「クリーンのステップアップ!よりウェイトリフティングに近づける」
通常何かのスポーツのためにクリーンを行う場合は、「ハングクリーン」という、ハーフスクワットくらいの膝の曲がり具合のポジションから一気にバーをあげて、胸の上でキャッチする・・・という種目から初めていくものです。
そして次に前のページでご紹介したパワークリーンと言う、床にバーベルを置いた状態から上げていく種目に発展して行きます。
そして・・・けっこうここまでで終わっている方も多いと思います(^^)
しかしクリーン系エクササイズというのは、他に「ジャーク」「スナッチ」というものがあります。
オリンピックで見たことがある方も多いと思います。
ジャークは「クリーン&ジャーク」と言われるようにクリーンで胸の上で受け止めたバーベルを頭の上まで腕を伸ばし切り挙上することです。
スナッチは、頭の上まで挙上するのは同じですが、これをクリーンのように一旦胸の上で受け止めるのではなく「一気に床から頭の上まで」持っていきます。
・・・・・難易度高くね?(^^;・・・・・・
と大半の方が思われると思います。
確かに、立った状態でバーベルを腕を伸ばして頭の上に挙上する・・・
失敗すれば、後ろにひっくり返ったり、バーベルの下敷きになる可能性も0ではありません・・
また、クリーンの場合と違うのは、下ろすときに割とスナッチ・ジャークとも「バーベルを放り投げる」ことで競技が終了することです。
いやー、専用の床でないとできないですよね(^^;
床に穴が空いちゃいます(^^;
なので大抵の方はあまりやらないものですが・・・・
スナッチとジャークに共通するのは「身体を動かす速度が速い」ということです。
しかも一つの方向ではなく「切り返し」も含めて「相方向に素早く動く」トレーニングになります。
どういうことかというと、素早く身体全体を「伸展」させてパーベルに勢いをつけたら「素早くパーベルの下に潜り込む」動作が必要だということです。
この「キャッチ」と言われる動作の姿勢への移行時間はスナッチで約0.346秒、クリーンで約0.324秒と言われています。
この切り返しも含めた動作スピードをある程度の重量を扱いながら行うことは、様々なスポーツのパワーを出しつつ素早く動く身体能力を身につけるトレーニングとして非常に役立つと考えられます。
頭上にバーベルを持ってくる性質上、バーの移動距離が普通のクリーンだけ行うより長いので、身体の爆発的伸展&切り返し&素早い潜り込みがより必要なエクササイズと言えます。
しかし、前述したように危険も割と伴う・・・
なので、いきなり高重量でトライするのではなく、段階を追って取り組んでいかなくてはいけません!
動作の初期の「爆発的伸展」は通常のクリーン(特にパワークリーン)でかなり鍛えることができます。
問題は切り返しを伴う「素早い潜り込み」ですが・・
「クリーンのステップアップ!「素早い潜り込み」のための段階的トレーニング」
まず、ウェイトをつけないでシャフトだけで立ちます。
そのまま軽く勢いをつけてバーを上に上げ胸の前で受け止めると同時に素早く身体をバーの下に潜り込ませます。完全にしゃがみ込むような体勢です。
バーを胸の上にホールドしたまま立ち上がります。
立ち上がったらバーを元に戻します。
クリーンをしている方なら、このトレーニングはまだやりやすいと思います。
クリーンで「バーベルをあげる」のではなく「体の方を下げる」トレーニングだと思っていただければわかりやすいと思います。
このトレーニングで、まずは立った状態から「バーの下に「素早く」潜り込むトレーニングをしたら、次はさらに難易度を少しだけあげます(^^)
「スナッチ」というやつですね(^^;
まず、ウェイトをつけないでシャフトだけで立ちます。
そのまま軽く勢いをつけてバーを腕を伸ばしたまま上に上げると同時に素早く身体をバーの下に潜り込ませます。
やはり完全にしゃがみ込むような体勢ですね。
バーを頭の上にホールドしたまま立ち上がります。
立ち上がったらバーを元に戻します。
こちらは普通のウェイトトレーニングをやり込んでいる方でも、結構難しい部類のトレーニングでしょう。
普段のトレーニングで、バーをショルダープレスの腕を伸ばした状態からスクワットしているなんて方いないですよね(^^;
両方のトレーニングとも、まずはクリーン、そしてパワークリーンである程度の重量を扱えるようになってから「バーだけ」で始めて行くようにしましょう。
バーだけに慣れてからも、重量はとにかく軽いものから使用していき安全には十分に気をつけるようにしてください。
特にスナッチの方はバーを頭上に落としたり後ろにひっくり返らないように細心の注意を払って行います。
もしくは最初にご紹介したクリーンのしゃがみ込むバージョンのみのトレーニングまででも、一般の方には十分だと思います。
素早い身体の爆発的伸展からも素早い切り返し&潜り込み・・そしてウェィトを瞬間的に受け止める・・・
この連続した素早いパワー発揮を養う非常に優れたトレーニングです(^^)
写真資料
NSCA Strength&ConditionJournal 2016年 10月号より