皆さんこんにちは
パーソナルトレーナーの野上です
今日は「ナローグリップベンチプレス 」と言うテーマでお届けしたいと思います。
「ナローグリップベンチプレス 」
ナローグリップベンチプレス ・・・・
その名の通り、「手幅を狭くして行うベンチブレス」の種目です。
これですね・・・やってます?
いや、質問を変えましょう!
やったことあります?
普通のベンチブレスはやったことがあるけれど「あえて」手幅を狭くしてベンチプレス トレーニングをする方ってものすごく少ないと思います。
狭いグリップでのベンチプレス なんて、ベンチプレス を初めてやった時に、やり方がよくわからずとりあえずちょっと狭いグリッブでやったことがあるけどその時以来だなあ・・・・
なんて言うかたも多いと思います。
効果の差って何かあるの?
まず、狭いグリップでベンチプレスをした時と普通のグリップ幅でトレーニングをした時の効果の差って何かあるの?なんて思われる方も多いと思います。
一般的にベンチブレスの場合、手幅と効く場所は相関があるように言われています。
例えば、
- グリップを広く持つと、胸の筋肉でも主に外側に効く
- 狭いグリップでベンチブレスをした場合、胸の筋肉の内側に効く
と言われています。
そしてさらに狭いグリップでトレーニングをすると、
- 普通のグリップ幅でトレーニングするより「上腕三頭筋」により効く
と言われています。
そのため、胸の筋肉に効かせたい場合は普通の手幅でトレーニングをします。
そしてあえて上腕三頭筋を主にトレーニングしたいときにはナローグリップで行うと言う使い分けが一般的です。
しかし、そもそも本当にそうなのか?です。
実際にこれを研究した事例が数多くあります。
ナローグリップベンチブレス・・・実は・・
まず、ナローグリップベンチブレスは「胸に効かず、上腕三頭筋だけに効くのか?」と言われると・・・
その答えはノーです!
ナローグリップベンチプレスでも、実はかなり「胸に効く」ことがわかっています。
いや、むしろそれどころか、実は普通のベンチブレスと対して変わらないくらい胸に効くと言う研究もとても多く見られます。
そして、普通のベンチプレス とナローグリップベンチブレスとでは本当にナローグリップの方が上腕三頭筋に効くのか?ですが・・・
これまた、普通のベンチブレスでもかなり上腕三頭筋の活動は活発であるものの・・・
やはり手幅の狭いグリップのベンチブレスの方が活動は活発になる傾向にはあるようです。
ん? 胸の活動は両者大差なく、上腕三頭筋はナローの方が効く?
じゃあナローグリップベンチの方がいいんじゃね?
なんて思う方もいるかもですが・・・
これはあくまで「同じ重さで実施した場合」です(^^;
大抵の場合は、普通のベンチプレス の方がナローグリップベンチブレスより高重量を使うことができます。
つまりナローグリップで行うことができないような重量でベンチブレスをした場合は比較のしようがないのです。
なので、やはりそういった高重量でトレーニングをした場合は、当然胸の筋肉にはナローグリップベンチブレス以上に胸に強い刺激が入ることになります。
ではそんな重い重量を使えないナローグリッップベンチブレスはやる意味がないのか?
上腕三頭筋を鍛えたいという時以外はやる意味がないのか?
ですが、実は、ナローグリップベンチブレスをやるメリットとういうのは、非常にたくさんあると言えます。
そもそも、この種目はやってみるとわかりますが、結構力の入れどころもフォームも効き方も普通のベンチと色々と違います。
本当に「別の種目」として捉えられることのできるトレーニングです。
その証拠の一つにあげられるのが「スティッキングポイントの高さ」です。
とある研究では、ワイドグリップ・普通のグリップ・ナローグリッブのベンチブレスでのスティッキングポイントの高さは次のようになったそうです。
- ワイドグリップ 約74±9.75cm
- 普通のグリップ幅 約56.79±6.04cm
- ナローグリップ 約3917±3.51cm
普通にやればナローグリップベンチプレス が、最もバーベルの動く距離は大きく可動し、バーベルの挙上する高さも最も高いのです。
しかし実はスティッキングポイントは、ナローグリップベンチプレス が胸から最も近い距離で発生する特徴があるのです。
これは多分に肘の角度、上腕の開き具合とリンクする現象です。
このため、普通のベンチブレスでは得られない様々な特徴的な刺激が得られる種目でもあります。
ナローグリップインクラインベンチプレス
ちなみにインクラインベンチプレス という、斜めに傾斜したベンチ台でベンチブレスを行う種目があります。
このインクラインベンチプレス は、胸の上の部分を鍛える種目です。
これを狭いグリップで行う場合は、胸の上部のさらに内側を鍛えるという、非常にマニアックな鍛え方になってきます(^^;
ただ、ちょっと考えていただければわかると思いますが、胸の筋肉というのは、割と外側は付きやすいのです。
しかし、内側・・・・
さらにそのまま上の部分に行くと筋肉ってなかなか付いていないですよね(^^;
なのでここを鍛えるということは、胸の筋肉を満遍なく鍛えていくには結構大事だったりします。
ただ、ここで一点気がついた方もいるかもしれませんが・・・
それは、胸の内側を鍛えると「言われている」と表現している点です。
インクラインベンチブレスはしっかりと「胸の上を鍛える」と断言しているのにです。
これですね・・・
物理的にしっかりと確認が取れているかというと、ちょっと微妙なんです。
僕は筋肉をよく「ゴム」に例えています。
胸の筋肉は、収束状の筋肉です。
これは、肩を中心に何百本もの輪ゴムが放射状に伸びているイメージです。
バーベル を押す方向によって、その何百本の輪ゴムのうち、胸の上部のゴムを特に使ったり胸の中央部分のゴムを特に使ったりするのはわかるのですが・・・
ちよっと考えてみてください。
1本の伸びた輪ゴムの「内側だけ」とか「外側だけ」って、収縮させられるでしょうか?
そう、これできないんです(^^;
ただ、僕の指導経験や自分のトレーニングをしていての所感でも、ナローグリップでベンチブレスやインクラインベンチブレスをしていると確かに通常よりも胸の内側の収縮している「感じ」を得られます。
これは腕の「角度」によるところが大きいと思います。
例えば普通のベンチプレス では、バーベルを上げきったところでも腕はやや外側を向いたところでストップしています。
これが、ナローグリップにすると、腕は通常のベンチプレス よりもさらに内側・・
つまり身体の真正面まで閉じることになり、そこまで筋肉に刺激が入り続けることになります。
ベンチブレスの場合、胸の筋肉が収縮すればするほど腕は真正面に来ます。
そしていわばナローグリップのベンチプレス は通常のベンチプレス より、筋肉が収縮した状態からさらにもうひと収縮させる所まで負荷がかかるようなトレーニングになります。
すると、普段収縮感をあまり感じない胸の内側の筋肉にまで収縮している感覚を得られるので、胸の内側が効いている・・・
となるのです。
さら、筋肉は何百万本もの繊維が集まったものであり、胸の筋肉も肩口から胸の中央付着部分まで、一本づつ長い繊維で構成されているのではなく、その間にも幾重にも繊維があるものです。
なので、その幾重にも重なっている部分のうち一定区間だけより強く刺激が入るという説もあります。
ただ、これちょっと先ほども言ったようにまだ決定的に確証がとれている文献を僕は見たことがないので「一般的に言われている」という表現を使わせてもらっています(^^;
また、ナローグリップのさらにインクラインベンチブレスってなかなかやっている方も少ないように思います。
僕は、胸の内側を鍛えたいというリクエストをもらった時以外にも、肩を痛めてしまったけれどベンチプレス の重さを極力落としたくないと言われた時に、よくこのナローグリップのベンチブレスを行うことをお客様に進めたりします。
普段あまり行われることの少ない種目かもしれません。
しかし胸の内側にまでしっかりと鍛えていきたいという方にはとてもおすすめなエクササイズだと思います。
色々書きましたがよろしければご参考にしてください(^^)
ではでは!