スポーツに有利な「骨盤の位置」
今日は皆様とのやり取りを詳しくご紹介したいと思います。
今日ご紹介するのはこのようなやりとりです。

骨盤を前傾させた方が野球をする人にとって、有利と言えるのでしょうか?
また、理由の方もご回答お願い致します。^_^

理由はお尻の筋肉を使いやすくなるからです(^^)

というものでした。
ちょっとシンプルなやりとりですが、中身はとても深いものになります。
まず、前提とする話からですが、骨盤前傾とは、骨盤の前の部分下がり、逆にお尻が上がっているような状態を指していると思ってくだい。
これが行き過ぎると「反り腰」という状態になってしまうので、ちょっと注意は必要です!
スポーツと骨盤前傾
ただ、このご質問は野球に関するものですが、僕は、ほとんどのスポーツは「軽く骨盤前傾をしている方が良い」と思っています。
それはなぜか?ですが、これは質疑応答にあるように、お尻の筋肉を使いやすいからです。
人体で最も大きな筋肉で、最も出力が高い筋肉は「お尻の筋肉」と言っていいでしょう。
お尻の筋肉の役割は、股関節を伸ばす働きがあります。
股関節を伸ばすとは、スクワットのしゃがみ切った体勢のように股関節を曲げた状態から立つ際の、太ももの骨を体の後方の方へ持っていく動作をいいます。
スポーツにおいては、すべての走る競技やジャンプ動作など、股関節を素早く力強く伸ばさなければならないシーンは数多くあります。
膝周りの筋肉を使うより、もっとはるかに大きい股関節周りの筋肉・・
特にお尻の筋肉をいかに有効に使えるのか?と言う能力は、そのままスポーツパフォーマンスに大きな影響を与えます。
また、意外に思われる方も多いかもしれませんが、骨盤を回転させる動きも、股関節の伸展が原動力となっています。
そんな多くのスポーツにとって大切な働きをする「お尻の筋肉」ですが、この筋肉を有効に使っていない選手がとても多くいると思います。
また、普段からスクワットでお尻の筋肉を鍛えていても、いざスポーツシーンなるとうまくその力を発揮できない方もかなりいます。
それはなぜか?です
なぜいざスポーツシーンとなるとうまく股関節の力を発揮できないのか?
ここで大切なのが「姿勢」です。
例えば野球やバレーボールの守備の姿勢を思い出してください。
膝を曲げ、腰を落とし、前かがみの姿勢をとると思います。
この時に猫背となる方が多いと思います。
しかし、素早く、お尻の筋肉を動かしたかったら、それではダメです。
この時の体勢は骨盤がやや前傾をしていることが大切です。
なぜかというと、ここで出てくるのは「フックの法則」と言われるものです。
これは、ゴムとかバネのようなものは「ある程度伸ばした方が力が出る」という法則です。
筋肉でも全く同じことが言え、ある程度伸ばした状態にしてあげた方が筋肉の出力は上がります。
骨盤が前傾すると、骨盤の後ろ側は上がります。
すると、お尻の筋肉の付け根が引き上がり、お尻の筋肉が伸ばされることになります。
同じような上半身の前傾角度でも、骨盤の角度が違うだけでお尻の筋肉の「伸び」は違うのです。
また、骨盤をやや前傾させると腰はやや反る形になります。
つまり上半身は前傾しているものの「猫背」の姿勢にはなれません。
これで正解なのです。
一番わかりやすいのは「スクワット」です。
スクワットを猫背で行う人はいないですよね(^^;
猫背の体勢では体幹はバーベルの重量を受けきれないですし、お尻の筋肉の出力も下がるので高重量をあげることもできません。
スクワットでしゃがんだ状態の姿勢が多くのスポーツの基本的な姿勢だと思っていただいていいと思います。
また、股関節の出力だけでなく、そこから地面を蹴り、その反力を素早く上半身に伝達させるためにも体幹は外力をしっかり受け止められる姿勢が必要になります。
それは決して「猫背」の姿勢ではありません。
骨盤はやや前傾させて、しっかりお尻の筋力を高出力で発揮させ、背筋はある程度伸ばしてそのパワーを受けてあげるようにしてください。
ただし、何事もやりすぎは禁物です。
ゴムやバネも伸ばしきるといきなり力を発揮しなくなるものです。
なので「やや」前傾という表現を終始使っています。
この身体の高い方を見に染みさせるためにも、普段からスクワットの時にお尻を出来るだけ引くフォームで行い、お尻の筋肉をしっかり使ってトレーニングするようにしましょう!
色々書きましたがよろしければご参考にして下さい(^^)
ではでは!!