速く動けば速筋が鍛えられる? ではない!
皆さんこんにちは
パーソナルトレーナーの野上です
今日はまず皆さまとのやりとからご紹介したいと思います
ご紹介するのはこのようなやり取りでした。
やりとり

例えば10回が限界の負荷でスロートレーニングを行った場合は鍛えられるのは主にどちらの筋肉でしょうか?

遅筋と速筋はスピードではなく負荷によって使用度合いが変わるからです(^^)

では瞬発力が必要とされる競技者にもスロトレーニングは有効と言えるのでしょうか?



また、白筋を鍛えるには重い負荷も必要です。
スロトレは普通に筋トレするより負荷は軽くなり、スピードはゆっくりなのでスピードアップトレーニングには不適です(^^)

ご回答ありがとうございます!^_^
というやり取りでした(^^)
とても良い質問だったと思います!
速筋と遅筋
スピードを向上させたい!
高いパワーを瞬間的に、爆発的に発揮したい!
という場合は、当然この「速筋」を鍛えるトレーニングに主眼を置くことになります。
速筋・・・・
この名前から皆さんがイメージすることと、実際の速筋の働きに勘違いが生まれることはよくあります。
まず基本からご説明しますが、筋肉にはざっくり二つの種類があります。
ほんのり白い色をしている「白筋」と、見た目が赤い「赤筋」と言われるものです。
さらに細かく言うと白筋にも何種類かあるのですが、ここでは割愛いたします。
例えば魚を思い出していただけるとわかると思いますが、近海の浅瀬を素早く動く魚は「白身魚」が多く、遠洋をゆったりと長時間泳ぐ魚は「赤身」の魚が多いと思います。
カレイやヒラメとマグロを比較していただければわかりやすいのではないでしょうか?(^^)
(まあ、かなりざっくりな例えですが(^^; )
そして、まず白筋と言われる白い筋肉は別名「速筋」と言われています。
この速筋は速いスピードで、高い筋肉の出力を発揮できる筋肉とされています。
しかし、素早く高いパワーを発揮できる反面、持続時間が短いという欠点があります。
一方「赤筋」ですが、この赤いのはまさに血の色だと思っていただければOKです。
血から酸素をたくさん供給してもらいながら長時間動き続くことのできる筋肉です。
反面、それほど高いパワーが発揮できる筋肉できません。
正確にはその中間的な筋肉もあるのですが、おおざっくりこの二つがまずあると思ってください。
このネーミングがですね・・・・個人的にあまりいいネーミングではないと思っています(^^;
速筋と言われるとあたかも「速い動きの時に使われる筋肉」と想像される方がほとんどだと思います。
でも実はこれらの筋肉の使われかたの違いに「速度」はそれほど関係ないんですよね(^^;
「速筋・遅筋という言葉に惑わされないために」
ここでよくこう質問をいただくんですよね(^^;
速筋鍛えるには「速く動くトレーニングした方がいいですか?」と・・・・
まあ、確かにそおっちゃそうなんですが・・・・
こういうと結構びっくりされることがあります。
「バーベルでめっちゃ重い重さでスクワットしたり、ベンチブレスでゆっくり動いているときでもほとんど「速筋」を使ってるんです!」
と言うとです(^^;
速筋と命名されているにもかかわらず、ゆっくり動いていても鍛えられる・・・・
なんかちょっと不思議に感じる方もいらっしゃるのではないでしょうか?(^^;
この速筋と遅筋ですが、それぞれの筋肉を鍛えたいときにその名の通り速く動けば速筋線維が、ゆっくり動けば遅筋線維が働くのかというと、必ずしもそうではない所がポイントです。
速筋を鍛えるためには「ゆっくり」でもいいんです!!(^^)
- ゆっくり動くから「遅筋」が鍛えられる
- 速く動くと「速筋」が鍛えられる
と思い込んでいる方多いと思いますが、それは違います!
ではその速筋と遅筋を鍛え分ける最大のポイントはなにかと言うと・・・
その切り替えポイントは「スピード」ではなく「負荷」だと思ってください。
- 「軽い負荷」で筋肉を動かしている場合は「遅筋」が鍛えられます。
- 「重い負荷」でトレーニングした場合に鍛えられるのは「速筋」です。
ゆっくり動作していてもそれが「重い負荷」であれば速筋線維に刺激が入ります。
例えば、バイバーイと手を素早くプルプルと降る・・
この仕草を速く行なったとしても、使われているのはほぼ「遅筋」だったりします!
負荷が軽いので(^^)
また、負荷とはかならずしも「重量」である必要はなく、ジャンプするときも足には強い「負荷」がかかります。
この時も重たい重量を持っているわけではないですが、速筋は十分に使われています。
ダッシュしている時も決して「重い重量」を持っているわけではないですが、脚には強い「負荷」がかかっているので速筋が使われています。
ダッシュだったりジャンプだったり速い動作で速筋が動いているのはみなさんイメージつくと思うのです。
しかしこれは必ずしも「速く動いているから」ではなく「強い負荷」がかかっているからなのです。
10回「ギリギリできる重さ」という高い負荷でトレーニングすれば、スロートレーニングというゆっくりとした動作であっても、使われるのは「速筋線維」になります。
ただしスロートレーニングは「あえてゆっくり行う」のであって、通常のトレーニングよりも使用重量がどうしても軽くなってしまうので、より速筋線維を鍛えたかったら重い重量でトレーニングできる通常のウェイトトレーニングの方が有利となります。