腕立て伏せのバイオメカニクス的データ
皆さんこんにちは!
パーソナルトレーナーの野上です
今日は「腕立て伏せのバイオメカニクス的データ」というテーマでお届けしようと思います(^^)
腕立て伏せ・・・・・永遠の筋トレのテーマですね!(^^)
家で行う筋トレの定番中の定番と言えます!
この腕立て伏せをバイオメカニクス的に細かくデータ紹介しようと思います!
データ参照元 NSCA 全米ストレングス&コンディショニング協会 strength&conditioning journal
腕立ての起動は円形
普通の腕立て伏せを行なった場合ですが、ベンチプレスと違って足の先が床についているところを支点にやや「円形」の動きを身体がなぞります。
これはどういうことを意味するのかというと、腕立て伏せは身体を上げて下ろす間に「腕や胸にかかる負荷が変化する」という特性があります。
どう言うことかと言うと、腕立て伏せで身体にかかる負荷は、身体が床と水平になっている時がもっとも腕や胸にかかる負荷が強くなり、身体が起きていけばいくほど負荷は軽くなっていくのです。
また、腕立て伏せをしている時に胸や腕にどれくらいの負荷がかかっているのか?と素朴に思った方いらっしゃいませんか?
ベンチプレスなら設定した重量がそのまま負荷になり、またそれが変化していくことなんてありません。
腕立て伏せの実際の負荷
身体が床にもっとも接近している腕立て伏せの最下点では「自重の75%」の負荷がかかります。
そして腕を伸ばして身体が起き上がった状態・・・つまり腕立て伏せの最上点では「自重の69%」の負荷になります。
つまり体重が60Kgの人なら腕立て伏せの最下点では45kgの負荷となり、腕を伸ばした状態では41.4kgの負荷がかかっているのです。
体重60Kgの方なら、40Kgのベンチプレスを行うのなら、腕立て伏せをしていただく方が負荷が強いので筋肥大やパワーアップには有利であると言えます。
次に膝を床についた状態で腕立て伏せを行うと、支点と作用点の距離が短くなり「てこの距離」が短くなるので胸や肩、腕にかかる負荷は軽くなります。
これが身体をまっすぐにした場合に比べてどれくらい軽くなるかというと・・・・
身体が床にもっとも接近している腕立て伏せの最下点では「自重の62%」の負荷がかかり、最上点では「自重の54%」の負荷になります。
膝をついた場合は、つま先をついて腕立てを行う場合と比較すると8~15%負荷が軽くなる換算です。
体重60Kg換算してみると・・・・それぞれ37.2kg、32.4kgとなります。
よく「ダンベルならあるんですが、ダンベルチェストプレスで胸は大きくなりますか?」という質問をいただくのですが、ダンベル二つ合わせて30kgに満たない場合は、膝付きの腕立て伏せをしていただいた方がまだいいという結果になります(^^;
(よく5kgのダンベルなら二つありますとか言われます(^^; )
腕立て伏せの各筋肉の筋活動
腕立て伏せというトレーニングで主にターゲットとして鍛えられる筋肉は
- 大胸筋 (胸)
- 三角筋(前部) (肩)
- 上腕三頭筋 (腕の後ろ側の筋肉)
の3つの筋肉です。
最大に筋肉が収縮した場合を100とした場合、腕立て伏せで使用される筋肉は、その動作中どれくらいの筋活動をしているのかというと、平均値ですが以下のような数値になります。
- 大胸筋 61%
- 三角筋前部 42%
- 上腕三頭筋 66%
腕立て伏せで体幹を鍛える
腕立て伏せというのは手軽に行え、筋トレ初期にはとても有益な筋トレの種目でもあります。
また、ベンチプレスと違いバリエーションを豊富に行えるのでいろいろな筋肉の動員の仕方をすることのできる種目です。
そして腕立て伏せはある意味で「全身運動」とも言えるんです。
なぜなら、仰向けに寝て行うベンチプレスと違い、うつぶせの体勢で身体をまっすぐに保ちながら行う運動なので「体幹トレーニング」にもなっていたりします。
しかし、それがどれくらいの強度になっているのか?
・・・というところを正確に把握されている方は、かなり少ないと思います。
まず、体幹には大きく4つの筋肉があると思ってください。
腹筋のぼこぼこしたメインの部分である「腹直筋」
身体の脇腹にある「外腹斜筋」と「内腹斜筋」
それらの筋肉の内側に腹巻のように体幹部分をぐるっとまわっている「腹横筋」です。
これら体幹の筋肉の最大収縮と比較した場合、腕立て伏せを行なった場合の筋肉の活動の平均はそれぞれ以下のようになります。
- 腹直筋 29%
- 外腹斜筋 29%
- 内腹斜筋 10%
- 腹横筋 9%
やはり主動筋(胸・肩など)にくらべると、使用されている割合はどうしても少なくなりますね。
腕立て伏せは実は全身運動
ちなみに、腕立て伏せとは別名プッシュアップというれているその名の通り「押す」動作になります。
この反対に「引く」という動作があり、引く系(フィットネスではローイング系といわれる)のトレーニングでは、押す系のトレーニングで鍛えられる筋肉と真逆の筋肉が鍛えられます。
胸の反対側は・・・背中、主に広背筋や僧帽筋という筋肉がこれにあたります。
三角筋の前部の反対は三角筋後部となります。
上腕三頭筋の反対は、上腕二頭筋・・いわゆる力こぶの筋肉になります(^^)
それらの筋肉は、この「押す系」のトレーニングの時に全く使われないのかというと・・・
もちろんそんなことはなく、それらの筋肉も動作中は力がはいっているので、ある程度使用されていると思っていただいていいと思います。
ではどれくらいそれらの筋肉に負荷がかかっているかというと、上記と同じ計測値で比較すると
- 広背筋 11%
- 僧帽筋上部 45%
- 僧帽筋中部 18%
- 僧帽筋下部 27%
- 三角筋後部 17%
- 上腕二頭筋 4%
となっております!
僧帽筋上部だけ使用比率が高いですが、ここは引く系というよりは押す系で使用される比率も高いので分かる気のする数値です。
それ以外はやはり使用比率は低いですね・・・まあ仕方ないとも言えますが・・・・
あと、かなり忘れられがちな筋肉に「前鋸筋」という筋肉があります。
これは肋骨の胸のちょっと脇にある筋肉で、これも押す系のトレーニングをする時に非常に使われる筋肉です。
パンチする時はかなりここ使われます!
この筋肉は腕立て伏せの時には「56%」の筋活動があります!
んー、胸・上腕三頭筋の次に高い数値を示していますね!
腕立て伏せの足の位置、腕の位置で、腕立ての負荷がどう変わるのか?
まず腕立て伏せの筋肉の動員を変化させるために、足の位置を変えることは多いと思います。
この足、そして腕の位置を変化させることによって、どう身体の各筋肉への負荷がかわるかということを研究したデータがあります。
まずパリェーションとして、
- 標準的なプッシュアップ、
- 膝を床についてプッシュアップ、
- 足の高さを30.5cmあるいは、
- 61cmの高さにあげてのプッシュアップ、
- それらの高さに「手」をのせたプッシュアップ
かあります。
この中で最も負荷の高い数値を示したのは、・・・・・
「足」を高い位置に置いて行ったプッシュアップでした!
実際の数値かどうだったかというと61cmのボックスに足を置いた場合は体重に対して74%になります。
体重60Kgの方だと・・・・44.4kgの負荷がかかっていると思ってください!
これが30.5cmの高さに足を置くと・・・・70%に下がります。
体重60Kgの方だと・・・・42kgの負荷がかかっています! んー・・微妙(^^;
普通のプッシュアップだと64%!
次がちょっと微妙で、膝を床についているプッシュアップか、手の高さを高い位置においてプッシュアップのどちらが負荷が強いかというと・・・・
手の位置を30.5cmの高さに手を置いたプッシュアップが55%、膝を床についたプッシュアップが49%で、負荷レベルとしては手を高く置いた(30.5cm)の方が勝ち?といえます(^^;
ちなみに61cmの高さに手を置くと49%まで下がります。
つまり膝をついたプッシュアップと61cmの高さに手を置いたプッシュアップは負荷は同じということになりますね(^^)
腕立て伏せは手の置く位置、足の置く位置によって、負荷というのは微妙に変化をいたします。
筋肥大などにはちょっとやりこんでいくと伸びの限界は早くなりがちですが、筋持久力を含む基礎体作りには大切な役割を果たすトレーニングと言えます。
ぜひ今回のNSCAから発表されている数値をよろしければ皆様のトレーニングのご参考にしてください!
ではでは!
