腰痛ストレッチの基本にプラスあと一つ工夫
腰痛の85%が原因である筋筋膜性腰痛の原因は筋肉の拘縮です。
そしてスタティックストレッチ、すなわち反動をつけない静的ストレッチを行なうのは筋肉を緩ませてあげる為に行ないます。
筋肉は静かに伸ばしてあげると緩んでいくものです。
筋肉は急激に伸ばすと伸張反射という反射が起こり筋肉は緩むどころか逆に収縮しようとしてしまいます。
ここでご紹介するアプローチは「緩ませながら鍛える」という考え方です。
つまりストレッチをして筋肉を伸ばした状態で若干の筋肉への刺激を与え、伸ばしている筋肉を緩ませつつ動かしつつという状態にして筋肉の活動単位を刺激してあげるアプローチです。
まずは先ほどの両膝を抱えて胸の方に引き寄せるストレッチでもう一工夫です。
このまま脚を抱えたまま、だるまさんのように左右にゆらゆらと揺れてみて下さい。
これだけです。(笑)
実際に行なってみると分かりますが、両膝をがっちり抱えて行なうと、左右の背中の筋肉(と脚)を交互に力を入れて、さらに抜いていかないと身体を左右に揺らす事が出来ない感覚が分かっていただけると思います。
これでいいんです。
腰痛は背中の筋肉が張っている状態が長く続いて起こる事が大多数なので、いかに力を抜いてあげるかはとても大事になります。
こうやって力をいれて、さらにわざと抜かないと動作が行なえないようなエクササイズを行うと、その力の入り切りの連続(ある意味での動的ストレッチ)でやがて腰がほぐれてくるのです。
若くて脊柱の柔軟性が保てている方には今ひとつ実感が乏しいかも知れませんが、シニア層の方には良いエクササイズです。
ぜひいくつかの腰痛ストレッチと組み合わせて、流れの中で上手く取り入れてみて下さい。
ただしこのストレッチはあくまで筋膜性の腰痛になっている方向けのストレッチとなります。
椎間板ヘルニアの方は、腹部をこのように屈曲するのはあまりお勧めではないですので、ちょっとそういう方は様子を見るようにしてください(^^)
さらに一工夫!
またこれらのストレッチをしながら色々と工夫ができるのです。
例えば、最初の片足を抱え込むストレッチです。
これに両手を膝の後ろ側に回して足を胸に引きつけつつ「軽く膝の曲げ伸ばし」を繰り返してハムストリンクズから腰を刺激してあげることが出来ます。
もしくは膝をすこし伸ばして、その状態のまま足首だけを曲げたり伸ばしたり、もしくは回したりする動作を入れてあげます。
すると腰のあたりが「ピクピク」と細かく動いているのがわかると思います。
腰の筋肉といっても、実は脚や足首と連鎖的に筋肉は繋がっています。
筋肉を伸ばしながらこれら先端の筋肉を色々と動かすと腰の筋肉にいろいろな力が連鎖的に入るのです。
腰を伸ばしつつ筋肉を動かしていくちょっと変わったアプローチになります。
さらにもっと分かりやすい動作で説明すると、普通の長座体前屈、(要するに足を伸ばして前屈)をしながら、足首を前に倒したり反らしたり、回したりすると微妙に腰の筋肉が動いているのが感じていただけると思います。
ただ伸ばして緩ませる・・・だけでなく、伸ばしながら筋肉への刺激を連鎖的に繋がっている筋肉を動かしてあげ、動きやすい状態に筋肉を刺激してあげることを目的としたアプローチです。
試していただくと、少し腰が動きやすくなる方もいらっしゃると思います。
万人に効く・・とはいいませんが、ただストレッチをするだけでなく、こういう筋肉へのアプローチもあるんだなー位に覚えておいていただければと思います。