スピード・アジリティ

ストレッチするとスピードが落ちる?いやほんとマジで!

ストレッチするとスピードが落ちる!

皆さんこんにちは!

パーソナルトレーナーの野上です

今日は「ストレッチするとスピードが落ちる!? いや、ほんとマジで!」と言うテーマでお届けしたいと思います。

みなさん耳にしたことがある方も多いかも知れませんが、ここ数年「ストレッチをするとパフォーマンスが落ちる」と言う説が世間を賑わしています。

いやいや、準備運動でストレッチするでしょ・・

と思われる方もいらっしゃるかも知れませんが、静的なストレッチに関しては、そのパフォーマンスにマイナスの影響が出やすいと言うのは、割とスポーツの世界ではもはや一般的な見解となって来ています。

でも、全然ストレッチしないでいきなり全力で動くなんて怖くて出来ないと言う方もいらっしゃねかも知れません。

ここで、日本トレーニング指導者協会の機関誌、JATI エクスプレス66号に、そのストレッチとパフォーマンスの因果関係をメタ解析した記事がてでいます。

今日はその内容をみなさんに分かりやすい形でご紹介したいと思います。

日本トレーニング指導者協会

ストレッチするとスピードが落ちる?

ストレッチには主にラジオ体操のように動きながら筋肉の長さが変化し、関節が動く

  • 「ダイナミックストレッチ」(動的ストレッチ)

とヨガのようにじっとしながら筋肉を伸ばす

  • 「スタティックストレッチ」(静的ストレッチ)

の2種類があります。

さらにダイナミックストレッチの中でも反動をつけて筋を瞬間的にスチレッチする方法を「バリスティックストレッチ」と言います。

また一人で行うストレッチをセルフストレッチ、二人で行うストレッチをパートナーストレッチと言います。

パートナーストレッチの中には、理学療法手技として行われるPNFストレッチなども含まれます。

まあ一般の方はスタティックストレッチという言葉とダイナミックストレッチの二つの名前だけはぜひ覚えていただきたいと思います。

目的によりストレッチの種類、時間、量などを変える必要がある

まずストレッチがどんな時に必要か? ここではその目的別で並べてみましょう。

目的  どんな時にやるべきか?

  • 怪我の防止 →  準備体操の時
  • 疲労の回復向上 →  整理体操の時
  • 柔軟性の向上 →  風呂上がり等
  • 健康増進 →  いつでもOK
  • リハビリテーション →  いつでもOK

そしてこの目的別で、行うストレッチの内容も変わります。

準備体操のストレッチ

準備体操の最大の目的は「怪我の予防」です。

みなさんストレッチというと、どうしてもスタティックストレッチ・・いわゆる静的ストレッチ・・

つまり、じっと各筋肉をゆっくりと伸ばし、息を止めないで数秒から数十秒静止するような動作を連想しますよね?

でもですね・・・準備体操で行うストレッチは、ダイナミックストレッチの方が向いているのです。

怪我を予防する時に、とても大事なことに「筋温」というものがあります。

これは、その名の通り筋肉の温度を指すものです。

怪我の予防の場合は筋温は高くなっていた方が望ましいのです。

実際のところ、スタティクストレッチ「だけ」を主運動の前後に行った場合、障害の発生リスクや、筋肉痛の発症の低減に効果が見られないという、ちょっと驚きの統計処理をしたデータがあります。

スタティックストレッチよりもダイナミックストレッチの方が活動的で適切な時間と量をこなせるので筋温や体温を上げる効果があります。

つまり準備体操としてストレッチを取り入れる場合は、まずダイナミックスチレッチを行い、さらに軽い有酸素運動を行い筋温を十分にあげると怪我の予防に役立つのです。

部活等では、軽い屈伸、伸脚、アキレス腱、体幹の前屈、後屈、体側、回旋、手首足首の回旋、軽い跳躍などを行った後に、軽くグランドを走るという事が望ましいのです。

またラジオ体操を準備体操でおこなうのは「あり」です。

さすが日本人の生み出した偉大な文化「ラジオ体操」!!

恐るべしです(^^)

関連記事 ウォームアップの重要性について

さらにパフォーマンスに悪い影響が出るとされているのは、主に「静的ストレッチ」の方です。

なので、今ではウォーミングアップには動的ストレッチを行うのが一般的になっています。

静的ストレッチがどのようなケースでどれくらいの影響を及ぼすのか

まず足底筋群に対し静的ストレッチを「30分」行い続けると筋力がなんと「28%」も低下したというデータがあります。

しかし同じ筋群に対するストレッチの時間を「20分」にした場合は「10%」の低下に止まったそうです。

そして、5分間のトレッドミルまたは自転車によるウォーミングアップと1~4分程度のストレッチの組み合わせでの筋力低下は0.3~3.6%ほどだったそうです。

そう、つまりストレッチの時間が短くなればなるほどパフォーマンスへの影響は小さくなるんです。

また、動的なエクササイズと組み合わせていくとそのマイナス効果はさらに狭まり有意にその差が感じられないレベルまで下がります。

いやいや、さっきの自転車との組み合わせまだちょっと低下しているじゃないですか・・・

と言われるかもですが、ちょっと時間に注目してください。

そんなに長い時間一つの筋肉を伸ばし続けるでしょうか?(^^;

最初の30分、20分なんて論外ですし、1~4分にしたって長いですよね?

普通は一つの筋肉に対する静的ストレッチというのは、20秒から30秒程度です。

ではこの秒単位でより細かいデータはあるのか?というと・・・あるんです!!

静的ストレッチを「何秒行ったか」について

では短い時間のストレッチでも影響があるのか?

はたまた、少し長くやっても影響があるのか?です

そしてここでもう一つの問題があります。

それはパフォーマンスといっても色々とあると言うことです。

スピードに影響があったのか? それともジャンプ力に影響があったのか?

それともパワーにマイナスが出たのか?

一口に「影響」といってもその要素は色々です。

まず、JATI でストレッチの長さを、30秒から45秒、60秒から120秒、120秒以上の三つに研究結果に分けてまとめたそうです。

パフォーマンスの内容は、スプリントタイム、ジャンプ力、ベンチプレスや好きワットの最大筋力の他、各種筋力項目に渡って調べたようです。

まず平均値からご紹介ですが、パフォーマンスに有意に低下を示した検証数は全体の50%に見られたそうです。

んー・・微妙ですね・・半分はマイナスで、半分はマイナスではなかったということですから・・・

そしてマイナスの低下率に関しては平均−4.5%±5.2%だったそうです。

そしてその中では30秒未満のストレッチが、最も割合が低く、全体の14%にとどまったそうです。

次に

  • 30秒〜45秒で22%、
  • 60〜120秒のストレッチで全体の61%、
  • 120秒以上のストレッチだと全体の63%

にマイナスが見られたそうです。

もう単純に静的ストレッチの時間に関しては、長く行えば行うほどパフォーマンスの低下を引き起こす確率が高くなることがこれではっきりしています。

また、その低下率ですが、

  • 30秒未満で−1.1±1.8%、
  • 30秒〜45秒で−1.9±3.4%、
  • 60〜120秒で−4.2±5%、
  • 120秒以上で−7±5.7%

となっています。

つまり、これまた、静的ストレットの実施時間が長くなればなるほど、そのマイナス率も大きくなっていくという結果が出ています。

んー、やっばり何かのスポーツやトレーニングの前では、長い時間静的なストレッチをするのはあまりお勧めではないと言えますね。

次のページからどのパフォーマンスにどのような影響がどれくらいあったのかを詳しくご紹介していきます。

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