皆さんこんにちは
パーソナルトレーナーの野上です
ストレッチ・・・・みなさんしている方も多いと思います(^^)
しかし、ストレッチは色々と誤解の多いエクササイズの一つです。
なんとなく良さそう・・・・というイメージで、なんとなくやっている・・・
そんな方が多いのがストレッチではないでしょうか?
今日は疲労回復や筋肉痛の観点からストレッチについてお話ししたいと思います。
ストレッチの前提となる知識について
まずストレッチをなんとなくやっている・・・・
という方のためにストレッチの前提となる知識について少し整理したいと思います。
まずどんなトレーニングにも必ず「目的」というものが存在します。
目的のないトレーニングほど無駄なものはないと断言してもいいでしょう!
いやそれどころかむしろ「それはやらない方がいいトレーニング」になるケースもあるのです。
では、ストレッチの目的は何か?ですが・・・
- 準備体操(怪我の予防)
- パフォーマンスの向上
- 柔軟性の向上
- 筋肉痛の予防
- 整理体操
- 疲労の回復
- 痛みの緩和(腰痛など)
というところが一般的な目的のイメージではないでしょうか?
次にストレッチの種類ですが、これは大ざっくり二つあります。
- じっとしたままゆっくりと筋肉を可動域いっぱいに伸ばしてキープする「静的ストレッチ」
- 可動域はやや狭いものの軽く動きながら行う「動的ストレッチ」
です。
では今日は皆さんからのご質問の多い「筋肉痛」から色々とお話ししたいと思います
「筋トレした後にストレッチしたら筋肉痛になりにくい?」
筋トレをがっつりした!
・・・後に待ち受けている筋肉痛!!(^^;
最初は身体を動かすこともままならないくらい痛いなんてこともよくあります。
まあ、筋トレ歴が長くなってくると「筋肉痛がないと寂しい」なんていうMっ気たっぷりな方が多く出てくることもまた事実ですが(^^;
そして「筋肉痛を予防」するために筋トレ後にストレッチをしているという方とても多いと思います。
しかし答えからはっきり言いますとこの「運動後のストレッチ」は・・・
「筋肉痛の予防には全く効果がない!!」のです!
この筋肉痛について行われた研究をいくつかご紹介したいと思います。
エビデンスをご紹介
片方の足だけ激しいトレーニングをさせ、わざと片足だけ筋肉痛にさせて左右の足にどんな変化が生じているのか?を調べた研究があります。
いくら研究のためとはいえ片足だけわざわざ筋肉痛にさせられる被験者にはかなり同情いたしますが(^^;
左右の足に電極をつけて計測をしたところ左右の違いは全く見られなかったそうです。
この「違いの無さ」でわかったことは
- 筋肉痛は激しい運動で損傷を受けた筋肉が痙攣を起こし血流が阻害されたために起こると考えられていたものが間違いであった
ということです。
痙攣が原因ではないので、痙攣を予防・改善するためのストレッチ(足がつったときに伸ばしますよね(^^) )は効果を出さないと言う流れになるわけです。
次に2009年にオーストラリアのボート選手20人に激しい階段登りをさせた実験をご紹介します。
運動後に15分間静的ストレッチを行なったグループと何もしないグループを比較した研究です。
ちなみにこの研究は二つのグループを1週間後に役割を交換して行わせているので全員筋肉痛にわざと2回させられています(^^;
実験3日後に二つのグループの「筋力」「筋肉痛」「クレアチンキナーゼ」(筋肉の損傷で上昇する数値)を、比較したところ・・・
二つのグループには「なんの差も見られない」と言う結果が出ています!
これにより行ったトレーニングによる差でもないことも証明されています。
オーストラリアのサッカー選手らに実際の試合の後に休憩、15分の静的ストレッチなどいくつかの方法で疲労を回復させそれを隔週で12週間も続けさせた研究があります。
その後筋肉痛、垂直跳び、エアロバイクでのピーク時の負荷、そして柔軟性などの実験項目を調査したところ・・・
「各グループに全く差が見られない」と言う結果が出たそうです。
これらの研究だけでなく2008年になんと25の研究を全てまとめて発表された結論として「ストレッチは筋肉痛の予防にはなんの効果もない」と言うことが「全ての研究」で「見事に一致」したそうです。
筋肉痛防止のために筋トレ後ストレッチをするのは「完全に時間の無駄なトレーニング」と断言できます。
関連YouTube動画 筋トレ後にストレッチしても筋肉痛の予防には役立たない!!について
回復とストレッチ
みなさんがよくイメージする「ストレッチ」とは、じっと筋肉をのばしたまま静止する「静的ストレッチ」の方だと思います。
この静的ストレッチが筋トレやランなどの各種トレーニングの回復に役立つのか?ですが・・・
結論からバッサリいうと・・・
「効果なし」なんです(^^;
これももう散々色々なところで研究されているんですよね(^^;
次に「動的なストレッチ」ですが・・・
これは「効果あり」と言えると思います。
同じ「ストレッチ」という名前がついていても、ここが難しいところです(^^;
とある研究で、トレーニング後の回復手段として
- 積極的休養・・無負荷低強度の自転車運動
- 静的ストレッチ
- 消極的休養(完全休養)
を比較したところ、積極的な休養は持久系パフォーマンスを回復させる効果が完全休養とストッレッチを上回り、完全休養と静的ストレッチにはその差が見られなかったと報告されています。
そう、完全休養とストレッチやった時と差がない・・・・
やっても無駄じゃん!ということなんですよ(^^;
しかし軽く動かす動的ストレッチに関しては運動強度的にも積極的休養と同じように考えていただいてOKです。
したがって疲労回復の目的として動的ストレッチは適していると言えます。
よくサッカー日本代表が試合後に軽く運動していたりするシーンを見ることがあると思います。
あれは筋肉に溜まった代謝物を速やかに除去させ「疲労回復」を目的としているのです。
したがって筋肉痛の予防には効果がなくても、トレーニング後に動的なストレッチをすることにはそれなりに意味があります(^^)
トレーニング後の静的ストレッチになんの効果もないのか?
疲労も回復せず、筋肉痛も予報しないのならトレーニング後に静的ストレッチしても意味ないじゃん!!
と思われるかもですが「精神的な鎮静」の効果を狙う意味では「あり」だと思っています。
どうしてもトレーニングというとトレーニング後「興奮した状態」が続きます。
シャワーを浴びて食事・・そして就寝という流れの中でトレーニングによる精神的興奮を一旦沈めておいて入眠を速やかにする意味ではいいのではないかと思っています。
またストレッチの目的は、何も「筋肉痛予防」や「回復」だけにあるわけではありません!
本来的には「柔軟性の向上!」という目的があるはずです!
そして「柔軟性の向上」を目的としているのならトレーニング後に積極的に「静的ストレッチ」をしていくことを僕はお勧めしています。
可動域を広げ、柔軟性向上を目的としたストレッチは筋肉の温度が高い状態の時に行った方が良いのです。
トレーニング後は筋肉の温度は非常に高い状態になっているのでこの時に行うのは効果高いと思います!
また例えば筋トレと筋トレの間のインターバルの時に使っていた筋肉をストレッチさせて休ませていると筋肉内の血管がストレッチによって圧迫されて血流制限が生まれます。
結果、簡易な加圧トレーニングと同様の効果が見込めます。
この血流制限は筋トレ後の成長ホルモンの分泌の増加が見込めます。
またやったことがある方なら分かりますが非常に「パンプアップ」します。
背中の筋トレなどの「意識がしづらい場所」にこの方法を行わせると、どこの筋肉を使っているのかが非常に分かりやすくなるので、がっつり筋トレして筋肉を鍛えていきたい方には非常にオススメできる方法です。
実は筋肉痛の細かいメカニズムは正確には解明がされていない
先ほどの話の流れで気がついた方もいると思いますが、厳密に言うと筋肉痛の細かいメカニズムは正確には解明がされていないのが実情です。
それを踏まえた上でのご説明になるという事を最初に述べておきます。
最初にまず「なぜ筋肉痛になるのか?」という点なんですが、よくいわれるのは「トレーニングをすると筋肉が微少に破壊され炎症がおきて、それが痛みの元になっている」というものです。
これが発表されたのは1984年のことなんです
わりと新しい?と思うのはぼくだけでしょうか?(笑)
しかし2010年に名古屋大学環境医学研究所の水村和枝教授のグルーブから「筋肉の損傷なしでも筋肉痛は起こる」というレポートが発表されたそうです。
動物実験の段階ですが、筋肉痛がおきている動物の筋繊維をいろいろ調べた所、構造的に筋肉が壊れている様子はなく、炎症反応に対してブロック注射をしてもまったく改善が見られない・・・
つまり損傷はおきていないという事がわかったそうです。(これは仮説ではなく現実)
僕らインストラクターは長年「筋肉痛は筋トレによって筋肉の中が小さく破壊された事が原因でおこる痛みなんです。」というような類いの説明をしてきたと思うのですが、これからはこのフレーズは正しくはないという事になっていきそうです。
んー、時代は変化しますね。
じゃあなんで痛くなるの?というとですね・・・
一応まだ仮説段階であるということをふまえて簡単にまとめると、トレーニングをして筋肉が疲労すると筋繊維の膜の透過性に変化が起こるそうです。
そうすると普段膜で遮断されてでてこない物質が血管内に流れ出し、血管内皮細胞に作用すると痛みを発症する物質(ブラジキニン)が分泌されます。
そこからさらにいくつかの過程を経た上で、筋肉内の「神経を過敏にする」(シンセタイゼーション)がおこるというものだそうです。
要するに「筋肉の破壊」という構造的な問題ではなく「神経の過敏」の問題だそうです。
関連ブログ記事 筋肉痛の時に筋トレして大丈夫?筋肉痛をあてにするな!
「筋肉痛とコーヒーの関係について」
えーっと・・・・まさか・・・・・
コーヒーが筋肉痛に効くなんて言い出すんじゃないよね?
そんな都市伝説風なこと・・・・
いつも健康に関する都市伝説ぶった切ってる野上さんが言わないよね?
はい! (^^)コーヒーには筋肉痛を抑制する効果があるそうです!!(^^)
いやいやいや・・・・(^^;
僕も何か怪しげなネットの情報とか、週刊誌の情報を見て行っているわけではないんです(^^;
NSCAというアメリカで最もメジャーなパーソナルトレーナーの資格発行団体からの2016年4月の情報紙に掲載されていたのです。
ちなみにこの団体はしっかりとした研究による結果を情報紙として発行しています。
カフェインを摂ると最大心拍数、酸素摂取量、疲労に達するまでの時間を増加させるにもかかわらず細胞の酸化的損傷が少ないということがわかっています。
これは身体能力を高める補助剤としてカフェインを摂取することが痛みに対しての悪影響を及ぼさないことを意味しています。
では、どれくらい飲んだらいいの?
と思われるかもですが、これも基準があって体重1Kgあたり5mgとされています。
普通のコーヒーだと2杯程度と同量です。
ただし問題なのは「量」よりも、カフェインを摂取する「タイミング」だそうです。
決められた量を習慣的に摂取していても特に大きな効果はなく、良い効果をもたらすためにはエクササイズ前に摂取することを推奨されています。
- 2007年 Maridakis の研究ではエクササイズ24時間と48時間後に体重1Kgあたり5mgのカフェイン摂取でDOMS(要するに筋肉痛)抑制効果あり、
- 2013年 Hurley の研究ではエクササイズ1時間前に、同じく体重1Kgあたり5mgのカフェイン摂取でDOMS(要するに筋肉痛)抑制効果あり
と報告されています。
ただし二つの研究とも普段のカフェイン摂取は低容量であった人を被験者の対象にしているそうです。
「グラップラー刃牙」という漫画の第一巻で主人公の刃牙は試合前に消化の良いおじやとコーラをがぶ飲みして糖質とカフェイン(コーラにはカフェインが入っている)を積極的に摂っていたのにはちゃんと理由があったんですね(^^)
僕は普段から1日に缶コーヒー2本と普通のインスタントコーヒー1杯くらいを飲む習慣があります。
これが普段のカフェインの摂取が低容量に入るのかどうかわからないですが、そういえば普段散々筋トレしている割には筋肉痛になりずらいのはこのせいなのかしら?(^^;
今度新しいトレーニングで筋肉痛が起きそうな時はコーヒー2杯飲んでやってみます(^^)
皆さんもよろしければチャレンジしてみてください(^^)
最初にも言いましたが、ストレッチは色々と誤解の多いエクササイズの一つです。
ぜひ「目的」と「方法」を適切に理解してご自身のトレーニングにお役立てくださいね(^^)
色々書きましたがよろしければご参考に(^^)
ではでは!
