NSCAのラットプルダウン最新事情
ちなみに、ラットプルダウンの「ラット」ってどう言う意味があるかご存知の方いらっしゃいますでしょうか?
腕だったらアーム何々、足だったらレッグ何々と名前のつくことの多い筋トレの種目ですが、ラット・・・・・ネズミ?
なんて思ったことのある方もいるかもしれません(^^;
これですね、広背筋のことを英語で、「Latissimus dorsi」と言うのですが、このLatissimus dorsiの頭のLatの部分・・・つまりラットから引用されています。
割と知らない方多いのではないでしょうか?(^^;
そしてこのラットプルダウンのメインのターゲットとなる筋肉はその名の由来の通り「広背筋」なのですが、実際この種目は色々な筋肉を動員して行われる種目です。
そしてさらに効かせ方が難しい種目の代表格でもあります。
また、バリエーションも豊富で、グリップを広くしたり、狭くしたり、逆手でもったりすることで、どこの筋肉にどのように刺激が変わるのか?
と言うことは、日々世界中で研究されていたりします。
前のページは日本トレーニング指導者協会の研究報告でしたが、次はアメリカのNSCAの研究の最新事例をご紹介したいと思います。
ここでの記事はNSCAの機関紙であるストレングス&コンディショニングジャーナル2019年6月号よりご紹介させていただきます。
まずどの研究も、
- 広いグリップで顔の前に引くワイドグリップフロントラットプルダウン
- 頭の後ろに引く「ビハインドネックラットプルダウン」、
- 狭いグリップの「ナローグリップラットプルダウン」、
(顔の前に引く)
- そして、逆手でグリップを持つリバースグリップラットプルダウン
(顔の前に引く)
の4種類を主に比較していると思っていただいて良いと思います。
Signorieの研究では、ワイドグリップラットプルダウンが広背筋と、あとちょっと意外ですが上腕三頭筋長頭に他のグリップに比べて優位に活動が大きかった以外は他のどのバリエーションにも違いは見られなかったと報告しています。
Lehmanの研究でも広背筋にはワイドグリップがもっとも効いたものの、あとはどのグリップやどの手幅でもそれぞれの筋肉に対する効きに変化はなかったそうです。
Sperancleの研究は逆に広背筋に関する刺激はどのグリップでもどの幅でやっても変化はなかったと報告しています。
しかし大胸筋へはワイドグリップのラットプロダウンが最も効き、上腕二頭筋ではビインドネックラットプルダウンが最も効いたそうです。
Luskの研究では広背筋はリバースでやった時だけ刺激が弱く、順手で行う場合はどのグリップでも変化はなかったそうです。
Andersenの研究ではバーを引き寄せる段階ではナロウグリップが上腕二頭筋だけ優位に効き、あとは変化なしだったそうです。
しかしバーを戻す場合は、ワイドグリップのみ広背筋に優位に効果が上がったそうです。
以上の研究を踏まえた上で、結論から言うと・・・
バラバラですね(^^;
まあ研究なんてこんなもんです。
これは研究あるあるですが、いくつかの研究の報告を並べると大抵結果は大なり小なりバラバラになるものです。
なので実は今日一番言いたいことは「一つの研究結果だけで結論を出してはダメ」で、あくまでそれは参考程度にとどめておく気持ちが大切なのです。
この場合も5つの研究を俯瞰の目線で見ればなんだかんだとワイドグリップのフロントラットプルダウンが広背筋を始め、いくつかの筋肉に優位な結果を出しています。
多少結果が出ていない研究はあるものの、この場合ラットプルダウンを行うのであればワイドグリップのフロントラットプルダウンが最もおすすめであると言えます。
研究というのは日々進化していて、また月日が経って違う結果の研究が表せるかもしれません。
しかし今はとりあえずこれらの結果を参考にしながらトレーニングするのがオススメとなります。
色々書きましたが、よろしければご参考にしてください(^^)
ではでは!