皆さんこんにちは
パーソナルトレーナーの野上です
一週間に1回くらいのペースでこの質問をいただくことが多いです。
「筋肉痛の時にウェイトトレーニングはしないほうがいいですか?」と・・・・
これはいつも同じ返答をするのですが、基本的に「しないほうがいいですよ」と答えております。
ちょっと考えれば誰でもわかるのでは?と思うのですが、気にかける方の多さにいつもびっくりします。
そんなに痛い時にでもトレーニングしたいんでしょうかね?
ドM?(^^;
おそらくですが、このようなご質問をされる方のほとんどが「筋トレビギナー」の方達ではないかと推測されます!
気合一発、今年こそかっこいいカラダになってやるぜ!
・・・と、筋トレをがっつり始めて見ました!
しかし身体が追いつかず当然のように筋肉痛に陥り・・
でも、始めたばかりなので当然モチベーションめっちゃ高い状態ですから、できるだけ早く結果を出したい!
筋肉をつけたい!
この時間が勿体無い!
筋肉痛の時にトレーニングしても大丈夫なのかなあ?
という心理に陥り、たまらず質問をしてくる・・・・・
というパターンなのではないでしょうか?
まあ、気持ちはよくわかります・・・・・(^^;
ちなみに最初から出鼻をくじくような事をいうようですが、筋肉痛に関しては「本当に正確な事」については現在もわかっていないのです。
しかし、もちろん色々な研究はなされています。
筋肉痛の時にトレーニングを休んたほうがいい理由
理由その1 そもそも筋肉は休ませた方が良い
まず大前提として「大抵の筋肉痛は2~3日でなくなる」ということがあります。
つまりそういうご質問をしてくる方は、トレーニングをして筋肉痛が出ている状態・・・
つまり筋トレをするようになってからあまり時間が経っていないことが予想されます。
そういう筋トレビギナーの方はなまじモチベーションが高いので、
- 「毎日トレーニングすれば早く筋肉がつく」
- 「筋トレしていない時間が勿体無い」
と感じているかもしれませんが・・・・
筋肉をつけたかったら筋トレと筋トレの間は48時間から72時間あけることが基本となります
その休息期間の間に「超回復」が起こり「筋肉が合成されて」筋肉がついていくのです!
したがって筋トレ後はきっちりお休みを入れてあげることが大事なのです。
しかし筋肉痛の時に筋トレをしてもいいですか?というご質問はこの休みをいれずに「トレーニングしても大丈夫ですか?」と聞いてきているのと同じだと僕は思っています。
なので「休みましょう」とアドバイスしているんです(^^)
僕も筋トレしていて新しいトレーニングをすると筋肉痛になることはいまだにあります。
しかし次のトレーニングまである程度期間を置くので、次の筋トレ時にはその筋肉痛は無くなっていることが殆どです。
つまり「筋肉痛の時にトレーニングする」なんて事態がそもそもおこらないことの方がむしろ普通です。
理由その2 「いいトレーニングができない」
筋肉痛の時はトレーニングを休んだ方が良い一番大きな理由は
- いいトレーニングができない
- 筋肉痛の時にレーニングしたって、まともなトレーニングができない
ことが挙げられます。
だって・・・・痛いんですよね?
だったら痛くていつもの重さと回数、セット数のトレーニングできないですよね?
つまり「質の低いトレーニング」をする可能性が高いのです。
また痛みによっていつものフォームができないことも考えられるので「怪我のリスクが高い」事も予想されるんです。
また筋肉をつけたかったら、少なくとも最大挙上重量の67%以上でトレーニングしなければなりません。
しかも回数は
- 67%だったら15回
- 70%だったら12回
- 75%だったら10回
- 80%だったら8回
- 85%だったら6回
と、扱う重量と回数は決まっております。
さらにこれを90秒から2分インターバルで3セット以上行わなければなりません!
しかし、筋肉痛のときというのは、痛みにより
- いつもの重さが上がらない
- いつもの回数・セット数むがこなせない
- いつものフォームでできない
- いつものスピードが出せない
ので、とても「質の低いトレーニング」しかできなくなってしまいます。
筋肉が痛くて低い重さ、低い回数、少ないセット数しかできないトレーニングは正直やっても無駄なレベルのトレーニングになります。
どうせあと1~2日休めば筋肉痛なんてとれますし、また何回か同じトレーニングをしていれば大抵筋肉痛は出なくなるものです
だったら、1~2日ちゃんと休んで、筋肉痛のとれた万全の状態でしっかり上記の重さと回数・セット数をこなせる「質の高いトレーニング」を行っていただいた方が筋肉はつきやすいと言えるでしょう!
ただし・・・
筋肉痛には程度の差があります。
これがあまりに主観的なため、ちょっと例えようがないのです・・・
軽い筋肉痛程度だったら、ちょっと動いてしまった方が筋肉痛が消散する傾向もあるんです。
ただし、この境目が非常に曖昧でおすすめの目安というのがなかなか言えないんですよね。
なのでもうこれの一言に尽きてしまうんです。
「あまり痛いときは休んだほうがいいですよ。軽い筋肉痛程度だったらやっても大丈夫です」と・・
なんかフワッとした言い方ですが、これはもうどうしようもないんです。
「筋肉痛をあてにするな!」
筋トレをしてるんですけど、最近筋肉痛が来なくなっちゃいました。追い込みが足りないのでしょうか?と言う質問も多くいただきます。
その度に僕は「筋肉痛はあてにしないでください」と答えています。
前述しましたが筋肉痛は未だに細かいメカニズムが判明はされていないのです!
もちろんこれは世界中で研究されていますが、本当のところは未だによくわかっていないというのが現実です!
その中でよく言われるのが「筋トレによって筋肉に微細な損傷が生じ、それが痛みを伴っている」というものです。
近年ではこの定説は「違うのでは?」ということで概ね見識が一致してきています。
えっ?と思われる方多いと思いますが本当です!
筋肉痛は何故起こるのか?
まず「筋肉痛は何故起こるのか?」です。
これみなさんが最も誤解している部分だと思います。
一般的には先ほど述べたように筋トレなどで筋肉が損傷したために筋肉痛が発症すると考えられています。
まず、ここで大事な事なんですが、・・・
そもそもな話です!
筋トレで筋肉が損傷したら痛いの?
と思いませんか?(^^;
いやいや、損傷したら痛いでしょ?
と思われるかもですが、よく考えてみて下さい!
筋肉痛っていつ来ます?
大抵、次の日とか翌々日とかですよね?
でも筋トレで起こる筋肉の損傷は当然筋トレをした直後に起きているはずです。
筋トレをしてから1日経ってから損傷が起こる・・・・なんてあるわけありません!
ここから考えるに実は筋肉痛の「痛み」と「筋肉の損傷」は、関係ないのです!
とある実験
動物実験で筋肉痛を起こしている動物の筋肉を研究したところ筋肉に微細な損傷などおこっていない・・・
というか、筋トレで筋肉に損傷らしきもの自体が起きていないことがわかってきています。
では、何故痛いのか?と言うと、これは痛みを発する物質が分泌されるからです。
痛みを発する物質とは
- ヒスタミン
- ブラジキニン
- プロスタグランジン
と言った発痛物質です。
この痛みを感じるブラジキニンという物質が分泌され筋肉の感覚神経を刺激するから痛くなるのでは?という仮説がでています。
なんで分泌されるかというと、普段膜があって染み出してこない「クレアチンキナーゼ」「ミオグロビン」といった物質があります。
しかし筋トレ初期に
- その膜が損傷することにより、
- 血管の中に入り、
- 血管の内壁を形成する血管内皮細胞に作用し、
このブラジキニンが分泌されるようです。
まだ、仮設段階ではありますが筋肉痛は単純に痛みを発する物質が筋トレ初期にながれ出しやすくなり、それを筋肉内のセンサーが感じ取っている・・・・
逆にいえばつまりブラジキニンがでてこなければ筋肉痛は起きないということがいえます。
そして筋肉痛の特徴として筋トレを繰り返していくとやがて起こらなくなるということは誰でも経験していることだと思います。
めっちゃ仮説ですが、筋肉痛は、痛みを発する物質が染み出してくる原因の「膜の損傷が起きる」か「膜の損傷が起きない」かだけの差なんじゃない?とされています。
超回復と筋肉痛の関係
そして痛みの物質の分泌・・というか漏れと、筋肉内における筋トレによる超回復の効果の相関関係なんて立証がされていないのです。
なぜならば、筋肉痛が起こらないようなトレーニングをつづけても、パフォーマンスが向上していくなんてどのスポーツでも日常茶飯事で起こることだからです。
だって練習を継続していると筋肉痛の起きないトレーニングのほうが本来普通ですよね。
たしかに、新しいトレーニングをするとたしかに筋肉痛は起こりやすいです。
ただし、それも数回行えば、ほぼ筋肉痛というのは起こらなくなります・・・大抵のトレーニングはそうです。
(膜が丈夫になった?)
また筋肥大を目的としたトレーニングに置いて「筋肉痛になった」「ならなかった」が筋肥大の要素に入りますよ!なんてことが書かれているテキストはこの世にまず存在しません!
だって「筋肉の損傷」と「筋肉痛」は関係がないんですからf^_^;
「筋肉痛」は、筋トレの効果の目安としてあてにしなくていいということは、トレーナー界の常識です。
そしてトレーニングの効果というのは、筋肉痛が引いて筋肉痛の起こらないようなトレーニングを続けたはるか後に、徐々に現れくるものです。
もちろんトレーニングに手を抜いているということではなく、毎回限界までやってもやがて筋肉痛はおこらなくなっていきます。
目一杯やっているのに筋肉痛がでない・・・・なんて不安に感じる必要はないです!
筋肉痛が起きないトレーニングでも安心して常に「目一杯」やってください(^^)
エキセントリックについて
筋肉を引き延ばすような動作に強い負荷をかける筋トレをエキセントリックと言います。
このエキセントリック状態での筋トレは、筋肉の損傷が激しいと考えられています
いわゆる筋トレの動作で「ゆっくり下ろす」と指示される所以ともなっている物です。
そしてゆっくり下ろした方が筋肉痛も非常に起こりやすいトレーニング法です。
なのでボデイビルダーの選手などは好んでこのエキセントリックな負荷の掛け方をします。
しかし、どんなトレーニングでも一定期間やっていれば筋肉痛は起きなくなってくるものです。
よくあるのはそれを「筋肉の損傷がしなくなった」と勘違いしてしまうことです。
これはいけません。
特にこのエキセントリックな負荷の掛け方をしていれば間違いなく筋肉の損傷は起きていると思っていただいていいと思います。
しかし筋肉痛が起きなくなったばかりに「筋肉の損傷がしなくなった」と勘違いして、どんどん負荷をあげて結果怪我をしてしまう方もいます。
十分に気をつけてください!
その他の理由
最後に・・・筋肉痛のときにトレーニングを休む・・・
つまりトレーニングを休むことをデイトレーニングと言います。
筋肉痛の特に休んだ程度ではデイトレーニングによる筋肉の衰えというのはほとんど起こりません。
なぜなら筋肉痛はせいぜい2〜3日もすればなくなってしまうものですから・・・。
先ほど述べたように筋肉の損傷マーカーを測ったところ、損傷というのは筋肉痛を起こしている筋肉を測ったところ損傷はほとんど起こらないそうです。
筋肉の損傷がよりたくさん行われれば超回復もたくさん起こるというのは間違いです。
そうなると、筋肉痛のときにさらにトレーニングをして、より筋肉を損傷させるなんてメリットは全くなくなってしまいます。
筋肉痛のときはしっかりとトレーニングを休み筋肉を休めてもらいたいものです(^^)
いかがだったでしょうか?
筋肉痛は身近なことだけにご質問も多い項目です
不安に感じる方も多いと思いますが、よろしければご参考にして下さい!
ではでは!
関連YouTube動画 年取ると筋肉痛が2日後に来る?の本当の話!!