ランニング・長距離のスピード

【初心者ランナー向け】歪んだランニングフォーム

長距離走に必要な筋肉について

みなさんこんにちは!

パーソナルトレーナーの野上です

今日は「歪んだランニングフォーム」と言うテーマでお届けしたいと思います。

車で通勤する時、ロードバイクで通勤する時、自分で走っている時・・・

色々なシーンで街中を走っているランナーの方をたくさん目にする機会が多いです。

そして職業柄そのフォームにどうしても目がいってしまいます。

そしていつも思うのが・・・

「走りのフォームが歪んているなあ」と・・・・(^^;

もちろん素晴らしいフォームで走っている方もいます。

そして、ただ「走る」という人間の根源的な動作一つでどうしてこうもフォームが違うのか?と思うことがしばしばです。

また一つ確かに言えることは、素晴らしいフォームで走っている人と歪んだ走りをしている人では「ペース」が明らかに違うということです。

これは人間の運動生理学上、当たり前といえば当たり前なのですが、人間の身体の構造と走りのメカニズムに適したフォームで走れば自然と「速く走れる」のは必然と言えます。

歪んだランニングフォーム

まずわかりやすい部分としては「脊柱と肩甲骨」です。

ちょっとわかりづらい部分としては「骨盤」です。

まずわかりやすい脊柱からご説明します。

これは簡単で「猫背で走っているのかどうか?」です。

「猫背だなあ」とかは誰でも割と判断がつきやすいのではないでしょうか?

歪んだランニングフォーム

猫背で走ると・・

これの悪いところは、もうこれ書くだけで1冊本が書けるんじゃないか?と思うくらい色々あります(^^;

まずランニングに必要な「空気を取り込む能力」には悪影響しか及ぼしません。

長距離を走る運動というのは「有酸素運動」と言われる運動であることはみなさんもお分かりだと思います。

酸素を取り込むのはもちろん「肺」なわけで・・・

猫背はこの肺の容積を小さくしてしまいます。

空気の取り込みは肺の表面でガス交換が行われます。

この表面積が猫背だと少なくなる(肺が小さくなる)ので、当然酸素の取り込み量が少なくなるわけです。

ランニングパフォーマンスは最大酸素摂取量(Vo2max)という酸素を取り込む能力に著しく左右されます。

もう「肺を小さくしてしまっている」時点で勝負にならないんです。

では「肺を大きく保ちながら走るフォーム」というのはどんなフォームかというと・・・

「背筋を伸ばした」だけでは、ちょっとまだ足りません。

ここで必要なのは「肩甲骨を引く」ことです。

肘を後ろに引きながら走ると言えばわかりやすいでしょうか?

歪んだランニングフォーム

こうすると胸郭が一気に広がりますので、肺を大きく保ってたくさんの酸素を取り込みやすくなります。

「視線」

どうしても苦しくなると「下」を見たくなります。

しかしできるだけ前方に視線を置くようにして「頭を起こす」ことが大切です。

「頭部」というのはみなさんが思っているより結構重い重量物です。

下を見ると自然と背筋も前になっていきやすく「猫背」を誘発しやすくなります。

また猫背の悪い点としては「ランニングエコノミー」が悪くなることです。

ランニングエコノミーというのは「いかに省エネ」で走れるか? という能力だと思ってください。

いくら効率的に酸素を摂取しても「無駄にたくさんエネルギーを消費」してしまっては元も子もありません。

猫背になると、どうしても体幹部分も丸まります。

スクワットをしたことがある方ならわかると思いますが、高重量を担いでスクワットする時は必ず背筋はS字のカーブをキープして行うものです。

これが丸まってスクワットをしたら一発で腰を損傷するということは筋トレをしている方なら誰でも知っていることです。

ランニング着地の時の衝撃は体重の何倍もの負荷がかかります。

この衝撃を人間は利用して走っているのですが、この下からの衝撃(負荷)に対して身体を安定させて走るためにもランニング時も背筋のS字のカーブを保つことはとても大事なことです。

スクワットは「上からの負荷」ランニング時は「下からの負荷」で、両方ともその負荷に耐えるには「背筋のS字のカーブ」が必要と言えばわかりやすいでしょうか?

このカーブが適切でないと体幹部分が衝撃をスポンジのように吸収してしまい、うまく「衝撃を利用することができない」走りになってしまいます。

衝撃を利用することがランニングエコノミー能力を上げるのには不可欠です。

ん?でも衝撃を利用するって何?と思われると思いますが・・

「骨盤」について

反射の力

人間は筋肉に力を入れる時に「意識的に力を入れる」場合と「反射的に力が入る」場合の二つのケースがあります。

意識的に力を入れる場合というのは「筋トレ」をしている時が最もわかりやすいですよね(^^)

これに対して「反射的に力が入る」というのは何か? です。

ジャンプをする時に勢いよくしゃがむ動作を事前にすると思います。

このしゃがむ動作で「筋肉を勢いよく伸ばす」と筋肉は「反射的」に縮もうとします。

これを「伸長反射」と言います。

人間の大抵の動作はこの反射を利用して動いているものなのです。

椅子から「よいしょ」と立ち上がる動作一つ取っても、どこかの筋肉を微妙に伸ばして反射的に軽く勢いをつけて立ち上がります。

ランニングに話を戻しますが着地の時にはその衝撃により急激に筋肉が伸ばされます。

すると反射的に伸ばされた筋肉が縮もうとします。

その「反射の力」を利用して人は走ります。

骨盤後傾

この場合、特に走りに必要なエンジンの役割をするのは「お尻」の筋肉です。

骨盤が後傾・・つまりお尻が落ちているとこの反射の力が弱まります。

猫背はこの骨盤の後傾を誘発します。

お尻が落ちているとお尻の筋肉の付け根・・・・

この場合骨盤の上部ですが、ここが落ちるとお尻の筋肉の「長さが短く」なります。

筋肉はゴムと同じである程度伸びている方が収縮する力は強くなるものです。

骨盤が前傾・・つまりお尻がキュッと上がっていると骨盤の背中側の上部が上がっているのでお尻の筋肉がより伸ばされます。

この状態で着地の衝撃がかかると、骨盤が後傾している時よりはるかに「筋肉がより伸ばされる」のです。

結果「より反射の力」が発揮されやすくなります。

反射の力は意識的に筋肉に力を入れているわけではないので、省エネで走るための基本になります。

発揮されるパワーは強く、さらに省エネ・・・

いいことづくめですね(^^)

ぜひお尻をキュッとあげて走ってみませんか?

ただしやりすぎると「反り腰」になってしまいますので「適度な前傾」が必要です(^^)

骨盤の後ろが落ちると・・体幹編

次に骨盤の落ちたフォームだと体幹がどうなるのかについてです。

腰が落ちていることによって、そして背中が丸まっていることによって、地面を足で蹴ったその反発力が骨盤と背骨でスポンジのように吸収されてしまうのです。

体幹を上手く使えている走り」というのは、地面を蹴った際の「反発力」を、前に移動するための推進力に全て変えられる走りをいいます。

蹴った分だけのパワーを全て余すことなく前方に移動するために使うのです!

そのために地面を蹴った反発力が、スポンジのように身体で吸収されては困るんですよね(^^;

もしそこで吸収されてしまったら、いくら地面を蹴っても身体が前進する力が弱くなるので、それを必死にカバーしようとして「足を前に振り上げる」必要が出てきてしまうのです!

この場合の脚の振り上げはダメなんです!

では地面の反発力を上手く使うにはどうするのかというとジョギングなどの場合、脚は「真下」に降ろすような感覚になります。

地面を「踏む」という表現が適切かもしれません。

なぜなら、地面に対して垂直にパワーが入った方がそこからの反発も強いに決まっています!

斜めに入るとパワーは逃げちゃいますよね!

理想的なのは一瞬前に降り出した脚を「自分の方に戻しながら着地」して、結果的に真下に「踏んでいる」という状態がベストです。

これは着地の時に脚を降り出しながら着地してしまい、一歩一歩ブレーキをかけながら走る・・・

というもっともやってはいけないことを避けるためにも大切な意識です!

脚を自分の方に戻しながら着地していれば「着地ブレーキ」はかかりません!

そして一歩一歩、蹴るたびに起こる反発力を「吸収しない」ようにしなくてはいけません。

ぜひ、自分のジョギングしているフォームを誰かにとってもらい、ちゃんとしたフォームで走れているのか、たまにチェックしてみてはいかがでしょうか?

骨盤と肩甲骨の連動について

最後にまず、初心者ランナーとある程度のペースで走ることのできるランナーを比べると色々と走りに違いがあるのはわかるものの・・

何が違うのかわからないと感じる方も多いのではないでしょうか?

初心者ランナーの特徴として

  • 体幹がしっかりしていない(猫背)
  • 腰の位置が低い(骨盤後傾)
  • 腕の振りが小さい
  • ストライドが狭い

という点が挙げられます。

それに対してある程度のペースで走れるランナーの特徴は

  • 背筋が伸び、体幹が上体を支えている
  • 腰の位置が高い(骨盤前傾)
  • 大きな腕の振り
  • ストライドが伸びる

という点が挙げられます。

二つ目までの話は前のページでしているので、ここでは腕の振りとストライドについてお話ししたいと思います。

これはですね・・・結構関係しているんです

大きく腕を触れば、ストライドも自然と大きくなる・・・という訳ではないのですが・・

ここが、

  • 「肩甲骨を引いて」背筋を伸ばして走っている
  • 「骨盤が前傾」していて、お尻がキュッと上がって走っている

の二つが密接に関係します。

この2点が揃っとていないと、いくら大きく腕を振ってもちょっと「無駄な労力」にすらなりかねません(^^;

どういうことかというと、背筋が伸びて肩甲骨を引くようにして腕を後ろに大きく振ったとします。

すると・・・「胸」は結構張られますよね?(^^)

次にお尻がキュッと上がっている状態で足を後ろに蹴ると・・

股関節の前部はグッと伸ばされますよね?(^^)

走っているフォームから見ると・・・

右の腕を引いているときは、左の足が後ろに蹴られています。

つまり、右胸から左足股関節前部までの身体前面を斜めに走るラインが「ピン」と伸ばされることになります。

筋肉はゴムと同じ性質を持っており、伸ばされると自然と引っ張られる力は強くなります。

そうです。このフォームになると自然と足を前に降り出す力が強くなります。

すると大きく力強いストライドが達成しやすくなります。

これは「背筋が伸びて肩甲骨を引く」ことと「骨盤前傾していること」の2点のうちどちらが欠けていてもダメです。

また、この力強い足の振り出しは特に力を込めて足を降り出すのではなく「伸ばされた筋肉が縮む」という自然の反射を利用するので、とてもエネルギー効率がよく走ることができます。

ただ腕の振りを大きくするのを心がけるのではなく「肩甲骨」と「骨盤」の2点をしっかり意識した上で腕を振っていただくと「大きなストライド」を実現しやすくなります。

自然な大きなストライドで走りたい!!という方は色々と書きましたがよろしければご参考にしてください(^^)

ではでは!

関連YouTube動画 ジムでよく見る歪んだランニングフォームとその改善方法について!!

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