょう!
で、何が言いたいのかと言うとそのような状態から「そこからさらに深くしゃがんでいいのか?」という点です。
トレーニングは可動域が大きい方が筋肉への刺激は当然強いわけです。
でも、足首ロックしちゃってんですけど・・・
どうすればいいっすか?
という質問はよく頂くご質問です(^^;
はい、ここでまずポイントは、僕は良く言いますが「多少なら膝は前に出てもいいですよ」と言うポイントです。
そうすることによって「より深く」スクワットができるのなら、それはそれで「あり」だと思っています。
スクワットの膝は本当につま先から前に出してはいけないのか?
ついに、このことを書く日がきましたね(苦笑)
なんのことかというと、みなさん一度は耳にしたことありませんか?
「スクワットをするときは、膝はつま先より前に出してはいけない」って・・・
前のページでも触れましたが、実はぽくの長い指導歴の中で、このセリフをお客様に指導したこと・・・
一度もありません!(^^;
もう、これ書くと四方八方からなにか言われそうですが、ほんとです。
なぜなら、この表現は間違っている!
・・・・・と思っているからです!
いつも膝を前に出さないというよりは「お尻を引く」ことを注意し、さらに膝に関しては「できる範囲で前に出しすぎない」という表現にとどめています。
もう、いろいろ言われそうですし、なにより、僕が持っているトレーナーの資格のNSCAのテキストにすら書いてありますし、試験問題にもなっています。
でも、僕は今後もこの表現のままお客様に指導することはないでしょう!
だって乱暴すぎやしませんか?
全員、一律して、スクワットで膝を曲げていく時に、「膝はつま先より前に出しちゃダメですよ」なんて・・
この「膝はつま先より前に出しちゃダメなスクワット」を勧められている理由として、膝が屈曲しすぎると、膝に対しての負荷が強すぎて膝を痛めてしまうという事が挙げられます。
うさぎ跳びを例に出して説明されることも多いです。
確かにその側面はあると思います。
膝をつま先より前に出さないことを意識してスクワットをすると大抵の方は かなりのかかと重心になります。
いやいや、俺はつま先重心とかできるよ・・という方は足首が柔らかい方で、全員がそうだと思わないことです(ここ肝心)。
そしてスクワットには膝の上の筋肉、つまり大腿四頭筋と、お尻の筋肉・・大臀筋を鍛えるトレーニングです。
しかし、スクワットを「ベースの筋力づくり」と位置付けた場合、お尻のほうがより大きな筋肉で、こちらの筋出力を上げた方が挙上重量もアップしていきやすいです。
また膝に対しても屈曲角度が浅くなるので、膝関節にやさしいというメリットはあります。
走るときの筋肉も、お尻の筋肉のほうが圧倒的に使用されますので、股関節中心に筋出力をかけていくスクワットのほうが基本的にオススメです。
そのために「お尻を引きながらスクワットをする」ことは、股関節の角度が深く曲がり、お尻の筋肉を最大に使えるフォームとなります。
普通に考えておかしいだろう?
このお尻を引かせるために表現として「つま先を前に出さない」と言われるのですが・・・
この基準が一概に「つま先」でいいのか?といえば、ちよっと普通に考えておかしいだろう?と思っています。
まず、足のサイズが大きい人は、膝から下の長さや全体のサイズが同じ人同士であっても、より膝は前に出て良いという話になりますよね?
足から上すべて同じ骨格の人がいても、足が小さい方はその分膝を前に出してはいけなくなります。
おかしくないですか?
これを厳密に守ろうとするトレーナーやインストラクターの方がかなりいます。
お客様が「やりずらいです」とか「足首が硬くて」とかいうと、ドヤ顔で「それではダメなんですよ」とか「そこを体幹で支えるんです、だから体幹も鍛えることが大事なんですよ」とか、本末転倒な指導しているシーンを見たことがあります。
まあ、教科書にそう載っているんですから、遵守するのは当然ですが・・・・
もう少し考えませんか?と思います。
スクワットをジャンプ力向上、スピード向上のために行うのなら・・
まず、はっきり言うのはスクワットをジャンプ力向上、スピード向上のために行うのなら、かかと重心で行ってはダメです!
そんな重心位置や筋肉の使い方してジャンプする人、ダッシュする人はいません!
せめてミッドフット、脚全体で踏ん張るか、理想は足裏のジャンプやダッシュしている時にかかる重心位置に体重がきちんと乗っている状態&重心バランスでスクワットするべきです。
だって、ジャンプやダッシュするときは、まず間違いなくそこが「支点」ですから。
そこに体重が乗っている状態で、背筋をまっすぐに伸ばしたまま、できるだけ「お尻を引いて」スクワットしましょう!というのが理想だと僕は思います。
足裏の重心は「そのポイントを保つ範囲」で、意識は「できるだけお尻を引いて」スクワットした方がいいと思います。
「膝をつま先より前に出さない」という意識よりは、はるかにやりやすくなるはずです。
実際膝はつま先より1cmから2cm位なら全然許容範囲だと思います。
それで「膝を痛めたらどうするんだ」というのなら、そういう方たちはジャンプする瞬間のフォームも当然膝をつま先より絶対前に出さないで飛べと指導していますよね?
もちろん着地もですよ? かかと重心のバランスで・・・
無理でしょ。 だってそんなフォームじゃ飛べないし、着地の衝撃も吸収できないです。
ジャンプの衝撃は下手にスクワットやるよりも瞬間的な膝への衝撃は、はるかに大きいのです。
にも関わらず着地の瞬間は、つま先から着地し膝は必ずつま先より前に出ているはずです。
間違ってもかかと重心にはならないでしょう(伸張反射、SSC観点から考えても無理)。
競技的特異性をみて、ある程度ジャンプする形にちかい重心パランスでスクワットしなければ何のためのトレーニングかわからなくなってしまいます。
もちろん極端に膝が前にでてはダメです!
ただ「厳密につま先より前に出てはダメ」を厳守する必要はないと思っています。
人の身体は百人百様なんですから(^^)
ちなみに、このことに関してはベースボールマガジン発行の「トレーニングのほんとを知りたい」谷本道哉先生著書 の本にとても科学的に解説されています。
また、僕が「狂気じみている」と、その知識を絶賛させていただいている木内先生に関しては、セミナーで「わかっているトップトレーナーは今時そんな指導しない。伝言ゲームのように右から聞いたことを何にも考えないで左に流している、そんな指導しているトレーナーはアホだ」とこのつま先から前に出さないスクワットを勧めるトレーナーを強く批判していす(苦笑)
どうしてもそこに目が行きがちになりやすい、スクワットの「膝をつま先より前に出さない伝説」
すこしだけ緩くして、それよりも「お尻を引く」「背筋はまっすぐ」に注意を向けていただいた方がいいスクワットになりやすいです。
最近では言い出しっぺ?のNSCAですら「過度に出してはいけない」とか「「ほぼ」つま先の延長」という表現に変わってきています(^^;
もう一度言いますが僕は1回も「膝はつま先より前に出してはいけない」なんて指導はしたことありません!
しかし、「過度に出してはいけない」はよく言います(^^)
スクワットの時に「膝はつま先より前に出してはいけない」を遵守する人、未だによくいます(^^;
あまりに「膝をつま先より前に出してはいけない」ことを意識しすぎることは、むしろ「いけない事」と僕は思っています。
膝が痛む?
いやいや、それだと「膝が痛む」なんて言う方もいます。
これにもちょっとポイントがあって、
- 膝の怪我のリスク低下を取るのか?
- 腰の怪我のリスク低下のリスクを取るのか?
と言う問題があるのです。
つまり、膝の怪我のリスクを軽減するために「つま先より前に膝を出さない」ようにすると今度は「腰の怪我のリスクが高くなる」と言う問題が発生するのです。
ここ・・・あんまり語られないですよね(^^;
腰と膝の関係から見た「妥協点」
膝を前に出さないでお尻を極力引いて行うスクワット
膝を前に出さないでお尻を極力引いて行うスクワットは、膝が前に出ない代わりに、どうしても「上体の前傾度」は深くなっていきます。
高重量のバーベルを肩に担いで、上体の前傾が深くなれば、当然その分今度は腰にかかる負担は強くなります。
「剪断力」と言うのですが、物体を横に倒して、そこに強い力がかかれば、当然その物体は「ポキ」っと折れてしまいます。
大根を縦に潰すのは大変ですが、横にして上から体重をかければ折れちゃいますよね?
それと同じような力が腰にかかると思って下さい!
ゾッとしますねf^_^;
これを防ぐためには、上体を「直立」に近くしてあげる必要があります。
パワーリフティングでは、デッドリフトを行う場合「腰の前傾を如何に浅くするフォームで行えるか」は、かなり重要なポイントになります。
その為、ワイドスタンスで、膝を横に大きく開き行うワイドスタンスデッドリフトを採用する選手は数多くいます。
これは膝を横に開く分腰を後ろに引かなくて済むので、上体が起きた体勢でデッドリフトを行え、腰に大きな負担をかけずに高重量を扱う事ができます。
パワーリフティングは、筋肉に効かす事より、如何に高重量をあげる事が出来るか?が重要なのであまり問題にならないですが、筋肉に効かせたい!と言う場合は色々問題が出ます。
スクワットにもワイドスタンスで行うスクワットもあるにはありますが、筋肉への効きの観点からあまり主流のトレーニングではありません。
するとやはり、普通のスクワットフォームでのトレーニングになりますし、パワーリフティングでもスクワットに関してはデッドリフトほどは膝を開かないフォームで行われる事がほとんどです。
そしてそのかわり「スクワットシューズ」なるものがあります。
これは、硬い素材でできていることと、踵が比較的高いのが特徴です。
これは先の「足首の関節が真っ先にロックする」事に対して対応しているシューズです。
このシューズを履いていると踵が上がっているので膝が前に出やすくなります。
その代わりに上体を起こしてスクワットしやすくなります。
膝には厳しく、腰には優しいシューズと言えますね(^ ^)
- お尻を引いて膝の角度は浅く、腰の前傾度は深いスクワット
をするのか、
- 膝を前に出して腰の前傾度は浅く、膝の角度は深いスクワット
をするのか?
この辺は、トレーニーによって変わってくる部分なので本来一概には言えない部分なのです。
しかし、だからと言って何も基準が無いと皆さん困ってしまうと思います。
そこで出てくるのが僕がいつも言っている
- 腰は出来る範囲で目一杯引く
- それでも膝が前に出る場合、つま先より1〜2cmくらいならあまり気にしない
と言う、これは腰と膝の関係から見たいわば「妥協点」なんです。
これは深いスクワットを行う場合も同様で、お尻を自分の出来る目一杯の範囲で引きながら行うのであれば、膝のポイントは多少前に出るのも致し方ない・・・
と言う感じで行なってもらえればと思います。
ディープスクワットは、パラレルスクワットで行うよりは使用重量は軽いはずですし、どうしても深く効かせながらスクワットをしたいと言う希望があるのであればこのやり方しかないと思います。
ただ、ディープスクワットは、上記の理由から、腰、膝ともかかる負担は大きいです・
パラレルスクワットで十分にトレーニングになっている方は無理に行わない方が無難である事は間違いありません。
まずここではスクワットでの腰に対する負荷と、膝に対する負荷のリスクはトレードオフの関係にある点だけご理解頂ください!!
色々書きましたが、ディープスクワットを普段からやっているという方は、よろしければご参考にしてください(^^)
ではでは!!!