筋トレのセットと回数と重量の組み合わせを整理してみた
皆さんこんにちは
パーソナルトレーナーの野上です
今日は「筋トレのセットと回数と重量の組み合わせを整理してみた」というテーマでお届けしようと思います。
まずみなさまとのやりとりをご紹介してみたいと思います。
今日ご紹介するのはこのようなやりとりでした。
ちょっとお聞きしたいんですがデッドリフトのMAXを伸ばすには何回挙げられる重量でやるのがいいんですか?
ちなみにベンチプレスで筋肥大は6~12回と聞いたんですが重量を増やすタイミングは何回位挙がるようになった時なんですか?
ベンチプレスで質問なんですが筋肥大のトレーニング期間の間MAXを一回挙げてから筋肥大のトレーニングに入るのも有りなんですか?
常にMAXの重さを挙げとかないと不安になるんですが。
というものでした。
筋トレの基本が詰まっているような質疑応答でしたね(^^)
いつも言っていますが、筋トレはその目的によって
- 使用重量
- 回数
- セット数
- セット間の休憩時間
- 種目
は、色々と変化します。
筋力をあげたい!
筋力をあげたい! という目的でトレーニングするのであれば、使用重量は1回〜3回ギリギリ上がる重さでトレーニングするのが基本です。
セット間インターバルは長く取り、3分から5分ほどとっても問題ありません。
セット数は3〜5セットほどが目安になります。
筋肉を大きくしたい
次に筋肉を大きくしたいということであれば、使用重量は6回から12回ギリギリ上がる重さでトレーニングをします。
セット間インターバルは以前は短めが推奨されていましたが、最近は比較的長いインターバルの方が良いという研究が多勢を占めてきています。
まあ、2分から3分くらいを目安にインターバルを取ることをお勧めいたします。
そして使用重量ですが、僕は、よくお客様には6回から8回上がる重さを推奨しています。
これは回数が少なくなればそれなりに使用重量が重くなるので「ある程度の高重量を使う事に筋肉を慣れさせる」ことが目的です。
また同じ重さでトレーニングして言って6回上がっていた重量を10回とか、12回まで伸びるまで使用重量を上げるのを待つのはちょっと時間がかかりすぎます。
8回であれば、2〜3ヶ月のトレーニングで伸びることが多いので、そのタイミングで使用重量に変化をつけさせた方が、トレーニングに変化が起きて継続率も高まるので8回上がったら重量に変化をつけることをお勧めしています
関連YouTube動画 筋トレの基礎の基礎 筋肉の肥大の為のトレーニング法 日米のトレーナーのテキストで書かれている内容に違いはあるのか?
マックスの伸びもちょっと頭に入れておきたい
ただ、質疑応答にもあったように、マックスの伸びもちょっと頭に入れておきたい・・・
という方は、セットを組んでいく際に、アップ後、1セットから2セット、1回から2回ギリギリ上がる重さでトレーニングします。
その後に使用重量を落として、ある程度の回数をこなしていくセットの組み方もよく行われる手法です。
この時の注意ポイントは「アップ後すぐに高重量のセットに取り組む」ことです。
でないと、疲れちゃって上がるものも上がらなくなってしまいますので(^^;
筋トレのセットの組み合わせは種目も絡めてくるとさらに色々なパターンが存在します。
ただ、このように「マックスの重量」と「筋肉の肥大」の両方を狙いたいセットの組み方も存在します。
筋トレのセットと回数と重量の組み合わせを整理してみた
先ほども言いましたが、筋トレをする際に色々と調整をする項目の基本ですが・・・・
- 重さ
- 回数
- セット数
- セット間の休憩時間
- 種目
と言う項目があります(^^)
こなせる回数から見て見る
「筋肉を大きくしたい」という場合、まず重量設定は概ね「6回~12回」使用できるギリギリの重さでトレーニングすることが基本とされています。
これより回数をこなせるような軽い重量だと筋肉は肥大というより「筋肉の持久力が向上する」ようなトレーニングになります。
これより回数をこなせない重い重量でトレーニングすると「筋力」と言われる一回にどれくらい重いものをあげられるかという能力を向上させるトレーニングになります。
そして1セットあたりに行う回数は、これらの重量で扱える「ギリギリ」の回数を行うことが基本です。
つまり毎回「追い込む」ことが基本と思っていただいていいと思います。
インターバルとセット数
セットとセットの間隔は60秒~90秒前後が「筋肉を大きくしたいトレーニング」に推奨されています。
よく「10回3セット」みたいなトレーニングをされている方が多いと思います。
これはトレーニング初心者の場合には、いいと思います。
まだ身体がトレーニングに慣れていないために、まず筋肉をトレーニングに慣らしていく上ではこういうトレーニングはとても大事です。
しかし、ある程度身体が慣れてきたら「毎セット限界まで筋肉を追い込む」スタイルの方が筋肉を大きくしていく上では有利であることは間違いありません。
重量と回数の調整
ここで少し問題があります。
実際にジムでのご質問に「1セット目12回、2セット10回、3セット目8回、4セット目6回という感じで大丈夫ですかね?」というご質問がありました。
これでも間違いではありません・・・・が・・・・
これって「重量を全く変えない場合」が前提の話だと思います。
僕はこの質問のお客様に対して「ただ、重量を調整してメインセットの1セット目を6回ギリギリ上がる重さに調整し、その後軽くして回数を12回にするのが一般的です(^^)」と答えさせていただきました。
ちょっと整理しましょう。
実際のトレーニング例
筋肥大系
通常アップで2セットほどトレーニングしてから「メインセット」に取り組むのですが・・
このメインセットの中でも「重量を調整していく」ことを、僕はいつもお客様にはオススメしています。
例えばですが、
アップ
- 60Kg10回、
- 80Kg10回
メインセット
- 100kg8回、
- 110kg5~6回、
- 100kg8回、
- 90kg10回、
- 80kg12回
みたいな感じてす・・・
これを「ピラミッド方式」と言います。
トレーニングでは一般的なセットの組み方の一つです。
ここでは、筋肉の肥大に焦点を当てたのでメインセットを6回~12回で重量を調整してますが、「筋力」に目的を絞ったらもう少し重量を多く、回数を少なくしながら、この「ピラミッド式」でセットを組む方法もあります。
その場合は、セット間のインターバルは2分から3分に伸びたりするのが一般的です。
筋肥大系プラス筋力アップ系
また、筋肉の肥大とマックスの両方を追い求めたいという場合は、先ほどのセットに筋力アップのセットを2~3セット入れる方法もあります。
このような感じです
アップ
- 60Kg10回、
- 80Kg10回
メインセット
- 100kg8回、
- 110kg5~6回、
- 115~120kg1~3回×2~3セット
- 110kg5~6回
- 100kg8回、
- 90kg10回、
- 80kg12回・・・
という感じですね。
真ん中の筋力アップのセットのインターバルだけ長く取るのがポイントです!
種目はまずデッドリフト・スクワット・ベンチプレスの基本種目でこのピラミッド法で行います。
そしてその後に、胸で言えばフライ系、足で言えばマシンでのレッグエクステンションなどのような「一つの関節だけ動かすトレーニング種目」を後に付け加えてターゲットとする筋肉を追い込むのが一番的によく行なわれている並べかたです。
ただしビルダーレベルになるとこれを逆のパターンで並べて行う方もたくさんいます。
この辺はどんなトレーニングをどのくらいやってきて、今どのくらいのレベルにあるのかによって変わってくるところであると思います。
ちなみに2種目目に関してはアップはすでに1種目で行っているので、ほとんど必要なく、いきなりメインセットでも構いません。(余計な疲労を防ぐ)
そして2種目目に関しては少し回数を多めに行い(重量はやや軽く)筋肉を追い込んでいく方がいいでしょう。
もう事前に疲れているので少ない回数で重い重量をこなしていくより回数を多くするトレーニングを行い、筋肉を追い込んでいく方がおすすめです(^^)
「ハイ・インテンシティ・トレーニング」について
最後に少し余談的な話ですが、ハイインテンシティトレーニングと言うものをご紹介したいと思います。
あまり耳にする機会のない名前のトレーニングかもしれないですが・・・・
実はこれまさにベーシックなトレーニングのことで、ノーチラスマシンという僕の年代のマシンジムインストラクターなら誰でも知っている有名なマシンを創ったアーサージョーンズという方が命名し全米に一気に広まったトレーニング法です。
なんで全米に広がったのかというと、これを取り入れたアメリカンフットボールのチームがスーパーボールを制したからなんです。
アメリカはやっぱりスーパーボールなんですよね!
影響力が絶大です!
そして、そのトレーニングが日本にも影響を及ぼします。
ではどういうトレーニングかというと、先ほどもいったように今となっては筋肥大において最もベーシックとも言えるトレーニングです。
直訳すると「高強度トレーニング」です。
1回1回の動作をできるだけ丁寧に行い、筋肉を可能な限り隅々まで刺激します。
いわゆる「効かせる」タイプのトレーニング方法です。
ターゲットの筋肉に効率良く効かせるために、可動域全体を十分に使い、できる限り反動を抑えて一つ一つの動作をゆっくりと丁寧に行っていきます。
1セット8~12回の中で、毎セット必ずもう上がらないというところまで必ずオールアウトさせます。
12回以上できるようになったら2.5~5kg程度の範囲で使用重量を増やして行える回数を調整していきます。
動作スピードをコントロールし、反動を抑えることによって筋肉にテンションがかかり続けるので、筋肉を成長させる成長ホルモンの分泌を促していく効果があります。
また可動域全体を十分に使うことでエクササイズ効果を最大にするほか柔軟性の向上が認められています。
正直、今でも僕がお客様にフリーウェイトトレーニングを指導する時のベーシックな指導内容でもあります(^^)
またジャンプ系のトレーニングやダッシュ系トレーニングよりもゆっくりと動作を行うので、関節や腱、靭帯への負担も少ないです。
ポイントは、この「ゆっくり」の程度で、スロートレーニングのようにゆっくり行うものではありません。
あげる動作は2~3秒、おろす動作は3~4秒かけて動作をします!
実際最近の研究では、1回の動作にかける時間があまりに長すぎてもかえって基礎筋力の向上や筋肥大には効果的でないということが示されています。
そして、ここで気をつけなければならないのは「万能のトレーニングはない」ということです!
まさに現代の「筋肥大系トレーニングの原点」とも言えるトレーニングですが、その原点となったアメリカンフットボールの世界でも、このトレーニングを採用しているチームが「必ず勝てる」ということにはなっていないようです。
トレーニング方法としては確実な結果が出るのですが、あくまでそれは「ベーシックな筋力向上」の範囲です。
もちろん、スピードを上げたい場合はスピードトレーニング、瞬間的な筋力を上げたかったらクリーンなどの爆発的エクササイズ、ジャンプ力を上げたかったらプライオメトリックトレーニングと、いろいろな分野のトレーニングを絡めながら進めいかなくてはいけないのは言うまでもありません。
ハイ・インテンシティ・トレーニングだけを「絶対的唯一のトレーニング」として盲信しないように気をつけてください(^^)
ただ「ベーシックな筋力」を鍛える手法としては王道ともいえるやり方です。
色々書きましたがよろしければご参考に(^^)
ではでは!