皆さんこんにちは!
パーソナルトレーナーの野上です
ジャンプ力向上を目指すトレーニングとして、バーベルを瞬間的に上げる「爆発的エクササイズ」を行うことはとても大切なことです。
オリンビックで各競技別のジャンプ力を測定した時に、最も平均ジャンプ力の高い競技はバスケットボールでもバレーボールでもなく、ウェィトリフティングの選手のグループであることはよく知られた話です。
ある程度の重量のバーベルを瞬間的に頭上に持ち上げるためには、非常に強い「瞬発力」が必要とされます。
その「瞬発力」を養うための代表的な種目に「クリーン」と言う種目があります。
今日は「クリーン」にステップアップしていくための各種トレーニングをご紹介したいと思います。
データ参照元 NSCA 全米ストレングス&コンディショニング協会
「クリーン」にステップアップしていくための各種トレーニングをご紹介
いきなりクリーンを行うのはちょっと難しい・・
そんな方にこのページではクリーンに繋げるための各種ドリル的なトレーニングをご紹介したいと思います。
「ブルツーニー」
この種目は、スナッチやクリーンを指導する際に、ウェィトリフティング動作のバリエーションエクササイズとして、もしくは単独のエクササイズとしても実施される種目です。
クリーンには「ファーストプル」と「セカンドプル」といわれる動作があります。
このプロツーニーは、「ファーストプル」に照準を絞ったエクササイズとなります。
動作自体はそれほど難しいエクササイズではありません。
バーベルをクリーン、もしくはデッドリフト の動作から「膝の高さまで上げて」下ろすエクササイズです。


膝の高さまで上げて下ろすってめっちゃ動く範囲狭くない?
なんて思われるかもしれませんが、はい、確かに狭い範囲で動くエクササイズです(^^)
これがですね・・・・辛いんですよ(TT)
スクワットもそうなんですが、足が伸びた時ってデッドリフト もスクワットも「休める」時なんです。
そりゃ脚が伸びきっていればバーベルはその上に乗っているだけなので、足を曲げている状態から伸びていく過程に比べれば足にかかる負荷は格段に少なくなります。
しかし、このプルツーニーは、そういった「休み」がなくなるので、レッブ数をこなしていくとかなりきつく感じるエクササイズです。
可動範囲を極端に狭くすることによってその範囲の力の発揮だけにフォーカスができます。
このファーストプルの力の向上のためのエクササイズとしては非常に優れたエクササイズと言えます。
スクワットには、足を伸ばしきらないで行う「ノンロックスクワット」というスクワットのやり方があります。
これはわりとセットの最後の方で筋肉に効かせるために行う目的で行われる種目です。
しかしこのプルツーニーに関してはそういうやり方とはちょっとポジショニングが違います。
どちらかというと「マックス」に近いポジショニングにある種目と言えるでしょう。
ベンチプレスなどでは、1回ギリギリ上がる重さ・・いわゆる「マックス」を行うときは、ウォーミングアップセットをある程度こなしてから行うものです。
決して最終セットでやることではありません。
マックスのチャレンジはどちらかというとトレーニングの中盤から前半に行うものですが、このプルツーニーもどちらかというと、それくらいな感じで取り入れる種目です。
雰囲気的にデッドリフトをフルレンジでおこなえないような高重量で実施するという感じです。
フルレンジでは上がらない重さなのだけど、膝の高さまではなんとかあがるという重量でまさにデッドリフト の「マックス以上」の重さで取り入れるとさらに良いです!!
プルツーニーの注意点は、基本的にデッドリフト と全く同じです。
狭い範囲であるがゆえに、ポイントを集中させやすく、高重量を使い易いプルツーニー!
デッドリフトが頭打ちの方にも新たな発見があるかもしれません。
そしてもちろんクリーンの使用重量にもいい影響を与える種目です。
「ジャンプシュラッグ」
この種目は、スナッチやクリーンを指導する際に、ウェィトリフティング動作のバリエーションエクササイズとして、もしくは単独のエクササイズとしてよく実施される種目です。
ただクリーンの場合どうしても、バーベルを持っている腕を「くるっ」とリフティングの途中で返す必要があります。
この返す動作にちょっとテクニックが必要なんです。
そしてこの腕を返す動作を行わずに瞬間的に足腰だけ爆発的なエクササイズを行って、いわば「地力」を養うような種目を行うことはかなり大事だったりします。
腕を返さずに済む分高重量にトライして、腕を返してはできない重量に足腰や体幹を慣らしておくことができるからです。
この「ジャンプシュラッグ」は、そのためのエクササイズだと思っていただいて良いと思います。
ではどんな種目かと言うと、まずバーベルを持って立っていただきます。
グリップは「オーバーハンドグリップ」と言われるグリッブです。
まあ「順手で握る」と思っていただいてOKです。
ただしより重い重量でこの種目を行う場合は、デットリフトで行うフックグリップやストラッブというバーベルと腕をつなぐ補助用具を使うことをお勧めいたします。
そのまま、腰から下だけ「パワーポジション」と言われる姿勢になります。
パワーポジションとは、スクワットの直立姿勢から少し膝を曲げたくらいの姿勢です。
多くのスポーツでは、腰を少し落として構えることが多いと思いますがその姿勢だと思ってください。
この時の注意ポイントは
- 背筋はまっすぐ
- 肩甲骨同士は寄せて、胸を張る
です。
「腰から下だけ」とは、つまり上体はこの時は「直立」を保ち、バーベルは太ももの前に乗せるようにします。

このスタートポジョンから、身体を前傾していき、膝もやや屈曲させながらバーベルを膝頭の前まで下ろすようにします。
この時、お尻を少し後ろに突き出すようにしましょう。
視線はこの時下を向きがちですが、前方に視線を固定します。
この下ろす作業は、ジャンプの前のしゃがみこみの動作なのでできるだけ素早く身体を下降させるようにしましょう。

バーベルが膝頭まできたら一気にジャンプします。
この時に「肩をすくめる」ようにしてバーベルを引き上げるようにします。

注意点としては、途中までは「かかと重心」で引き上げることです。
つま先重心だとバーベルが必要以上に体から離れてしまい、腰に余計な負荷がかかってしまいます。
そしてここが難しいのですが、足首、膝、股関節の3つの関節はジャンプする時に全て十分に伸ばしてジャンプするようにしします。
特に大事なのは「足首」です。
かかと重心から一瞬で足首を伸ばしてジャンプするのは結構難しいかもしれません(^^;
また、空中では十分に「肩をすくまして」バーベルを引き上げましょう。
この動作が不十分だと、ここから先のクリーンなどのエクササイズにつながるエクササイズ動作として不十分になってしまいます。
現実にトレーニング計画に落とし込む場合の一例をご紹介すると、最初はハングクリーンの最大挙上重量の65%以下の重量で10回3セットくらいを目安に行います。
そして動作に慣れる期間を2〜3ヶ月ほど設けます。
そこから、徐々に重量を上げ3〜5回ギリギリ上がる重さで3セット実施まで負荷を上げます。
これも2〜3ヶ月ほど実施したらクリーン以上の重さでも実施できるように取り組んでいただきます。
そしてそこまで使用重量が伸びたら、他の種目と色々と調整していきます。
あまり行うことのない種目かもしれませんが、動作が割とシンプルな割にしっかり爆発的な筋力は養える種目ですので、よろしければご自身のトレーニングに取り入れてみてはいかがでしょうか?
ハングハイプル
クリーンの効果をもっと手軽にステップアップを見込めるエクササイズが、このハングハイプルというエクササイズです。
どんなエクササイズかというと・・・・
写真を見てみましょう(^^)
はい、こんな感じです。
クリーンとの大きな違いは「手を返さない」点です!
そしてもう一つ大事な点があります。
写真では分かりづらいですが、一旦「下降」させるんです。
スタートポジションはバーベルを股関節の付け根あたりにセットし、一旦膝のあたりまで下降させてから一気に持ち上げ、顎のあたりまでバーベルが「浮き上がる」くらい勢いよく下半身を爆発的に伸展させます。
写真のフォームを見ていただくとわかると思いますが、特にバレーボール選手のジャンプの瞬間のフォームに非常によく似ているの、バレーボール選手のジャンプ力向上に役立つエクササイズとしてオススメできます。
前のページでご紹介したジャンプシュラッグよりも顎のあたりまで加速させながら上げるので、バーベルを加速させている距離が長くなります。
しかも「返し」がないので、より動きがシンプルですからクリーンより重い重量にチャレンジするのも可能だったりします。
動作の注意点を少しまとめて見ます。
- 重心は踵重心
- 最も引き上げたときは肩をすくめるようにし、肘も十分に高く上げる
- 股関節、膝関節を伸ばすだけでなく、足首も十分に伸ばす
などです。
クリーンは数あるトレーニングの中でも難易度の高い種目の一つです。
いきなりクリーンを行なって上手くいかない・・・という方はぜひ上記の種目を一つずつ追っていきながらクリーンに繋げて行くようにしてください
色々書きましたがよろしければご参考に(^^)
ではでは!!!



