ダッシュの為の筋トレ
皆さんこんにちは!
パーソナルトレーナーの野上です
今日はまずはみなさんとのやりとりについて詳しくご紹介してみようと思います
ご紹介するのはこのようなやりとりでした。

自分は自転車競技の短距離をやっています。
競技の中で0発進をする場面と、ある程度のスピードからトップスピードに上げる場面があるのですが、自分は0発進からある程度のスピードまで上げるのは割りと得意な方なのですがそこからトップスピードに上げる能力があまりないです。
そこでどのようなトレーニングや練習をしたらその能力を伸ばすことが出来るか教えて頂きたいです。
よろしくお願いします。


というものでした。
0発信からトップスピードまでの各筋トレやジャンプトレの要点について
今日は「0発信」から「トップスピードまで」の各筋トレやジャンプトレの要点について」というテーマでお届けしたいと思います。
ヨーイドンでスタートして加速を続け、トップスピードまでスピードを上げる・・・
陸上競技の100m走の選手は、これらすべてをこなすためにいろいろなトレーニングをされている方も多いと思います。
しかしどのトレーニングがどの局面に役立つのか?
ちゃんと理解してトレーニングしている方って・・・割と少ないのではないでしょうか?
今日はそんな方のために、それぞれの局面でのトレーニングのポイントについてお話をしていこうと思います。
二つの加速
スポーツには「加速」する能力が当然に必要になります。
そしてこの加速には「二つの加速」とも言える2種類の加速があるのです。
どいういうことかというと、まずは一つ目は「0発進」の加速とでもいいましょうか。
「筋肉の立ち上がりの速度」のことをいいます。
(RFD)
これは身体が完全に静止している状態から加速させる能力のことです。
0.2秒と0.6秒で筋肉の出力を比較し、同じ筋力の選手が0.6秒の時点で100%の筋肉の力を発揮出来るA選手と同じく0.6秒の時点で80%の力が出せるB選手がいたとします。
この両選手が0.2秒の時点での筋肉の出力がA選手は60%、B選手は70%の出力を既に出せる場合「動きのキレ」はB選手の方が上ということになります。
この能力はスポーツシーンでは非常に重要な能力であることがわかって頂けると思います。
そしてもう一つの加速というのは「再加速」とでもいいましょうか・・・・
例えばサッカーやバスケなどは、常にダッシュしているわけではないですよね。
「ある程度」のスピードで走っている・・・・というシーンも多いと思います。
「ここからの加速力」が「二つめの加速」です。
ここで問題なのは時速0Kmから20kmまで素早く加速させる能力と時速10kmから25kmまで加速させる能力というのは「似て非なるもの」というところにあります。
つまり低速で大きな筋力を発揮出来る事だけでなく、中高速からさらにどうやって筋力を発揮させるのか?というのも重要なトレーニングの課題なのです。
サッカーやバスケのような走る競技に限らず、バットならバット、ボールならボールという一定の質量の物体を停止状態から加速させる力だけでなく、すでに動き始めて移動しているバットやボールに対して、さらにそこからまだ加速できるような、いわば「高速で発揮出来る筋力」も必要なのです。
最初の加速も二つ目の加速もまず必要なのは「ベースとなる筋力」です。
これはバーベルを使ったベーシックな筋トレで養います。
そしてその「ベースの筋力」を、最初の加速を向上させたい場合は「ダッシュ」や「プライオメトリックトレーニング」を代表とする瞬間的なジャンプトレーニングで「使える筋肉」にチューンナップしていきます。
二つ目の加速を鍛えたい場合は、それらのトレーニングにプラスして、あえて中速で動きながら、そこからめっちゃ加速するトレーニングを普段のダッシュのトレーニングとは別にとりいれていきます。
最初は平地でトレーニングし、慣れてきたら「ゆるい坂道」を使ってトレーニングするとさらに「ゲームで生きる」加速力の向上トレーニングとなるでしょう。
バットやラケットスポーツをしている方も、あえて「途中からの加速」をイメージしてスイングしてみるとまた新たな筋肉の出力を鍛えられるトレーニングになります(^^)
(この場合、慣れてきたらマスコットバットでトレーニングしてみる!)
ゲームに生きる加速力を手に入れるためにいろいろとトレーニングしてあげてください!
「トップスピードまで」の各筋トレやジャンプトレ
まず100mに限らずダッシュでトップスピードまで加速するということは、なんかイメージ的に「身体を速く動かす筋肉を使っている」と、みなさん思っていませんか?
それはそれであっているのですが・・・・
100mすべて超高速で動いていないですよね?(^^;
テラフォマーか刃牙で見た記憶があるのですが、ゴキブリは「0発進」で、すでにトップスピードに達するそうですが・・・
人間では無理ですね(^^;
まず大事なことですが、ヨーイドンでスタートする瞬間からせいぜい10m位まで・・・・
速いでしょうか?
そんなにスピード出てないですよね?
この時に必要なのは「低速パワー」と言われるものです。
つまり「スピードはゆっくりな力」とでもいいましょうか?
ここを速くしたかったら、ある程度「低速になる」重量でトレーニングすることが大事です。
「になる」重量です!!!
つまり「軽い重さをわざとゆっくりトレーニングする」のではなく「重い重量で目一杯速く動こうとしても速く動けず「ゆっくり動作せざるを得ない」トレーニング」を行うべきなのです。
ただしこのトレーニングをしている時でも「意識の中では目一杯速く動こうとしている」ことが大切です。
また足の接地時間もこの時は比較的長いのでジャンプ系トレーニング(プライオメトリックトレーニング)も、この領域の能力向上のために「足の接地時間の長い種目」をチョイスします。
スクワットジャンプやシザースジャンプはその典型な種目です(^^)
これに対して加速が進んでいくと、どんどん「速度」は速くなるものの、すでに前方への身体の勢い(慣性モーメント)はついているので「力」というのは速度に比例して必要無くなっていきます。
そして先ほどの低速パワーと言われるものが、どんどん「中速パワー」「高速パワー」に切り替わっていきます。
中速パワーには「ある程度のスピード」と「ある程度の重量」でのトレーニングが必要になります。
バーベルのトレーニングであればクリーンのような、ある程度の重量を爆発的に動かすトレーニングになります。
足の接地時間も徐々に短くなっていくので、ジャンプ系トレーニングもそれに合わせたトレーニングが必要です。
これは前方への「連続した」ロングジャンプやタックジャンプになってきます。
さらに高速になると、もうバーベルの負荷はいらないかもしれません。
高速パワーでも「そこからさらに加速させたい」のであれば「レジステッドスブリント」というトレーニングがメインになります、
これは坂道を駆け上がるトレーニングであったり、ウェイトジャケットなどを装着して走るような「少しだけ抵抗をかけたトップスピードトレーニング」です(^^)
また足の接地時間も極力短いジャンプトレーニング、いわゆるホップ系の連続ジャンプトレーニングがこの領域でのトレーニングになります。
さらに今までは高重量→低重量となるにつれ、動作スピードも「遅い」→「速い」になってきましたが、その行き着く先の究極の形のトレーニングがあります。。
つまり・・・重量はかかるどころか「マイナス」に・・・
そして速度は「いつものトップスビードより速く」なトレーニングです。
いつものトップスピードより速くって・・・・無理じゃね?
負荷も「マイナス」って何?
と思われるかもですが・・・
スプリントであれば「下り坂」を走ることによって「負荷はマイナス」「速度はいつもより高速」が出るはずです。
他にもこのQ&Aで答えたように「バイクで引っ張られる」トレーニングです(^^)
これにより「いつも出せないスピードを「体感」すること」によって、平地でもその感覚を目指すことによりトッブスピードのさらなる向上を目指せます。
こいういうトレーニングが「アシスト」を受けながらトレーニングするので「アシステッドスプリント」と言われます。
このご質問者のように自分のスピードのどの局面が弱点なのか?を知り、それらに合わせたトレーニングをしていくことはとても大切です。
まず自分の弱点は「タイムを距離別に測れば見つかる」ので、まずそこから始め、次に弱点に合わせた領域のトレーニングをセレクトするようにしてみましょう(^^)
よろしければご参考にしてください(^^)
ではでは!