ランニング・長距離のスピード

【ランナー必見】長距離走のスピードと筋トレの関係

長距離走のスピードと筋トレ

皆さんこんにちは!

パーソナルトレーナーの野上です

今日は「長距離走のスピードと筋トレの関係」についてご紹介していこうと思います。

長距離走のスピードと筋トレ

マラソンランナーの方は筋トレをすべきかどうか?これ疑問に持たれる方って、けっこう多いと思います。

まず、みなさん目的が「フルマラソンで3時間を切りたい!」というかなりレベルの高い目標だとした場合と「ハーフマラソンを2時間きって走りたい」というわりと初心者の最初の目標になりそうなレベルとでは、やや見解が異なります。

まず両者に言える「長距離」をとにかく速く走りたいという場合「筋肥大」を目標とした筋トレはどちらにもお勧めはできません!

筋肥大系のトレーニングによって筋肉が大きくなった場合、基本的に体重は増える方が多いと思います。

長距離において体重の増加はたとえそれが筋肉であったとしても「効率」という面では不利に働きます。

そして長距離のスピードには「酸素の運搬量」がもっとも大きな鍵を握ります

しかし筋力トレーニングがこの酸素運搬量を高めることを紹介した研究というのは存在しません。

酸素の供給は血液の供給と同義語です。これは

  • 心臓の一回の拍出量を多くするか?
  • 心臓が1分にどれくらい血液を送れるか?

という能力よって筋肉に酸素が届く量がきまります。

また、ちょっと難しい単語ですが、筋肉内の毛細血管とミトコンドリアの量が多いほど得られる酸素を筋肉の中で利用する代謝能は高くなります。

筋トレではたとえそれが筋肥大系ではない「長距離向け」の筋トレとされる「20回くらいの高回数筋トレ」であっても筋肉への酸素運搬能力と筋肉内の酸素利用能力を増大させる効果はありません。

そして、ここでレベル・能力別に筋トレをとらえる必要があります。

トレーニング初心者、ランナー初心者にとって筋トレは、例え酸素の運搬量が増えなくても、全体的な体力レベルの向上は見込めるので、このレベルのトレーニーでは高回数の筋トレ・・

例えば腕立てやスクワット、腕立てなどの自重をつかって2~30回、3~5セットのような筋トレを行う意義は十分にあるといえます。

また走るという動作も基本的に筋肉を使うわけですから、この筋肉をいろいろな形で鍛えるということは、今まで身体をあまり動かしたことがないという方にとってはそれなりに意義のあるものです。

しかしすでに高度なトレーニングを行っている上級ランナーにおいては、伝統的な筋力トレーニングによっては有益な効果というものはほとんど見込めません。

特にそれがランニングの量や強度を増やす代わりのトレーニングに「成り代わる」ということはまずないと思っていただいていいと思います。

概ねこの境目は5Kmを25分で走るランナーであればランニングと筋力トレーニングの両方を行うことは全体的なトレーニング量が増加するので(全体的な体力レベルが上がる)、結果として筋力トレーニングがランニングパフォーマンスを上げる可能性はとても高いです。

ただしこれ以上は筋力トレーニングの量を増やす・・というよりは、走る量・時間により労力を費やした方が長距離スピードのパフォーマンスは上がる可能性が高いです。

同時に、筋力トレーニングにあてていた時間を削ってでも走る時間の増大に当てた方がいいということすら言えると思います。

NSCA のレポートでは

  • すでにランニングトレーニングの量を(距離と強度の両面で)最大限に増やしている
  • ランニングの量をこれ以上増やすことは身体的ストレスに耐えられない
  • ランニングトレーニングに対する適応が遺伝的な限界に達してしまった

という場合にならない限り筋力トレーニングの導入の時間よりは、実際のランニングの練習時間に費やす方を勧められています。

参照元 NSCA 全米ストレングス&コンデイショニング協会

たとえそれが最近流行の「体幹トレーニングでフォームを固める」系の筋トレよりもです!

そういうトレーニングは十分にランニングのトレーニングに時間を費やし、メインであるランニングトレーニングの時間以外の隙間的な時間に・・

例えばお風呂に入るまえの10分間だけそういうトレーニングを行う的な感じがオススメです。

決してメインのランニングの時間を10分削ってそういうトレーニングに当てるというのはオススメではありません。

その分10分多く走った方がいいと言えるでしょう!

筋トレは長距離のスピードを全く上げる可能性がないのか?

これは「やり方によって」は、長距離のスピードを筋トレであげられる可能性もあるのです。

「やり方によって」とはどういうことかというと一般的に筋トレの目標は「筋肉の肥大」や「パワーの増大」が目的とするものですが「ここを目標にしない」ということです。

ランニングでは足は地面に一瞬しかつかず、また短距離と違い「爆発的な加速」が生じて足に負荷がかかる場面もありません。

そのような軽負荷では最大のパワーを発揮する場面などは生じません。

それを目標にするよりも、むしろ「力の立ち上がり速度」を向上させることを目標にした方が良いのです。

力の立ち上がり速度とは、例えばA選手はMAX100の力があり、そのうち80の力を出すまでに0.4秒かかるとします。

次にB選手は力こそMAX90の力しかなくても、そのうちの80の力を発揮するのに0.3秒しかかからない場合は、B選手の方が「力の立ち上がり速度は高い」と言えるのです。

これはとくにバスケやサッカーの選手に大事な能力です。

トップスピードがいくら早くても、この「力の立ち上がり速度」が速くないと相手を振り切ることはできません。

長距離選手とサッカーやバスケの選手の筋トレの目標が同じというのもおかしな話ですが、突き詰めるとこうなります。
(トレーニングの細部や他の目標項目はもちろん違いますが)

長距離選手の場合、足の接地時間という「短い時間内に筋肉が素早く力を発揮する時間」を短くすると、ランニングの効率が上がります。
(筋肉が衝撃を吸収する量が減る=エネルギー効率が良くなる)

トレーニングの内容としては、85%1RM 以上の負荷・・・

つまり1回しかあげられない重さを100とした場合の85%以上の重さで3~6回、3~5セット、もしくは、プライオメトリックトレーニングというジャンプ系トレーニングがオススメとなります!

これらのトレーニングで最大酸素摂取量や乳酸性閾値などの長距離に直接必要とされる心肺能力の向上は見込めません。

しかし、高重量トレーニングやプライオメトリックトレーニングのようなトレーニングはトレーニング中ほぼ全ての筋繊維が動員されることになり、そのことは中枢神経系にトレーニングによる刺激をもたらします。

筋肉が力を発揮する「効率」が向上すれば「ランニングの効率」の向上も見られるのです。

実際にこれらのトレーニングがランニングパフォーマンスにどれくらい貢献したかという研究で3~5Kmのタイムトライアルにおいてはパフォーマンスの向上が見られたそうです。

また、これは繰り返しになりますがあくまでランナーのレベルによるところも存在します。

通常の長距離選手向きの筋トレとされる低中負荷、20~30の高回数トレーニングも運動自体を始めたばかりの方には基礎的な筋力や体力を養う意味ではとても有効でしょう。

また平地だけでなく起伏の激しいコースを走る場合には、このような筋トレも有効性は増すことになるでしょう。

今日ご紹介したトレーニングは、ある程度のレベル以上の体力を持っていてより長距離に特化したい方向けだと思っていただいてよろしいと思います。

ある程度のレベルになると「筋肉」ですら過剰になるとランニング効率にはマイナスに働きます。

高負荷低回数のトレーニングは筋肥大よりも神経系の適応に重点を置くトレーニングです。

筋肉は普段の走り込みで十分に鍛え尽くしていて、さらに筋肉を大きくしないで筋肉の出力特性だけを上げる事が長距離選手にはお勧めです。

よろしければぜひご参考にしてください。

ではでは!

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