捻挫の予防
みなさんこんにちは
パーソナルトレーナーの野上です
今日は「捻挫」について、少しお話ししようと思います。
捻挫・・・・しちゃった場合、焦りますよね(^^;
スポーツをしている人のみならず、一般の方・・・
例えばヒールを履いていて、うっかり足首をひねって捻挫してしまった・・
そんな方も多いのではないでしょうか?
身近にある怪我だけに、軽い怪我と考えがちですが、処置を誤ったために後遺症が残ることも少なくありません。
例えば「捻挫が癖になってしまっている」なんて方も多いのではないでしょうか?
これがいい例?です(^^;
捻挫で損傷を受ける組織はとても多いのです。
靭帯はもちろんのこと、関節を包むようにして存在する関節包、時には軟骨や骨まで損傷を受けてしまうこともあります。
捻挫と外重心について
外重心とは、足の外側に重心が極端にかかってしまう状態の事を言います。
これを回外足といいます。
もともと脚の構造は外側に体重がかかりやすい構造になっているんです。
どういうことかというと、膝下の脚の骨は2本あり、脚の中心に太い頸骨があり、その外側に細い腓骨が走っています。
くるぶしの内側は頸骨の、外側のくるぶしは腓骨の一部です。
くるぶしって脚の骨の一部だとは思っていても左右実は別々の骨の一部です。
でですね、実は腓骨の方が頸骨に比べて若干長いんです。
外くるぶしが内くるぶしより低いのは二つの骨の長さの違いからなんですね。
そして外側の骨が長い分外側に体重がかかりやすいんです。
脚のねんざは足首が内側に曲がり、足首の外側を痛めてしまうケースが大半です。
体重が外にかかりすぎて、パキっと足首が内側に倒れてしまうのです。
普段から回外足だと足首が内側に折れる可能性はとても高く、捻挫しやすいと言えます。
捻挫
捻挫の原因は関節が可動域を超えて動くことです。
このため多くの場合、関節をまたいで付着している靭帯がまず損傷します。
そして、大部分の靭帯損傷は、足首が身体の外側へと倒れ込む(足の裏が内側、足の甲が外側)ことでおきます。
この場合、当然、足関節の外側の靭帯・・・
特に前距腓靭帯、踵腓靭帯という靭帯が傷つくことが多いです。
症状としては、まず靭帯の周囲に痛みを感じます。
そして、関節が腫れたり血腫を起こすこともあります。
この場合だと、靭帯だけでなく、関節やその内側の損傷考える必要があります。
また、足首が外側に倒れる捻挫では、アキレス腱にも痛みを覚えることがあります。
この時に処置が不十分だと、損傷した靭帯が緩んだままになって、足首を制御しにくくなります。
そうなるとちょっとした衝撃で捻挫が起こってしまうのです。
どんな対処が適切なのか?
捻挫を起こした場合にまず真っ先に行いたいのは「アイシング」です。
組織がダメージを受けると、その部分の細胞は壊れてしまいます。
すると近くにある毛細血管も切れてしまうことが多いです。
すると、壊れていない周囲の組織に血液を供給しにくくなり、それらの細胞も炎症してしまいます。
そこで、アイシングをして、細胞の活性を下げ、いわば冷凍保存状態にしてしまうのです(^^)
氷の入ったビニールでアイシングするのが一番手軽ですが、この場合冷やし過ぎに注意します!
氷に霜がついていたり、氷が皮膚にくっついてしまった場合は0度以下で凍傷の危険があるので、この場合は、水で洗うようにしましょう。
十分に冷やしたら、足首が「完全に動かない」ようにします!
これを怠ると捻挫グセがつきやすくなります。
しっかりと固定することが大切です!
アイシングと固定が済んだら速やかに医師に診てもらうことをオススメします。
リハビリは実際に見てもらっている医師と相談するようにしましょう!
よくこういう記事を書くと「僕、この状態なのですがどうすれば早く治りますか?」みたいな質問が、僕のTwitterにリプライで来たりします(^^;
このような場合「医師でない人間」と「実際に見ていない人間」の意見を鵜呑みにしてはいけません。
例え、それが僕のようなトレーナー職の人間であってもです。
必ず「実際に見てもらっている医師の判断」を最優先にするようにしましょう。
また捻挫を防いでいくには体重をできるだけ脚の拇指球の部分で支えて行くイメージを持つようにします。
拇指球は脚の親指の付け根にあたるので、当然足の内側に位置します。
ここに立ったり、歩いたりする意識をもって体重をかけていただければ自然と体重も足の内側よりに乗るようになります。
あとは、頸骨の外側にある腓骨周辺の筋肉の機能を活性化する為に長座の体勢で座り、両脚の足首を内側と外側交互にぐっぐっと倒して筋肉を刺激して上げてみて下さい。
「捻挫予防の為の、テーピングやブレースは本当に効果があるのか?」
捻挫はスポーツシーンにおいても日常生活においても、最も発生頻度の高い怪我の一つです。
そしてそんな捻挫の厄介な点は「再発率が非常に高い」という点です。
なんと足関節の捻挫の再発率は70〜80%とも言われています。
そんな私達の身近にある「捻挫」を予防していきたい!と思う方もとても多くいると思います。
そしてその予防のために「テーピングやブレースをプレー前にしている」と言う方も多いと思います。
そこでそれらの予防策が本当に効果があるのか?と言う点にフォーカスしてお話をしようと思います(^^)
ちなみにテーピングはわかると思いますが、プレースと言われてピンと来ない方がいるかもしれません。
これは足につける装具です。
写真で見た方が早いと思います。これです(^^)
これらのギアは足首の保護を目的として広く使われていると思います。
では、まずこれらのギアが何を目的として使われるのか?です。
足首の捻挫を予報するためには大まかに二つの要因がとても重要になります。
それは
- 足関節の安定性を高める
- 感覚のコントロール
の2点です。
足関節とは足首のことだと思ってください。
捻挫の発生する動作は多岐に渡りますが、特にジャンプからの着地はスポーツ動作の中でも捻挫が起こりやすいシーンです。
跳躍と着地を繰り返すスポーツとしてバスケやバレーがありますが、
- バスケ選手の実に79%、
- バレーボール選手に至っては87%
の選手が捻挫を経験していると言われています。
こういった選手が捻挫をした場合、足関節そのものが構造的に不安定となる「慢性足関節不安定症」を有する選手が多くいます。
この状態を防ぐためにテーピングやブレースを装着するのです。
テーピングや足関節ブレースの効果はどれほどなのか?
では、テーピングや足関節ブレースの効果はどれほどなのか?です。
これ実際に研究した事例として1601人ものバスケの選手に2年間にわたって調査した事例があります。
それによると足関節ブレースをつけたグループに比べ、
- 足関節ブレースをつけなかったグループは足首の捻挫の発生率は3.3倍多かった
そうです。別の研究によると、
- 439人のサッカー選手を対象にした研究では、足関節ブレースをつけなかったグループは、連れていたグループに比べて5.6倍、捻挫の発生率が高かった
そうです。
んー、ゲガに直結する研究なだけに興味深いと思うのは僕だけでしょうか?(^^)
2018年に発表された British Journal of Sports Medicine では、
- 足関節ブレースやテーピングは反復性足関節捻挫および初回捻挫の受傷リスク軽減に効果的であることが示された
- そのエピデンスレベルは、信頼性が最も高いLevel1である
とされています。
んー、やっぱりしっかりと効果があると言うことが証明されています!
これは足関節の安定性を高められていることが主な原因と考えられています。
「感覚のコントロール」について
捻挫の予防や再発を防ぐには「感覚のコントロール」はとても重要です。
足首の捻挫は、ジャンプしてから着地の際に、足首が内側に「クキッ」と折れ曲がって捻挫を誘発するケースが多いです。
これは着地の際にも体勢のコントロールや、足首周辺の「感覚のコントロール」が十分でないために起こるのです。
足関節のテーピングやブレースは足首に装着する装具であり、自然と常に足首を意識させるような働きがありそうな感じもすると思います。
しかし、研究においてこの足関節のテーピングやブレースの装着は、足関節の感覚のコントロールに関してはほとんど影響がなかったそうです。
この研究は着地してから片足で立った場合の姿勢の安定するまでの時間を計測して行われました。
つまり、着地してから体勢が安定するまでの時間が短ければ短いほど、動的なバランス能力が優れていることを意味します。
そしてこの動的なバランスが優れていればいるほど、足首の捻挫のリスクは低くなります。
しかし、いくつかの研究では、足首にブレースを装着して着地動作からジャンプをさせたり色々なことをしても、動的なバランスには変化はなかったと報告しています。
しかし、このことが足首の捻挫の予防にテーピングやプレース装着が効果がない!というわけではありません。
足首の安定性を高めるという意味では、足関節へのテーピングやプレースの装着はとても有効です。
ただ、感覚のコントロールまではあげることはできないので、その点は注意しながらプレースを使う必要があるという事を言いたいのです。
足首の捻挫は再発率が高く、足関節そのものが不安定になる方が多いです。
そのために適切にテーピングやブレースを装着して、足首の捻挫の予防、再発に努めるようにしてください。
捻挫の予防の為の徒手抵抗エクササイズ
次に捻挫の予防のためのエクササイズをご紹介したいと思います。
徒手抵抗と言われるものです。
これはその名の通り「手によって負荷をかける」ことです。
道具もいらず、場所も選ばす、どこでも気軽にできる点がメリットと言えます。
何かバーベルやマシンみたいな道具を使った方がいいのでは?なんて思われる方もいるかもですが・・
徒手抵抗は「最もきつい負荷の掛け方」であると断言できます!
バーベルやダンベルは負荷のかかり方が一定です。
それに対して徒手抵抗とは負荷のかかり方を変化させることができ、またそのかかり方は一定ではありません。
この為、例えば一般的なバーベルエクササイズでも、バーベルプラス徒手で抵抗をかけるととんでもなくきついエクササイズに様変わりします。
では、捻挫しやすい足首に対して、どんな徒手抵抗の掛け方があるか?です。
具体的エクササイズのご紹介
まず、椅子に座って、足を投げ出します。
さらにふくらはぎをもう一つ椅子を使って、座面の上に固定します。
そこから足首を伸ばし、さらに内側に倒します。
足首もやや内側に屈曲させます。
この状態で補助者は、足の「甲」に手をかけます。
ここからトレーニーは、足首を起こすようにしながら足首を立てていきます。
補助者はその動きに逆らうように上から下方向へ負荷をかけます。
このトレーニングは、トレーナーによる足首のテーピングを行う前にも実施されたりするエクササイズです。
このエクササイズを行うことにより、足首周辺の筋肉群の強化、神経筋のコントロールの向上が見込めます。
さらに、立っている状態での足関節の安定感やパランス感覚が向上したという選手の声が多く寄せられるエクササイズでもあります。
また、このエクササイズは足首をやや内側に倒した状態から、外側にひねりながら足し首を立てていく方向に負荷をかけるエクササイズですが、これの反対方向にもエクササイズはできます。
つまり、足首をやや外側にひねった状態で足首を伸ばし、内側に足首をひねりながら先ほどと同じように足首を立てていく時に抵抗をかけるのです。
この二つを行うことにより、より一層足首周辺の筋肉を多方向的に鍛えていくことができます。
さらに、この二つは「足首を立てていく」(背屈と言う)時に抵抗をかけるエクササイズですが、この逆にもできるのです。
つまり、足首を立てている状態から補助者は足の裏に手を添えます。
トレーニーは、先ほどのエクササイズのスタート位置に向かって足首を伸ばして(底屈という)いきます。
これも足首を内側に倒す、もしくは外側に倒すことにより二つのエクササイズが可能です。
合計4種類のエクササイズになりますが、ポイントはただ足首を縦に伸ばすだけでなく、やや「ひねり」を入れながらエクササイズをすることです。
ここが捻挫予防の為のエクササイズとしてとても大切なポイントになります。
足首の捻挫をどうしてもしたくない!
という方は、色々書いてきましたが、よろしければご参考にしてください(^^)
ではでは!