皆さんこんにちは!
パーソナルトレーナーの野上です!
今日は「歩いて痩せてみる」についてというテーマでお届けしたいと思います。
歩いて痩せる・・・よく「一日一万歩歩きましょう」ということを聞いたことがある方も多いと思います。
これ何を基準に算出されているかご存知の方いらっしゃいますでしょうか?
この根拠として損耗になったエビデンスに太っている人は、一日の摂取カロリーが約300Kcal余分になっているというデータがあるんです。
そしてこれを消費するために90分で9000歩クリアすればOKとのこと・・・
ええい!覚えにくいから1万歩にしてしまえ!
・・・・と、やや乱暴な基準でこうなっている次第でございます!
以来すっかり「一万歩」という単語だけが一人歩きしている状態が続いています(^^;
僕のジムのお客様でも万歩計をつけていて、僕に「野上さん今日は何歩歩きました!!!」とわざわざご報告していただけるシニア層のお客様は結構いらっしゃいます(^^)
それ自体はとてもいいことだと思います(^^)
しかし・・・・どうせならもう少し効率的にしない?
というのが今日のテーマなんですが・・・・
どうすれば?というご質問が速攻聞こえてきそうですが、難しいことはありません!
歩くスピードに一工夫です!
速く歩けばいいんでしょ?と思われるかもですが、残念!!
これにはもう少し工夫が必要です。
インターバル速歩の勧め
どうするかというと「速い歩き」と「ゆっくり歩く」のを「交互に行う」のです。
実は体内に刺激を与えたい場合、一定の強度をずっと与え続けるより「強弱を繰り返す」方が効果的なのです。
タバタメソッドいうものがありますが、これは20秒の全力運動と10秒の短い休息を交互に8セット行うという高強度インターバルトレーニング(HIIT)の代表的トレーニングです。
この短い時間の強弱のトレーニングを交互に数分行うだけで、体重減少に明らかに効果があったというエピデンスが数多くあります。
その為今までの「長い時間ゆっくりと有酸素運動を行う」というダイエットの定番トレーニングの常識を覆した画期的なトレーニングとして有名です。
しかしいきなり20秒の全力運動を短い休息で8セットやる・・・
実はこれ非常にきついトレーニングで、とてもこんなのできない!という方も多いと思いのが現実です。
そこでこれをソフトに行うために「速いウォーキングと遅いウォーキングを交互に行う」のがオススメだったりするんです。
でもスピードはどれくらいが目安なの?と言う疑問が湧くと思います。
これは
- 速いスピードのウォーキングは「時速6km」
- 遅いウォーキングの時は「時速4km」
を目安にしまします!
と言ってもスピードメーターが身体についているわけじゃないし・・と思われますよね(^^;
時速6kmとは、歩くスピードでは一般の方からすればほぼ「最大スピード」です。
ジムのランニングマシーンでも「時速6kmを超えたらもう走ってください」と指示するくらいのスピードです。
これはかなり速い、全力スピードの速歩だと思ってください。
それに対して時速4km・・・これも決して遅くはないです(^^;
よくスポーツウェアに身を包み、手を元気よく振って「なんとなく速い」スピードで「ウォーキング」してる方見かけると思います。
それくらいで時速4kmです。
つまり少し速く歩いた状態と、ほぼ全力で歩くを繰り返すのです。
最初は速く歩く時間を「2分」遅く歩く(と言っても遅くないですが(^^; )時間を「3分」とします。
合計5分ですね(^^)
これを6セット繰り返せば30分、12セット繰り返せば1時間になります。
慣れてきたら速いを「3分」遅いを「3分」にして6分を1セットにして、5セットなら30分、10セットなら1時間としましょう(^^)
ただ、漫然と歩くより、このようにメリハリをつけて歩くのが「痩せるために歩く」の極意だと思ってください!
インターバル速歩が痩せる理由
まず「なんでそれが極意なの?どんなメカニズムなの?」というところについてお話ししたいと思います(^^)
みなさん「LT値」というのをご存知でしょうか?
強度の強い運動を行うと出てくるのがみなさんご存知「乳酸」です。
筋肉の中にたくさん乳酸が出ている強度の運動はいわゆる「無酸素運動」と言われるもので、簡単に言えば「筋トレ」しているようなトレーニングです。
それに対して有酸素運動とは「ジョギング」や「バイク」「水泳」と言った比較的長い時間できる運動を有酸素運動と言います。
この有酸素運動で最も効率のいいポイントは、この乳酸が急激に出てくる付近すれすれの強度で行うことが推奨されているんです。
この時速6kmとは、ちょうど、この乳酸が急激に出てくるポイント・・
「LT値」付近の運動となるんです。
実際は「LT値」というのは、最大運動強度の50%位から出始め70%のところで急激にそれが上昇します。
「歩く」というのは、実は速度が上がっていけばいくほど運動効率が悪くなります。
速度が上昇して(大体時速7kmくらい)いくと効率を求めて歩く→走るに人は動作を変化させます。
なので時速6kmというのは、いっそのこと軽く走っていた方が効率がいいんじゃ?位の運動強度であり、それがちょうど「LT値付近」の運動だったりするんです。
乳酸が出るような強度の高い運動をすると、ブドウ糖を積極的に取り込もうとするタンパク質(GLUT4)が発現します。
この結果糖の代謝も高めることができるのです。
LT値付近の運動は、脂肪の燃焼にも、糖の代謝にも非常に有効です(^^)
なんだ、じゃあ、時速6Kmで歩き続けた方がいいんじゃない?と思われる方も多いと思います。
これは先ほども述べたように、速く歩くというのは実は非常にきつい運動です。
「競歩」という陸上競技の種目は、実は走るよりきつい競技である!と言われる所以です。
なので、途中にゆっくりとした歩きを入れて、しっかりと休みを入れ高い強度の運動を積み重ねられるようにしていった方がトータルの運動量は多くなります。
また、ラットの実験では、強度の変わらない運動を長時間行った時より、短時間の高強度運動を行った時の方が脳に蓄積されたグリコーゲンの量を維持しやすいという結果が出ているそうです。
脳のグリコーゲンの量は疲労感と相関関係があると言われています。
グリコーゲンの量が少なくなると疲労感を感じ、維持できていれば疲労感を感じにくくなるのです。
短時間の高強度運動は比較的疲労を感じにくくする働きもあるので、短時間の高強度運動と低強度の運動を組み合わせて、高強度の運動を積み重ねていって脂肪や糖の代謝をどんどん促していくことが効果的なんです。
よろしければ、ぜひ明日からの普段の何気ない歩きの中に「速い歩き」を適度に加えてインターバル走ならぬインターバル速歩にチャレンジしてみてはいかがでしょうか ?(^^)