疲れ・疲労回復

疲労の科学「SigAの低下のサインについて」

2019年2月1日

疲労の科学(現代人の疲れ)

皆さんこんにちは

パーソナルトレーナーの野上です

今日は「SigAの低下のサインについて」というテーマでお届けしたいと思います。

アスリート・・・屈強な身体を誇り、病気と無縁の印象を持たれる方も多いと思います。

しかし、実は、アスリートは普段激しくトレーニングしたり、身体を酷使している人ほど、実は病気にかかりやすかったりすると言うことを前回お話しいたしました。

特に上気道感染症という、気道の上部に関節症を煩わせるケースはとてもよく見られます。

ここでポイントになるのが「SigA」という物質です。

これは、正式名称は、分泌型免疫グロブリンAというのですが、これは、唾液、鼻水、汗、乳汁など、身体から分泌する液体などに存在します。

そして病原体の粘膜侵入の阻止や、毒素の中和作用を持つことから、粘膜免疫の主体とされています。

唾液のSigAを調べると、これが低下した場合に罹患リスクが高くなることがわかっています。

「SigAの低下のサインについて」

まず、このSigAの低下の数値を測るのは実際手間がかかります。

なので、SigAの低下のサインを自分で知ることでSigAの低下が起きているかどうかを推測することが大切です。

ではSigAの低下のサインのチェックの仕方ですが、

  1. 休養後の回復の程度を自問自答する(よく休めたかどうかを感覚で確認する)
  2. 寝つきや寝起きの良し悪し(睡眠効率)
  3. 口渇感(安静時の口腔内の乾き、唾液の粘つき)

となります。

1に関しては、休養をした後、十分に自分の身体が休めているかどうかを感覚でいいので確認します。

これを自問自答することで、いつもより悪い状態だと自覚できるようであれば、それはそのままSigAの低下のサインだと思っていただいていいと思います。

2に関しては、睡眠効率の計算式にまず当てはめます。

睡眠効率の計算式は、(睡眠時間÷寝床に入っていた時間)×100で表せます。

この割合は85〜90%以上が理想であるとも言われています。

この割合とSigAの低下は相関関係にあることがわかっています。

また、睡眠時間が確保されていたとしても、この睡眠効率が悪く、寝つきや寝起きが悪いとSigAの低下の可能性が高まります。

3に関しては、そもそもSigAとは、唾液などの粘膜免疫が主体なので、唾液量の現象はそのままSigAの低下に繋がりやすくなります。

また、唾液にはSigAの他にも多くの抗菌、抗ウィルスタンパクが存在するので、唾液量の低下は色々な意味で粘膜のバリア機能の低下を意味します。

実際に、合宿中に2%以上の体重が減少した選手を調べると明らかなSigAの低下と、口渇感が見られたそうです。

選手の口渇感を伴う体重減少が見られた時は脱水が疑われ、併せて免疫機能の低下の可能性が高くなりますので、十分な注意が必要です。

これらのチェックは機械などを使わず、日頃のチェックで十分にセルフチェックができるものばかりです。

アスリートであれば、休んでも疲労感が抜けず、水を飲んでも口が乾き続けるなどの症状が出たら、免疫機能が低下しているんだなと気付けるようになってもらいたいと思います。

「SigAの低下に対する対策」を色々とご紹介

まず、対策のポイントをあげてみると

  1. 病原体を身体に入れない
  2. トレーニング内容の調整
  3. 物理的療法
  4. 食事・栄養補助食品対策

が挙げられます。

まず、1の病原体を身体に入れないからですが、こう書かれると「マスクの着用」が真っ先に思い浮かぶと思います。

もちろんマスクは重要なのですが、この場合のマスクの役割は、感染の予防というよりは、鼻や口の粘膜を保湿、保温する目的で使用し、口渇感があるときや乾燥した場所、脱水を伴う減量時の使用が勧められます。

接触感染の原因は、手指に付着した病原体を自分で目や鼻、口の粘膜に運び体内侵入を許してしまう場合があります。

そのために手洗いの徹底が推奨されます。

2のトレーニングの調整ですが、SigAの低下と言うのは、長時間にわたるトレーニングの時に起きやすいのです。

また、繰り返し行われる高強度トレーニング時にもSigAの低下は引き起こされやすくなります。

しかし、逆に言えば、短時間のトレーニングであれば、いかに高強度のトレーニングであってもSigAの低下と言うのは引き起こりにくくなります。

ここで出てくるのが「テーパリング」です。

テーパリングとは、試合に向けてのトレーニングの調整ですが、この調整の基本は「試合が近づくと、トレーニングの強度は高く、時間や量は短くしていく」ものです。

試合に向けてのトレーニングで大事なのは「疲労を残さず」「パフォーマンスは落とさない」ことです。

疲労はトレーニングの量に大きく左右されるので、ここは落としていきつつ、強度(重さ、速さ)は高いトレーニングをすることにより、試合で高い出力や速度を発揮できるように調整していくものです。

これは、SigAの低下にも実は有効で、実際、最大挙上重量の70%でベンチプレス やレッグブレスを10回5セット行なってもSigAの低下はほとんど起きないことがわかっています。

3の物理的療法とは何か?ですが、これは簡単に言うと「マッサージ」です。

マッサージでSigAの低下を見込めるのか?と疑問に思う方もいると思いますが、SigAの低下と疲労は密接に関係していることから、疲労回復に用いられるマッサージもSigAの低下対策には、実はとても有効なのです。

また、同じような意味では鍼療法もとても有効です。

高強度のトレーニング後に鍼療法を行うとSigAの低下が防げることがわかっています。

また、実際にサッカーの試合後に鍼療法を行なったところSigAの低下が見られなかったと言う報告もあります。

マッサージや鍼療法は、疲労回復だけでなく、免疫機能の低下に対しても有効な施策であります(^^)

4の栄養対策ですが、SigAの低下にはビタミンAの摂取が有効となっています。

また、ビタミンDの摂取もとても有効で、ヒドロキシンビタミンDを48〜60ng/mlを目安に高めることでSigAの低下が高まることが示されています。

また、近年、乳酸菌によるSigAの低下の効果が認められてきています。

乳酸菌B240を4週間摂取した柔道選手が、摂取していない選手と比較して、急速減量を行った時にSigAの低下が見られなかったことが報告されています。

以上のことから、

  • 普段は手洗いの徹底とマスクの着用を習慣化し、
  • トレーニングは高強度で短時間行い、
  • トレーニング後はマッサージと鍼療法で身体をリカバーし、
  • サプリなどで、ビタミンAとD、さらに乳酸菌B240を摂取していく

などのことで、SigAの低下に伴う免疫機能の低下に備えていただければと思います。

SigAの低下に伴って体調を崩し、大事な試合に出られない・・なんてことが気になる方は、よろしければご参考にしてください(^^)

ではでは!

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