皆さんこんにちは
パーソナルトレーナーの野上です
今日はまず皆さんとの質疑応答についてご紹介させていただきたいと思います
今日ご紹介する内容は以下の通りです。

デッドリフトとかは増えていますが。
単純に胸筋を鍛えれば増えるんでしょうか?

ベンチもやっていればそのうちのびてきますのでそのままご継続してください(^^)

重さは、8割ぐらいの力で回数を多くあげた方が良いんですか

というものでした。
なんでベンチだけ伸びない?
筋トレを指導しているとたまにあるご質問です。
ベンチプレス・スクワット・デッドリフトという基本種目を指導したお客様がしばらく経つと、よくこういうことを言ってくる方がいます。
「スクワットやデッドリフトはめっちゃ伸びるんですけど、なかなかベンチだけ伸びないんですよー、野上さん、なんで?」と(^^;
これちょっと考えれば簡単なんですが「動員される筋肉量が段違い」だからです。
スクワットとデッドリフトに関して使われる大きな筋肉は、大腿四頭筋、ハムストリングス、大臀筋、固有背筋とたくさんの大きな筋肉が使用されます。
そして、それらの筋肉の一つ一つが少しずつ強くなっただけでも、それらが集まれば大きな筋力を発揮できるわけで、当然、使用重量の伸びは早くなる傾向にあります。
それに比べて、ベンチプレスで使用される筋肉は、主に大胸筋、三角筋、上腕三頭筋の3つの筋肉で(前鋸筋も使用される)、そのうち大きな筋肉と言えるのは大胸筋くらいなものです。
そうすると、どうしても「伸び」の部分で言えばスクワットやデッドリフトに及ばないというのが現状なのです。
またどうしても「まず、ベンチプレス」からフリーウェイとトレーニングを始める方が多く、慣れてきて「もうちょっとなんかない?」となったときに、スクワット・・・
そして最後にデッドリフトを行う(デッドリフトは腰を痛めそうと敬遠される方が多い)パターンがフィットネスクラブでは多いように思います。
でも最後に導入したスクワットやデッドリフト の方が遥かに伸びが早い・・・
ベンチはそのまま・・・・焦りますよね(^^;
みなさんに言いたいのは、ここで「焦らない!」ということです!
ここで焦って、使用重量を無理に伸ばすと、怪我をしたり伸びがかえって遅くなったりすることがあります。
基本はベンチプレスの使用重量を上げること・・しかし
まず「使用している重量を伸ばしたい」と思う場合、これはとても単純な対応になるのですが「普段のトレーニングの使用重量を上げる」ということが基本的な対処になります。
しかし、それもケースバイケースなところがちょっとややこしいのですが(^^;
概ねですが、筋トレには
- 「筋肥大」を主な目的とするトレーニング
- 「筋力」(挙上重量を上げていく)ことを主な目的とするトレーニング
に大別できます。
(まあ、他にも筋持久力だったり瞬発力だったりしますが、一旦置いときます)
最初に筋トレの基本的なことを述べてさせていただきます。
まず筋トレをしていくと、筋肉が、いきなりもりもりとついていくなんてことはありません(^^;
大抵最初の2~3か月は筋肉に変化はあまり見られないものです。
しかしベンチプレスやスクワットにしても、最初は筋肉痛が激しかったのに何回かトレーニングしていくと筋肉痛は出なくなり、やがて少しずつトレーニングの使用重量は伸びていくのが普通です。
これは一般に「神経系の成長」と言われるものなのですが、筋肉の量はそのままでも筋肉を使う「神経」が伸びて(正確には繋がって?)、今までよりも使える筋肉の「領域」が増えることによって起きる現象です。
かなりざっくりした説明ですが、筋肉全体を使えるまで神経が隅々まで伸びていくと思ってください。
そしてそこまで伸びたら、やっと今度は「筋肉自体」が増量していくというステップを踏んでいくんです。
そして、筋肉が増えれば当然、使用している重量が伸びやすくなるものなのです。
つまり筋トレ初期こそ「筋肉はそのまま使用重量が伸びる」という現象は見られるものの、その後は「筋肉が増える→使用重量が伸びる」という順番になっていくのが普通です。
筋肉の断面積あたりの出力には限界があるので当たり前といえば当たり前です。
・・・まあ、ベンチプレス大会などであまり筋肉の量がない人がものすごい重量を上げる方がいますが、ちよっとそれは例外だと思った方がいいですが・・・(^^;
この現象とMAXの伸びを照らし合わせた場合、トレーニングの中期的な進め方の順番は、まずトレーニング初期の「神経系の伸びがある程度一巡」したと思ったら、次に「肥大系」のトレーニングにスイッチしていくのがオススメです。
そして筋肉が肥大したら、再びその「肥大した筋肉に神経を伸ばしていく」ように、神経系が伸びるトレーニングをします。
神経が伸びきったら、また筋肉を肥大させていく・・・そして肥大した筋肉にまた神経を伸ばしていく・・・
これを繰り返していく「感じ」で捉えていただくと一般の方にはわかりやすいのではないでしょうか?
よく言うのですが、実は「筋肥大」と「筋力の向上」を「同時並行」してトレーニングしていくより、ある程度の期間「片方に特化」してトレーニングして、それが終わったら「もう片方に特化する」トレーニング法が、長期的に見た場合効率がよかったりするんです。
次のページでは実際のトレーニングについて色々とご紹介していきたいと思います