皆さんこんにちは!
パーソナルトレーナーの野上です
今日は「活動後増強(PAP)について」というテーマでお届けしたいと思います。
・・・・なんですか? それは?・・・・・
と、初めてこの名を聞く方も多いと思います。
活動後増強(PAP)について
これはですね・・・・
- 高強度なダイナミックなエクササイズの後には、パワーと力の立ち上がり速度が一時的に増大する!
という現象のことを言います。
事前高負荷法と言われることもあります(^^)
これの最も一般的な使用法は野球におけるバットリンクです。
ネクストバッターサークルで次のバッターが待っている時に、バットに重りとなる輪っかをつけて何回か素振りした後、バッターボックスに向かうシーンを見たことがある方も多いと思います。
あれは重いバットを振ることにより、一時的に筋肉の出力を高めた後にバッターボックスに立つと、普通のバットが軽く感じスイングスピードが上がることを狙ったものです。
この現象は実は試合の時だけに用いる・・・・ということも確かにできるのですが、普段のトレーニングからこれを利用してトレーニングすることもできるのです。
つまり、めちゃくちゃ重い重さのスクワットを行なった後にスクワットジャンプするとかですね。
するとヘビーな重さでスクワットをして一時的に筋肉の出力が高まっているところで、スクワットジャンプをするのでいつもよりも高く飛べる練習ができるという寸法になるのです。
ここで、ん?と疑問に思った方はかなりトレーニングの知識がある方だと思います(^^)
トレーニングの順番の原則
どういうことかというと、普段僕はトレーニングを並べる順番には原則があり、
- アジリティ・クィックネス・敏捷性・技術
- スピード
- 瞬発力
- 筋力・バワー
- 筋肥大
- 筋持久力
- 心肺持久力
の順番でトレーニングをすることを勧めています。
僕は、それぞれ同じ重さ・回数・量をやっていても、この順番以外でやるとそれぞれのトレーニングの効果が落ちますと言っていたりします(^^;
なぜなら一番わかりやすい例えで言うとマラソンやってフラフラになってからスピードトレーニングやアジリティトレーニングしても普段のスピードすら出ないですよね(^^;
そうしたら、なんのためのスピードトレーニングやアジリティトレーニングをするのか?
もう意味がわからなくなっちゃうんです(^^;
スピードトレーニングやアジリティトレーニングは「いつもよりもっとスピードを出すため」「いつもより、よりクイックに動くため」のトレーニングであるわけです。
これらは足が動かないようになっている時点では既にやる意味がないトレーニングなのです。
疲れている時により効果のあるトレーニングは「持久力の向上」です。
「より速いスピードを出す」と言う目的ではありません。
でも、このPAPを狙ったトレーニングだと、筋力→瞬発力の順番だよね?
いつも野上さんが言っている順番と違うじゃん!と思われるかもですが・・
そうなんです(^^)
PAPを使うためには?
実はこのPAPの効果を狙ったトレーニングを導入するのにはある程度の「条件」があります。
それは・・・
- トレーニング状況=中程度以上の高度なトレーニングを積んだアスリート
- レジスタンストレーニング 経験2年以上
- 下半身の1RM(最大挙上重量)のパワー 体重1に対して、1.8倍以上
- 上半身の1RM(最大挙上重量)のパワー 体重1に対して、1.4倍以上
です。
つまりこのレベルに達するまではノーマルなトレーニングの順番で行なった方が良いと言うことなんです。
なぜなら、例えばめっちゃ重いスクワットやった後に、スクワットジャンプしても誰もがいつもより高く飛べるわけではないからです。
つまり、めっちゃ重いスクワットしたら・・・・・疲れちゃいますよね(^^;
「PAP」と「疲労」は紙一重で存在します。
ある程度以上の能力を持っているアスリートならこの「疲労回復」の能力が高くPAPの効果をより早く実現できるのです。
また、ある程度以上のフィジカルを持っていないと怪我の確率も高くなります。
「活動後増強(PAP)」と疲労
「活動後増強(PAP)」と疲労には先ほども言ったように密接な関係があります。
この表をご覧ください。

ちょっと見方がわからないと思いますが、一番下のラインが疲労を表しており、真ん中の実線の所で疲労はピーク(下限)になっています。
ここまで筋トレで負荷をかけていると思ってください。
あとは休息して回復をはかっています。
上は筋トレによる「活動後増強(PAP)」の効果の数値です。
これは筋トレで刺激を与えていけばいくほど効果が上がっていきます。
その差し引きが真ん中の「パフォーマンス」のラインです。
よく見るとこのパフォーマンスのラインの山は二つあるのがわかると思います。
一つは筋トレを進めて言った序盤に山があり、次の山は回復時に来ています。
最初の山はいわば「筋トレがアップになっている」からだと思っていただければわかりやすいのではないでしょうか?
それに対して、後半の山はがっつり「活動後増強(PAP)」が起こっていると思っていただければいいと思います。
真ん中はいわば「谷」になっていて「活動後増強(PAP)」よりも筋トレによる「疲労」の方が優っていてパフォーマンスは低下しています。
これを見るとなんとなく「活動後増強(PAP)」と「疲労」の関係性がわかるのではないでしょうか?
アスリートのフィジカルのレベルが高ければ高いほど「疲労」が早く抜け「活動後増強(PAP)」を利用しやすいというのも、これを見るとなんとなくわかることなのではと思います。
そしてどれくらい筋トレの負荷をかけたら良いのか? さらに疲労の回復時間は?
このへんはさすがに個人差が激しくなります。
これは自分が普段からのトレーニング、トライ&エラーを繰り返して見極めていくしかありませんが、次のページで一応の目安をご紹介したいと思います。
また「最初のピーク」を「活動後増強(PAP)」と勘違いしないように気をつけなくてはいけません!
条件ギリギリかやや届かないくらいの方は、どのようにトレーニングしたらいいのか?
この条件をさらにちょっと分けてこのトレーニングをより細かくご紹介したいと思います。
まず、この条件を楽々クリアできる・・・・というよりギリギリかやや届かないくらいの方はどのようにトレーニングしたらいいのか?です
こういう方は最初の高出力で行うトレーニング、例えば高重量のスクワットとかを別のトレーニングに差し替えて行うことが可能です。
それは「ブライオメトリックトレーニング」というものです。
「ブライオメトリックトレーニング」とは、簡単にいうと「各種ジャンプ系トレーニング」です。
具体的な例を挙げると、最初の種目を箱から飛び降りて着地する「ドロップジャンプ」を6回〜8回行います。
その後で、今度は台に飛び乗るボックスジャンプを6回〜8回行うというものです。
ちなみに、皆さん誤解があるかもしれないので言っておくと、台から飛び降りるトレーニングの方が飛び乗るトレーニングより運動強度は高いです。
なんとなく高く跳躍して高いところに飛び乗る方が運動強度が高そうなイメージを持たれている方多いと思いますが(^^;
しかし台などから飛び降りて自分の体重+重力のかかった荷重を着地の際に「筋肉を伸ばしながら受け止める」方がはるかに運動強度は高いです。
この強度の高い方のトレーニングである「ドロップジャンプ」を先に数回行い、筋肉の出力を高め「活動後増強(PAP)」が起きたところで、台に飛び乗る「ボックスジャンプ」を行う・・・
というトレーニング方法もあります。
また、すでに条件を楽々クリアしているように高いフィジカルを持っている方のトレーニングの一例を出すと・・
バーベルスクワットをマックスの挙上重量の85%以上の重さで3回から5回行った後に、ダンベルなどを持ってスクワットジャンプをすると言った具合です(^^)
休憩時間の使い方!
ここで問題は最初のエクササイズと次のエクササイズの間、どれくらい休憩を与えたらいいのか?です。
これは3分から4分ほどあけて、筋肉をある程度回復させてから行うことが推奨されています。
これ以上開けるとちょっと「活動後増強(PAP)の効果の発揮が微妙になってきます。
あまり休みすぎも行けないということです。
休憩時間の使い方
次にこの間・・・・ずっと休んでる?
勿体無くない?
という観点でお話ししたいと思います。
そもそもこのトレーニングは、ボディメイクというより競技のためのトレーニングでもあります。
(ボディメイクにジャンプ力とか関係ないですよね(^^; )
そして競技のためのトレーニングって、他にも色々やることが多いですよね?
となると、この間の時間を少し有効に使った方が、全体のトレーニングの時間の短縮だったり効率化に繋がったりします。
ではどんなトレーニングがオススメかというと・・・
このPAPを使っている部位と全く関係のない場所の可動性トレーニングか、もしくは体幹部の安定性ドリルの導入が推奨されています。
例えば、下半身のトレーニングとしてヘビースクワットをした後に4分の休憩を置いた後、スクワットジャンプをすると言ったPAPを利用したトレーニングの場合です。
この場合、そのスクワットとスクワットジャンプの間の休憩にプランクやサイドプランクを行うと言った感じのトレーニングプログラムを組むのがおすすめです。
なぜ安定性のドリル(プランクやサイドプランク)を入れるのかというと、ヘビースクワットや、スクワットジャンプはコアの部分に対して少なからずそれなりの負担がかかります。
スクワットの姿勢が悪いと腰を痛めやすい・・・・みたいな感じです。
プランクやサイドプランクのような、いわば「障害予防」の色彩の強いエクササイズを間に入れることによって、前後のスクワット&スクワットジャンプの時も脊柱の安定性の意識づけに役立つ狙いがあるのです。
ここでのポイントはあまりにもこのセット間で行うトレーニングがハードすぎると、前後のエクササイズに悪影響を及ぼします。
あくまで障害予防ドリルとしたレベルのトレーニングにとどめるべきです。
なのでプランクやサイドプランクもせいぜい30秒程度で十分です!
そもそもこのトレーニングはフィジカルレベルがある程度のレベルにあるアスリート向けのトレーニングです。
そのレベルのアスリートであれば、30秒のプランクなどそれほど強度の高いトレーニングではありません。
あくまで「意識づけ」のレベルでトレーニングの導入が目的です。。
本格的な体幹部のトレーニングは、このトレーニングの後に高強度で実施すればよいのです。
そこに至る事前に「ある程度」体幹を疲労させて置くと、その後の体幹部のトレーニングの強度も自然と上がります!
障害予防ドリルと、その後のトレーニングの事前疲労(プレイグゾースチョンと言う)の目的で、このようなトレーニングを入れておくと全体のトレーニング時間の有効活用にもなります(^^)
色々書きましたが、ぜひPAPを導入したいという方はよろしければご参考にして下さい!
ではでは!
